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空の宇珠 海の渦 第五話 その五十八






『面白い、実に面白い…』



別の声が真魚に届く。

 


『姫、久しぶりだな…』

 



「大物主…そうか、壱与か…」



真魚は全てを理解した。




『ご機嫌ね…』

 


美しい声はその声の主を揶揄する。




雲が切れた。

 


そこから光が差し込む。




『楽しみは…とっておかぬとな…』

 


大物主はそう言った。




その光は真魚に注がれた。

 


真魚の身体が輝いた。

 


全てが金色に輝いていた。

 



「真魚、大丈夫なの!」



神の領域と言ってもいい。



その生命(エネルギー)に壱与が驚いている。



身体の崩壊が治まっている。




挿絵(By みてみん)




『全く、お主は…』



美しい声が呆れていた。

 


真魚の棒に雷が落ちた。



「これは俺の未来だ!!!!」

 


真魚が叫ぶ。

  


真魚は棒を投げた。

 



それは光の矢となって一直線に飛んでいく。

 


そして、黒龍に吸い込まれた。

 


しばらくは何も起きなかった。

 


だが、次の瞬間、黒龍が苦しみだした。

 


苦しんだかのように見えた。

 


膨れあがった。

 


身体の隙間から光が溢れ出した。

 


光が弾けた。



その光に全てが包まれるまで、時間はかからなかった。



光で何も見えなくなった。

 


その光が消える頃、そこに黒龍の姿はなかった。

 


 

真魚の身体から光が失われていく。

 


真魚は膝をついた。

 


身体を支える事が出来ない。

 


今度は両手をついた。

 



『真魚!』

 


美しい声が深刻さを伝えている。

 


吐血した。

 


大量の血を吐きながら真魚はその場に倒れた。

 


「真魚!」

 


嵐が飛んできた。

 


真魚の意識はなかった。

 



「理水があれば…」

 


「奴ら、肝心なときに…」

 


嵐はどうしていいかわからなかった。

 


『連れてこい!』

 


美しい声がした。

 


『今の貴様になら出来るであろう!』

 


その声は嵐にそう言った。

 


嵐は真魚を咥えて飛んだ。

 


そうするしか方法はなかった。

 


大地に傷跡が残されていた。

 


その中心に、真魚の棒が残されていた。




挿絵(By みてみん)




続く…





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