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エレクトリカ  作者: ハリマトモアキ
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緊急対応

朝方4時静寂をきりさく。


ブーブーブーというあたりをつんざく緊急警報の音。警告灯があちらこちらで点滅を繰り返す。


『G3-26地区ゲート付近で超大型ハイブリッドが出現しました。付近の皆様は緊急避難してください。

繰り返します・・・』


解放地区に警報が鳴り響き、緊急避難勧告を自動アナウンスが伝える。


その音に飛び起きる男が1人。


昨夜遅くまで仕事を行い念のためにG地区付近の支所で寝ていた出雲は警報音と同時に飛び起きる。


「やっぱり出やがったか。念のためG地区付近で寝泊まりして正解だったな。」


寝起きのぐちゃぐちゃの髪のまま、作業着を着ながらコップ一杯の水を半分飲み、観葉植物に残りの水をかけると急いで事務所の扉を開き駆け出していく。


急ぎながらもタバコを口にくわえ火をつけると、車まで走り去る。そして。携帯をオペレーターモードにきり変えると、昨夜詰め込んだ武器を再び確認したのち車に乗り込みエンジンをかけた。


「出雲です。アラートG3-26地区ハイブリッドの制圧、俺が行きます。目標までは今から出れば10分でつきます。」


「ちょっと待って?!由里香だけど。しゅと君なんでそんな近くおるんよ。」


夜間オペレーターだった由里香はあまりに早い出雲の対応に驚気を隠せなかった。今から緊急招集の準備をしようとおもった由里香だったが、突然の出雲からの逆オペレートに内心非常に焦っていた。


「念には念ですよ、由里ちゅん。とりあえず俺1人でも食い止めるから近くにいるやつに応援よろしく。」


「わかったけど、気いつけやしゅと君。今回のは超大型タイプだから無理はせんといてな。」


「了解。あくまで足止め、足止め」


出雲はそういうと乗っている車の上にサイレンをつけ車をぶっ飛ばす。


車内の緊急ラジオ放送を全開にし、窓を開けるとタバコの煙を吐き出した。車で向かいながらもあれだったらこうしようとシュミレートをしながら現場へと向かう。


わずか8分で現場に着いた出雲は車の後ろからゴソゴソと道具をとりだす。


「ハイドラとピアッシングストライク!早速使わしてもらうぜ 生駒ちゃん!」


そういうとヘルメットと腰ベルトそして謎の骨組みを左手に装着しヨシッとかけ声を上げハイブリッドの元に向かう。


ゲート付近につくと緊急専用のカードリーダーに自分のカードを通しゲートを開くと、いきなりウインチを使いゲートの作業台まで自分を持ち上げ標的を探し始めた。


右左と確認すると隔離壁をドンドン殴る衝撃と衝撃音がこだまする方向を察知する。そこには15メートルはあるだろう全長を揺らし、断絶している壁を殴り続ける超巨大ハイブリッドの姿があった。


「いた!近くで見るとでっかすぎだろ!完全に怪獣じゃねーか。」


あまりにもでかすぎる作り物のような巨体は、出雲が怪獣というのも頷ける規格外の大きさだった。


出雲は目標までゲートの作業台をひょいひょいウインチを使い乗り越えていくと、籠型のゴンドラの上で安全帯のフックを鉄骨に回し掛けした。


「ゆりちゃん、目標まで残り50メートル!こっからこすい手使うから『リンカー』承認してくれ!」


そう言い出雲は携帯のスキャナーにライセンスカードを通した。


「おっけーしゅと君『リンカー』承認。増援までもう暫くかかりそうなんやけど大丈夫なん?」


「大丈夫!俺にまかせろ。ぶちかましてやりますよ!リンカー起動」


起動の声に応じるよう二つの筒状の物体が出雲の近くに浮かび上がる。そして目標のハイブリッドに筒状の物体の射出口を向けた。


「ぶち抜けぇ!!」


掛け声とともにその筒状の空中に浮いた武器、機材センターの甲板をぶち抜いたピアッシングストライクを放つ。


けたたましい音とともに放たれた二つの弾道は超大型ハイブリッドの頭と右足を貫通すると、その巨体はグラっと傾きゲートに向かってズシーンと倒れこんだ。


「さすが生駒ちゃん製。威力は折り紙つきだな。

これに爆薬ついてたらな最高なんだけど。」


「しゅと君なにその武器?!」


「生駒製ピアッシングストライクと言います。まずは遠くから動きを止める!二発目!ファイヤー!」


掛け声とともに2個の高速で放たれた射出物は今度は目標の左足と左手を突き抜け穴を開ける。


巨大ハイブリッドはうずくまったまま大きく唸りを上げると出雲の方へ視線をむけた。


    

    

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