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ファルコンZ  作者: 大橋むつお
15/29

15:マークプロの宣伝ロケット

ファルコンZ 15

『マークプロの宣伝ロケット』        



 

☆……三丁目の星・3


 マークプロの向かいの空き地から、ロケットが打ち上げられた。


 ロケットと言っても長さ二メートルほどのミサイルのようなものだが、先端に二つのカプセルが仕込まれている。

 一番上のカプセルには、二千枚のビラが仕込まれていて、このビラを拾って事務所に持っていくと、陽子やザ・チェリーズと握手ができて、賞金一万円がもらえる仕組みになっている。


 一番目のカプセルは高度一万でハジケ、二千枚のビラは、東京、千葉方面に舞い落ちていった。あらかじめ、マスメディアに連絡してあったので、事務所前は、新聞、週刊誌、ラジオにテレビ、当時全盛だった、映画のニュース会社まで押し寄せた。

 マーク船長は、事務所の両隣と向かいの空き地を借り上げていたので、野次馬を含むマスコミは、余裕で来ることが出来た。


『奇想天外、マークプロの宣伝ロケット!』


 おおむね、こういう見出しで、ラジオとテレビは中継。新聞は夕刊のトップに。週刊誌は翌週のトップ記事にした。

 後日談ではあるが、科学雑誌、それも専門家が読むような『航空宇宙』が取り上げた。当時としても、国産ロケットで高度一万まで飛ばせるものがなかったからだ。

「なあに、素人のまぐれですよ」

 そう言いながら、ロケットの設計図を配った。その後日本の得意になる固体燃料によるエンジンに、ドイツが戦時中飛ばしていたV2ロケットの姿勢制御装置のコピーで、当時の米ソの技術から見ればオモチャみたいなもので、当然米ソは関心を示さなかった。


 握手会と賞金の引き替えは、その日の午後から明くる日の夕方まで行われた。ビラには細工がしてあり、36時間後には印刷は消えるようになっていた。こういうイベントは短期勝負である。

 結果的には、48枚のビラが持ち込まれた。握手は、ビラがなくてもできるので、約一万ちょっとの人が集まった。


「社長の考えることって、すごいわね。たった三日で、ほとんどスターの扱いよ!」


 陽子は感激した。ミナコとミナホも、表面上それに合わせた。400年も進んだ文明の全てを、三丁目星の代表である陽子にも明かすわけにはいかない。


 ロケット打ち上げの二日後から、世界的な異変が起こった。


 陽子と、ザ・チェリーズのプロモーションビデオや音声が、全世界で視聴できるようになったのである。

 これは、高度な人工衛星がなければできないことである。


 そう、マーク船長のロケットの本当の推進力は、小型の反重力エンジンである。二段目のバレ-ボールほどのカプセルが、衛星軌道の高さにまで達すると、中から八個の超小型人工衛星が周回軌道に乗り、陽子やザ・チェリーズの動画や、曲を流し始めた。

 これは世界中のテレビやラジオで視聴できた。共産圏ではテレビやラジオのバンドは固定されていたが、マークプロのプロモは、ランダムに周波数が変わるので、当時の技術では阻止できなかった。


「マーク社長、警察が来ました!」


 急遽増員した人間のスタッフが、顔色を変えて社長室に飛び込んできた……!



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