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空の宇珠海の渦 第八話 神の血族 その三十三






「一体、何なのだ?これは?」

 



阿瑠が謎の式盤を見ている。



だが、全く興味が無い訳ではない。

 


今、自分は見知らぬ川に流されている。

 


その川の流れに、興味を抱かずにはいられない。



それは、自らの運命の流れでもあるからだ。




挿絵(By みてみん)





「どうやら…何処かに繋がっておる…」

 


前鬼が、それを感じ取っている。

 



「繋がっている…?」



目に見えないもので、繋がっている。

 


それ自体が、阿瑠には謎である。

 


阿瑠には、見えているものだけが全てだ。



見えないものは、理解出来ないのである。




「ま、考えられることは…一つじゃな…」



後鬼が、その波動を探っている。

 



「村が生きているのと…」

 


「何か関係があるのか?」



阿瑠の指摘は、間違っていない。 




「ほう…」



「お主、感度は鈍いが、頭は悪くないのう…」



後鬼が、阿瑠をからかう。

 



「褒めているつもりか…」



阿瑠の気持ちは、複雑である。

 



「恐らく…対になっておる…」



「つい?ついって何のついだ?」



後鬼の言葉に、阿瑠が混乱している。



 

「表と裏、男と女…陰と陽…」



「そう言えば、わかるじゃろ…」



前鬼が、阿瑠にわかりやすく説明した。

 



「二つは常に寄り添い存在している」



「互いに…影響を与えながらな…」



そして、後鬼がそう付け加えた。

 



「この村が生きているのは…」


 

「もう片方の村の…影響なのか…」



阿瑠は、自らで答えを導いた。

 



「だが、見た目では無いぞ…」

 


「生命エネルギー的にどうかと言う事じゃ…」




「見た目では…?わからないのか…?」



後鬼の説明で、阿瑠がまた戸惑っている。

 



「まさか!幽霊が生きているとでも…」




はっはっはっ~!



前鬼と後鬼が、同時に笑い声を上げた。

 



「そういうことにしておくか…」



後鬼が笑いながら言った。




「確かに、お主に幽霊は見えぬだろう…」

 


前鬼が、阿瑠の発想に呆れている。



「良いか、波動が高くなれば、目には見えなくなる…」



「それは世界が変わるという事じゃ…」




「世界が変わる…」



後鬼の言うことが、阿瑠には良く分からない。

 



「だがな、それらは存在し、互いに影響を及ぼす…」

 


「ただ、見えぬと言うだけだ…」



後鬼が、阿瑠の思考に寄り添う。

 



「もう片方の村には、真魚殿がいるはずじゃ…」



「そして、村の者達もな…」



後鬼はそう言って、謎の式盤を見ていた。




「昴もか…」



阿瑠の脳裏に…



昴の鋭い眼差しがよぎった。




挿絵(By みてみん)




続く…





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