第16話『崩壊の時』
「……へぇ。虹ヶ丘町にこんなところがあったんだな」
風巡丘を越えた更にその先の未開拓となっている山が俺たちを迎えるように鎮座していた。山の入口と思しき場所から見上げてみればその大きさがよく分かる。
現在の時刻は22時を過ぎたあたり。元より灯りの少ないこの町だが、人里離れたこの場所には民家の一件どころか田畑の一つすら無く、頼りにしていた月明かりも今日は無い。
絶好の天体観測日和と言えば間違いはない。しかしこれから山に登ると考えると不安も多かれ少なかれあったりする。夜に、しかもこんな暗い中山登りをするくらいならば、昼間に集合して登った方が安全だったのではないかと思うが今更そんなことを言っても仕方ない。安全第一で登るしかないだろうな。
「……怖いね、ここ」
「怖い?」
俺と同じように山を見上げていた小夏がボソッと声を落とす。
「うん。怖い。嫌な予感がする」
「おいおい……。お前が言うとわりとシャレになってないからやめてくれよ」
小夏は昔から勘が鋭い。百発百中とまでは言わないが、こういう事の小夏の言葉はそれなりに信憑性が高く、警戒しておくに越したことはない。
「おーい、ひより」
「? どうかしましたー?」
近くでスマホを弄っていたひよりに声を掛けると、名前を呼ばれた子犬のようにとことことこちらにやってきた。
「ひよりはこの山には詳しいのか?」
「全く知りませんね。この辺りは地元民ですら滅多に来ないような場所ですから。見渡してみれば分かると思いますけど人が暮らすにはちょっと厳しい感じがしません?」
塗装された道は一つもなく、放置された野草や花が地面を覆っている。何気なく触ってみた地面は固く、水源も近くに無いから田んぼを拓くことも出来ないだろう。また、平らな土地ではないことから家を建てるにも相当な苦労が付き纏うのはまず間違いなかった。
「まぁ確かに厳しいな」
「商店街や駅に行くにも時間と体力を使うから住める環境だったとしても私は住みたくないなぁ」
「あ、それと、ひよりが聞いた話だともう一つ、人がいない理由があるんですよね」
思い出したようにひよりはポンと手を打つ。
「どうやらこの辺りは地盤が悪いらしいんですよ。本当か嘘かは分かりませんけど、昔地震が起きてこの辺り一帯土砂で埋まったそうです。前日が凄い雨で弱かった地盤が限界を迎えたそうで。それ以来この辺りは使われていないという話を聞いたことがあります」
その話を聞いて俺と小夏は再び山を見上げた。梅雨は早いうちに明けたこともあって最近は雨なんて一切降っていないが、万が一にも地震が起きた場合かなら危ない場所なのではないだろうか。
「まぁでも大丈夫ですよ! あくまでも昔の話ですし、少なくともひより達が生まれてからはそんな話は聞いたことありませんから!」
俺たちの不安の色が見て取れたのか、ひよりが明るい声で励ましてくれる。そのおかげで気持ち的には幾分マシになったものの、不安の種だけは胸に植え付けられた。
「ほらほらー、そこの三人。そろそろ登るからこっち来て」
葵雪たちは既に登る準備は出来ているらしく、山の入口から少し入った位置で催促するようにこちらに手を振っていた。
「今行きますーっ!」
パタパタと走っていくひよりの背中を目で追いながら俺と小夏も歩き出す。夜の山が大きな口を開けて俺たちを出迎えている。そんな気がしてならなかった。
※
「はぁぁ……しんどい。帰りたい……」
辺りは当たり前のように真っ暗で頼りになる光源は手元のスマホのライトだけ。その上人の手が一切加えられていない山道に真っ先に音をあげたのはこのメンツの中で最も体力の無い葵雪だった。
乱れた呼吸を少しでも回復させようと服をパタパタさせて胸元に風を送り込んでいるせいで先程から薄らと下着が見え隠れしていた。暗いからこの程度のことなら大丈夫だと思っているようだが、スマホのライトの余光があれば丸見えで、俺はやり場の視線をただひたすら進行方向に向けていた。
「男の子だね〜」
俺が困っていることに気づいている椛はからかうように肘で脇腹を突いてくる。
「うっさい。そんなこと言ってると椛のも覗くぞ」
「うん。いいよ〜。修平くんなら構わないから」
そこまで言って椛はこちらに寄って、頭を下げてと手でジェスチャーする。
言われた通りに椛の顔の高さまで頭を下げると、鼻息がかかるくらいの距離まで近づいてきて耳元で囁く。
「好きな人にはね〜、恥ずかしいけど、見てもらいたいものなんだよ?」
吐息のくすぐったさと蜜のように甘い言葉に、俺の体温が瞬間湯沸かし器の如く一瞬で上昇する。
椛の髪から微かに漂ってくるシャンプーの香りや胸に当てられた手が必然的に女の子を意識させる。加えて空いている片手でブラウスを掴んで広げてくるせいで俺の理性は限界を迎えようとしていた。
「……乗せられねーよ」
が、辛うじて残っていた理性がストップを掛けてくれたおかげで俺はなんとか自分を保つ事が出来た。
やんわりと椛を離して俺は大きなため息を吐く。山登りで肉体的に疲れているのに精神的にも疲れてしまったら星を見る前に力尽きてしまう。
「残念〜。あと少しだと思ったんだけどな〜」
「お前な……。こういう事はせめて他に人がいない時にやってくれ……。視線が痛い」
椛の行動はもちろん他のメンツにも見られており、転校初日に味わった蔑んだ視線がグサグサと突き刺さっていた。
「ふふっ」
しかし、巡だけはやはりと言うべきか、いつも通り見守るような優しい瞳をして微笑を浮かべていた。
「お兄ちゃんと小此木さんのことは放っとくとして、風見さん。あとどれ位で目的地に着くんですか?」
「まだ半分くらいだから少なくともあと20分くらいは歩くよ。――――ね」
「え? あ、すいません。ちょっと後半部分聞き取れなかったんですけど……」
「気にしなくても大丈夫だよ。ほらほら、皆――特に葵雪ちゃん、頑張って!」
へばっている葵雪にガッツポーズでエールを送る巡。小夏は先程の会話はもう気にしていないようでひよりと楽しげにお喋りを始めなけがら歩き出す。
「……椛。お前は聞こえたか?」
「何も起こらなければ――って言ってたね」
「だよな。俺の聞き間違いじゃないよな」
「……どういう意味?」
「俺に聞くなよ」
ざざぁと風が吹くと葉や草が揺れ動き小さなざわめきが起こる。それは森全体を覆うように広がり、やがて嵐の前のような静寂が訪れる。
「修平さーん! 椛さーん! 早くー!」
立ち止まっている俺たちの元へ手をぶんぶん振りながら駆け寄ってくるひより。
「ほえ!?」
だが次の瞬間、慣れない山道を走ったせいでバランスを崩してしまったのか、ひよりは転びそうになりながらも何とか体勢を立て直す。
「……え?」
「は?」
けど、それはあくまでもひよりからの視点での話だった。
俺と椛は見てしまっていた。ひよりが走った地面が不自然に隆起したその瞬間を。そして、それはこれから起こるであろう最悪の事態を痛いほど理解させられた。
「ひより!!」
「ひよりちゃん!!」
俺と椛はほぼ同時にひよりに向かって手を伸ばす。未だに状況を掴めていないひよりは、俺たちがどうしてこんなことをしているのか理解できていないらしく、呆然と伸ばす手を眺めているだけだった。
「ひより!! 早く手を――」
俺がひよりを掴むよりも早く、その瞬間がやってきた。
「……!?」
地響きと共に山全体が大きく揺れる。
突然の隆起は地震の直前に起こる現象。女の子とはいえ、人一人の体勢を崩すほどの隆起となればその後襲ってくる揺れは凄まじいものになる。
「きゃぁ!?」
不安定なところに立っていたひよりは案の定バランスを崩して地面に手をつく。
手をついてしまったその位置に大きな亀裂が走っていることに気づかずに。
「………………え?」
吸い込まれるようにひよりの手が地面の中に沈んでいく。ここで初めて自分がどれだけ危険な状態なのか理解したひよりの顔が青ざめていく。
「ひよりぃぃぃぃぃいいいいいっ!! 手を掴めぇぇぇぇぇえええええ!!」
「しゅ、修平さ――」
しかし俺がひよりの手を掴む前に虚しくも地面が崩れ、ぱっくりと空いた穴にひよりの姿は飲み込まれていった。底の見えない暗闇にひよりが落ちていく。掴めなかった手を伸ばしたまま、その姿が見えなくなるまでひよりはずっと俺のことを見つめていた。
闇に消える最後の瞬間、自分の死を確信したひよりは恐怖に怯えながらも必死に笑顔を作り口を動かす。
「――だいすき、です……っ」
声は聞こえなかったけど、ひよりは確かにそう言っていた。
最期の最期までひよりは自分の想いを貫き通したままその命を終えた。
「あ……あぁぁああぁ……」
視界が霞み、零れた悲しみの結晶がひよりの後を追うように闇の底へ落ちていく。何も掴めなかった右手は力を無くしてだらんと垂れ下がり、絶望が胸の内を真っ黒に染めていった。
「いやぁぁぁぁぁあああああ!!!」
ひよりが落ちていく光景をもろに見てしまった椛が耳を劈く悲鳴を上げる。しかしそれも未だ続く地響きの音と立つことすらままならない揺れによって掻き消された。
「いや、いやぁぁ……ひよりちゃん!! ひよりちゃんッ!!」
「……っ」
錯乱する椛の姿を見て俺は我に返る。体を起こして何とか椛の元へ駆け寄ると壊れてしまいそうな小さな身体を胸に抱き寄せた。
「落ち着け椛!!」
「だってひよりちゃんが!! ひよりちゃんが死んじゃった……っ!!」
「そんなの……そんなの分かってる!! けどここで冷静さを失ったらお前まで死ぬぞ!!」
「……っ」
死に恐怖しているからこそ、俺の言葉は今の椛に効果的だった。
「無理言ってごめんな……。でも今は俺の言う通りにしてくれ」
「……うん」
小さく頷いたのを確認して俺は振り返る。地割れはもうすぐ側まで迫っていて、このままでは俺と椛も巻き込まれてしまうだろう。
「巡!! 小夏!! 葵雪!! 無事か!?」
既に俺たちの位置は分断されてしまっている。合流は不可能に近いが、せめて安否の確認だけでもしておきたい。
無事を願った向けた視線の先に飛び込んできたのは、その場に座り込んで呆然とひよりを飲み込んだ穴を見つめている葵雪と、表情までは見えないが必死になって葵雪を動かそうとする小夏だけで、巡の姿は何処にもなかった。
「巡!? おい巡!! 何処にいるんだ!?」
叫んでも返ってくるのは反響した自分の声だけ。ひよりに気を取られている間に巡にも何かあったのかもしれない。
「修平くん……っ」
不安げに服の袖を掴んで椛は俺を見上げる。見ていて痛々しい表情を見つめ返すことはできず、俺は目を逸らして唇を噛んだ。正常の判断をしようと思っても、止まらない揺れを前に怒りだけが込み上げてくる。
「くそ……っ!! いつまで揺れて……!?」
その瞬間、地面が文字通り動いた。
いや、違う。正確には俺たちの立つ地面は動いていない。小夏と葵雪がいる方の地面が動いているからそう錯覚しただけだ。
「小夏!! そこから今すぐ離れてこっちに飛べ!! 地滑りが起きてる!!」
「そんなの分かってるよ!! でもでも!! 水ノ瀬さんが!!」
小夏の声はすっかり涙声になっていた。懸命に葵雪を動かそうとしているが、魂の無い人形に語りかけているみたいにピクリとも反応していなかった。
「くっ……!! 葵雪ッ!! おい!! しっかりしろ葵雪ッ!!」
聞こえていないのか。それとも聞こえていないフリをしているのか。どちらにせよ葵雪から返事が返ってくることはなかった。目の前で人が死ぬ瞬間を見てしまったせいで葵雪の心は壊れてしまったのだろう。でなければあんな死んだような目をすることはない。
「修平くん!! 早くしないと二人が!!」
「分かってる!! 分かってるけど……!!」
危険を承知で向こう側へ飛び乗って葵雪を助けるか、それとも……見捨てるか。俺にはこの二つの選択肢しか残されていなかった。
「修平くん……っ!!」
「く、そ……ッ!!」
苦渋の決断の末、俺は小夏に向かって叫んだ。
「小夏!! 葵雪のことは見捨てろ……ッ!! お前だけでもこっちに来るんだ!!」
叫ぶと同時に涙が溢れ出た。
分かっている……。自分でも分かっているさ!! こんな選択は正しくないことくらい痛いくらい理解してる。
二兎追うものは一兎をも得ず――。もしも放心状態の葵雪を助けようとすれば小夏はおろか、自分自身すら死んでしまう可能性が高い。無力な俺には二人を同時に救うことなんて出来やしない。
「……っ」
小夏も分かっていた。このまま葵雪をどうにかしようとしていれば自身の身が危ないということくらい言うまでもなく分かっていた。
「うああああぁぁあぁぁあああ!!」
小夏は自分を縛る全ての感情を振り払うように空に向かって吼える。そして、未だ動くことのない葵雪に背を向け、助走を付けてこちら側へ跳躍した。
「――ごめんなさい……水ノ瀬さん……っ!!」
着地と同時に小夏は泣き崩れる。きっと俺たちはこの先ずっと後悔して生きることになるだろう。大切な友達よりも、自分の命と家族を選んでしまったことを――。
「――走るぞ……小夏、椛!!」
けど今は立ち止まるわけにはいかない。俺は小夏と椛の手を掴んで走り出す。後ろから聞こえてくる無慈悲な崩壊の音の中に一つだけ何か柔らかいものが潰れたような音が混じった。
「葵雪……っ!!」
耳を塞ぎたい気持ちを必死に抑え込んで俺たちは走る。
地震の揺れは収まっていた。しかし山全体はバキバキと嫌な音を立てながら小刻みな揺れを続けていた。山が崩れ始めているのだ。早く脱出しなければ俺たちは全員死ぬことになる。
「――きゃぁ!!」
歪んだ地面に足を取られた椛が派手に転んでしまう。
「椛!? 大丈夫か!?」
「う、うん……大丈――痛ッ」
立ち上がろうとした椛は足首を押さえて苦痛に顔を歪める。
「足を捻ったのか……!! 小夏、俺は椛を背負うから先頭を任せてもいいか」
「分かった」
手早く椛を背負うと先行する小夏の背中を追いかけ始める。
崩壊するまでの猶予はもうあまり残されていないだろう。しかし不安定な地面と黒く染まる視界が俺たちの進行を妨げる。
「っ、はぁ……はぁ……」
比較的体力のある小夏も早いうちから息が上がっていた。極限状態による精神負荷が重力のように重くのしかかってくる。それに加えて俺の背中には椛がいる。正直もう歩く体力すら俺には残されていなかった。
「……!! お兄ちゃん、小此木さん!! 出口が見えましたよ……っ!!」
息切れしていた小夏の声に覇気が戻る。あと少しだけ頑張ればこの窮地を脱出できる――そう思うと自然に力が湧いてきた。
けどそれは次の瞬間、儚い夢となって崩れ去ってしまう。
「お兄ちゃん!? 避けて!!」
ミチミチと、何かが千切れるような音がすぐ真横から聞こえてきた。その音の正体が何なのか分からないが、小夏の焦りようからして身の危険が迫っていることだけは直感的に理解した。
「……は?」
向けた視線の先には巨大な影が迫ってきていた。それが地震によって倒れてきた大木だと気づいた時には、俺の体は恐怖で岩のように硬直して動かなくなってしまった。
大木は目の前まで迫っていた。こんなのに潰されたら人間なんて一瞬で潰れてしまう。
「――――!! ――――!!」
小夏が必死になって叫んでいるが俺の耳に聞こえてくるのは近づいてくる死へのカウントダウンだけ。
クソ……なんでこんなことになってるんだよ……。ひよりと葵雪は死んで、巡はいなくなってしまった。そして俺も今こうして命尽きようとしている。もしこれが神様の決めた運命だって言うのなら、俺は死んだ後も神様を恨み続けてやる。
「――修平くん……っ」
「っ!?」
そうだ。このままでは死ぬのは俺だけじゃない。背負っている椛も巻き添えで死んでしまう。そんなの絶対に許せない。もうこれ以上大事な友達を失ってたまるか!!
「椛……お前は――生きてくれッ!!」
鉛のように重い体を最後の力を使い果たす勢いで解放し、背負い投げの要領で椛を小夏の元へ投げ飛ばす。
「くっ……!!」
小夏は地面に転がりながらも何とか椛を受け止めてすぐに体を起こす。
「お兄ちゃんも早く!!」
「……悪いな、小夏。俺はもう無理みたいだ」
「ば、馬鹿なこと言ってないで早く来てよ……!!」
足が倒れてきた大木の根本に挟まれていた。抜け出そうにも疲労のせいで力が入らず、俺は泣いてる小夏に笑いかけることしか出来なかった。
「ほら急げ。いつまでもそこにいたらお前たちまで巻き込まれるハメになる」
「嫌だよ!! 今助けるから!!」
「こっちに来るなッ!!」
「っ!!」
普段絶対に出さない大声に小夏は怯む。これ以上小夏が何も言えないように捲り立てて俺は言葉を続ける。
「お前たちは生きろ!! 生きてくれ……!! 俺たちが共に過ごした時間を無駄にしないでくれよ……っ」
泣きそうになるのを必死に堪えて笑顔を浮かべる。
小夏はああ見て泣き虫の心配症だからな。例え仮初の笑顔であろうと、こうして笑って背中を押してあげないと前に進んでくれない。
「だから――とっとと行けぇぇぇぇぇえええええ!!」
「……っ」
咆哮は小夏の心を動かす。
椛の手を取って俺に背を向けた。小さな背中からはその身に合わぬ悲しみが溢れ出ていた。それでも小夏はもう一度たりとも振り返ることなく走り去っていった。
それだそれでいい。ありがとう、小夏。お前とさよならするのは寂しいし不安もあるが、俺の妹なら何とかやってくれるだろ?
もし……もしだ。もし俺が生まれ変わって、もう一度お前の兄になる機会があったら、その時はまた、馬鹿みたいに騒がしくて楽しい日常を謳歌しようぜ。
ああ……でもやっぱり……死ぬのは怖いなぁ。もっともっと……生きたかったなぁ……っ。大切な友達と、かけがえのないこの時間をずっとずっと続けたかった……。
「――大丈夫。続けるよ」
その懐かしい声が耳に届くと同時に全身に激痛が走った。意識が朦朧とする中、その声はもう一度だけ言葉を届けるのだった。
「――次こそは、約束――守るからね」
次の瞬間、俺の意識は深い闇の中に閉ざされた。
to be continued