新武器実験
「ちょっと飛ばすよ」
生駒がサングラスをとり愛車のスポーツカーのギアを
さらにあげる
「オッケー三点式でとめてるからやっちゃってください。鋼のすねで踏ん張っとくんで」
出雲も生駒の荒い運転を知ってか身体を安定させると助手席に踏ん張る
ーー生駒ちゃん運転異様に荒いからな
「じゃあいくよ。踏ん張っててね」
レネゲイズとの戦闘の件で報告書も作らないといけないが新武器と聞いては行かないわこにはいかない出雲
加速する車の中でもあの武器はあーだこーだ生駒と会話しながら山道を凄いスピードで駆け抜けて行った。
正直途中で警察がいたら確実に生駒は免停だったろう
そして会話しているうちにあっという間に機材センターについてしまった。
ひときわ大きなゲートの前で運転席からセキュリティカードを差し込むとゲートが自動で開き中の倉庫群が見えてくる。
そこら中に重機が置いてあり作業員たちがメンテナンスをしている。
生駒は一番手前の第一倉庫まで車を入れる
「さあ、出雲くん降りて。新武器の実験さっそくやっちゃいましょう」
「ぜひ、やらしてください生駒ちゃん!」
第一倉庫はひときわ頑丈な壁に覆われており防音、対衝撃も完璧な倉庫だ
広さで言えばだいたい学校の体育館くらいあり
いろいろな機材がおいてある。
だいたいここで新武器の実験等を行い本番で使えるか判断している。生駒は第一倉庫の武器置き場の鍵を開けると奥から武器を運び出す準備をする
「ふっふっふ、まずはこれリボルビングブレイカー通称『ハイドラ』。回転式の弾倉にパイルバンカーを6連装してあって火薬で押し出しさらに振動で一気に粉砕する代物だよ」
生駒が笑みを浮かべ作った武器をホイストクレーンで運びだし降ろしてくる。見た感じかなり重そうな武器である
「かっ、かなり造形がかっこいいな。でもホイスト使ってるってことはかなり重いでしょう」
「重さは25キロです・・・だいぶ軽量化したんだけど・・・」
生駒は頭をポリポリかきながらハイドラをポンポン叩く
「これが試作段階では限界の重量だね。確かに重量は凄いけどその分威力は凄いよ。バイブロ使いの出雲君なら大丈夫だと思うよ」
満面の笑みで生駒は出雲を見つめると早く早くと急かしてくる
出雲はハイドラをホイストから外すと片手でぐいっと持ち上げる
「バイブロ0式の重量と衝撃に比べれば楽勝ですよ。」
「さっすが出雲君。どちらの腕でもいいけど右につける左につける?」
「左はバイブロ専用だから右につけてみるよ。あぁコレ引いといてぶつけてガンっタイプか」
生駒から説明を受ける前から感覚で武器の操作をかたりだす出雲
「そう、打つ前に手前にトリガーを一回引いてからトリガーを戻す感じ、そうするとその杭が振動と火薬推進でボンボンボンっと連続で押しだされるってわけ。やたら硬い敵とかの装甲を貫くのを目的にしてる武器だよ。」
そういうと重ねた鉄板部分を指差しここに打って見てと手で催促する生駒
出雲も右手に急いで装着し準備を整え用意された鉄板の前に行き攻撃態勢をとると出雲はハイドラを起動する。
そしてより安定するようどっしりと重心を落としプシューというコンプレッサーの抜ける音ともに出雲が叫ぶ
「貫け!リボルビングブレイカー!!」
掛け声と同時にトリガーをガシャンと戻すとブレイカーが振動
先端が火薬で押し出され一撃、二撃と連続で回転弾倉が回り次々に打ち出された。打ち出された杭は厚い鉄板をガインッという爆音とともに全てぶち抜くと同時に反動で腕が反対方向に吹き飛ばされる出雲
「いつつ!いいねぇ、確かに硬いやつに使えそうだ。
衝撃がバイブロなみに凄いけど」
「そうなの強度あげたりするのに必然的に重くなっちゃったし衝撃もすごいからみんな嫌がりそうなんだよね。これじゃあまた出雲君専用武器だよ」
まだまだ改良の余地がありそうで生駒が武器を見ながらブツブツつぶやいている
金属部分をもう少し炭素繊維おおめにとかすでに改良にかかりそうな雰囲気だ。そんな生駒に対し出雲は声をかける
「生駒ちゃん、あれはできた、あれ」
出雲が笑顔であれあれいうと生駒は出雲が所望するものに感づき大型の運搬具に載せてあった荷物を持ってくる。
「これでしょ出雲君!頼まれてたもの。足用アンカーボルトと腕用のアンカーパッドそれと強化アームドパーツ上半身用だよ。アンカーパッドは結局両方の腰あたりと両腕に装着するようにしたよ」
生駒がハーとため息をついて その場に座り込む。
対して出雲は目をキラキラ輝かしてアームドパーツをベタベタと触ってはすげぇと言う言葉を繰り返している
「ついにアンカーとパワードスーツが俺のものになる日がきたか。しかももいい感じに小型化できてるじゃない。さすが生駒ちゃん、さっそく使うよ」
「アンカーは本当に使い方が難しいから気をつけてよ。まだまだ改良が必要だからね杭と握る力で固定するタイプだけど、全身鉄のハイブリッドにどこまで通用するかわからないよ、ウインチ機能はもちろんつけてあるから。」
「全く問題ないから、ちょっと装着手伝って生駒ちゃん。」
もう試したくて話をあまり聞いていない出雲は生駒に無理やり頼み込みアームドパーツとアンカーを装着する。
ガシャガシャと腕を伸ばしたり縮めたり手をグーパーしたのちいきなり両方の腰のアンカーを起動してみる。
がうまいように目標に引っかからずアンカーは20メートル先に落下する
「ぐあっ、むずいアンカー調節むずい。これ確かにどうやって張り付くかだね。」
出雲が落下したアンカーを見ながら生駒に話しかける
「そうなのよ。だから完成してる足用アンカーボルトは今日おろすけどアンカーパッドど調節が必要なアームドパーツはちょっとだけ待ってて欲しいのできるだけ早く仕上げて見せるから」
そう言われあきらかに残念そうな顔をする出雲、明らかに落胆しているのがわかる
そんな出雲に生駒は人差し指を自分の顔の前で横に振りチッチッチと言うと最後に筒状の物体を持ってくる
見た感じは1メートルくらいの棒にプロペラがついている
「本日の目玉兵器はこれだから!ここだったら大丈夫だから出雲君のリンカーで起動させてみて」
そう言われリンカーで生駒が持ってきた筒状の物体に直接リンクし起動させるとその筒状のものが宙に浮いて静止する。
「これビットみたいに浮くこともできるからトリガーを遠隔起動してみて、そうすると金属製のプレートを高速で打ち出すから。打ち出されたプレートは速度により棒状へと変形、そのまま敵の装甲を貫通・破壊させる武器名前はピアッシングストライク!ロッズの小型化番って言った方が良いかな」
「おっけー、これをあの鉄板に向けて打つよ」
「あっ!待ってこのぶ・・・」
生駒が叫ぶ前に出雲がピアッシングストライクを放つ
けたたましい音とともに放ったものが棒状に変化していき、高速で射出された物体は鉄板どころか第一倉庫に突き刺さってとまった。
「生駒ちゃん・・・これ威力やばすぎでしょ。これはマズイよ」
「あははは、やりすぎたね。第一倉庫まで貫くとは・・・出雲君が勝手に打って貫いたで報告書作っとこう」
「2人でにしようよ・・・最近始末書書いたばっかりだから2人で謝り行こう生駒ちゃん。」
そんなやりとりの後2人で機材センター長に謝りに行きめちゃくちゃ怒られました。
ちなみにバイブロはフレームがまがったため入院だそうだ。