表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

今日の東京は平和です

遅くなりました

「暑いな」


友人は隣を歩く青年に話しかける。


今語り掛けられている青年は名を那鋏牧なばさみまきだったと私は憶えている。

この青年の友人、つまり今語り掛けている側の男だが。申し訳ないことに私は彼の名をまだ知らない。

いつか君たちに教えることを約束するよ。すまないね。


「今日最高気温24度だって」


青年は額を肩で拭いながら友人の呼びかけに答えた。


「ひえ!?砂漠みてぇだな」

「砂漠の夏は30度~40度が普通くらいだよ」


友人は「例えだろ」と頬を膨らました。それに対し「男がその顔やると気持ち悪いね」と青年は答えた。


この青年たちは高校1年生の16歳。そして今歩いているのは池袋である。



■ ■ ■ ■ ■



★東京都・池袋駅(1月20日・日中)


冷たく不快な金属の擦りつく音とともに男は足を踏み出す。この男、神取一離かみとりひとり。高級な女物のコートを羽織ったこの男は後ろで勃発している不良の抗争や、それに怯える人々には目もくれず、歩を進める。


駅を出た男は周囲を見回すと、ある一人の女性を見つけ笑顔で手を振った。


「外付さーーん」


女性は男を見ると静かに微笑み小さく手を振る。


外付窓内そとづきまどな。男の恋人だ。この二人、年齢21歳。この物語に振り回される人物でもあるんだが、この物語を振り回す人物でもある。



■ ■ ■ ■ ■



★東京都・自由が丘(同時刻)


そこには、先ほど入れた紅茶を飲みながら優雅に本を読む少女の姿があった。

白い髪をもった青い目の少女。

彼女はこの物語の最重要人物だ。憶えておくといいだろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ