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空の宇珠 海の渦 第九話 魂の鼓動 その二十六






薄暗い森の中。

 




もうすぐ陽が昇る。






霧が立ちこめている。

 





その中で、二つの影が動き始めた。

 





山蝉と蜻蛉。 

 





その目的は同じであった。

 





二つの影が、二つに分かれた。

 





影は真逆の方向に動いた。

 






大きい方が山側へ…

 





そして…





小さい方は山を下る。

 





「あの時の姿からすると、この辺りにいるに違いない…」

 





人里に紛れ、生きている。

 





小さい影、蜻蛉はそう考えていた。

 




挿絵(By みてみん)






劉牙りゅうが様の言うとおり…」

 




―動けば見つかる…―

 




鹿牟呂を見つける事に成功した。

 





「しかし、あの男は…侮れぬ…」

 





その目的を阻んだ男。

 





闇を葬り去りった男。

 




蜻蛉が、初めて味わう屈辱であった。 

 





「鹿牟呂の奴、既に…」

 




蜻蛉の脳裏に予感が走る。

 




「しかし…」





「あれは、劉牙様しか扱えないはず…」 






蜻蛉はその考えを自らで却下した。

















陽が昇ると同時に、村人が動き始めた。

 




田や畑に向かい働き始める。

 





「今日は稲刈りか…」

 




壱与の家は高台にある。

 




そこから…

 




真魚と嵐がその様子を見ていた。

 





「今日は忙しくなるわよ!」

 




壱与もそう言って田んぼに向かった。

 





稲刈りは村人総出で行う。

 





それは壱与も例外ではない。

 





刈り取った稲を、はざかけにする。






見た目よりは重労働である。

 






「俺達には出番はないか…」





 

嵐はそう言って座り込んだ。

 






「そろそろ奴等が帰って来る頃だ…」

 





真魚がそう言って笑みを浮かべた。

 




「奴等とは、奴等か!」

 





嵐がそう言って辺りを見ている。

 




嫌な予感がする。

 




「ひょっとしてもう来ておるのか!!」

 




嵐がそう言った時である。

 





ひゃひゃひゃひゃ~っ

 




奇妙な笑い声。

 





「まだまだお主には見つからぬ~」

 




どしん!






後鬼がそう言って跳んできた。

 





「真魚殿だけは騙せぬがな…」

 





どしん!





そのあとに前鬼が続いた。

 





「俺も知っておったわ!!」





嵐が負け惜しみを言っている。 

 





「ところで、真魚殿…」

 






嵐の事は無視して後鬼が話し始めた。







次回へ続く…






挿絵(By みてみん)



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