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空の宇珠海の渦 第八話 神の血族 その二十






「村人は、生きているのだな…」



真魚が話を戻した。 

 


「信用していいの…」



舞衣が、真魚を見ている。




挿絵(By みてみん)




「私は、信じる!」



昴が、自らの気持ちを見せた。

 



「じゃあ、私は昴を信じるわ…」



舞衣は、昴のその心を受け入れた。



 

「朔も昴の言う事なら、信じるわよね…」



舞衣の朔に向けた言葉は、容赦ない。

 



「どー言う意味だよ…」

 


答える朔の頬が赤い。

 



「こう言う意味よ!」

 


舞衣は、朔の頬を指で弾いた。

 



「決まりだ…」



真魚が手を打った。

 



ぐうう~~~~っ



 

「ところで、美味いものはあるのか?」



嵐の腹が限界のようである。

 



「行ってからのお楽しみかな…」



昴が、嵐を見て微笑んだ。

 



「そこまで、どれくらいかかる…」



真魚が嵐の腹に呆れている。




「明け方までには…」

 


舞衣はそれがおかしかった。

 



「戻れぬかも知れぬか…」



真魚が、懐の鈴を握った。

 


ちりぃぃん

 



「その鈴は用がない時はならぬのか…」



嵐が今更のように感心している。

 



「また、賑やかになるのか…」


 

うんざりした様子で、真魚を見た。

 



「そう言うことだな…」

 


真魚が、嵐を見て笑っていた。







ちりぃぃぃん


 

鈴の音が聞こえた。




「ぼちぼちかと…思っておったが…」



後鬼が、木の上で立ち上がった。

 



「ここまで来ておいて、正解だったのう…」



前鬼が、星を眺めながら言った。




前鬼と後鬼は、役小角に仕えていた夫婦の鬼。



前鬼が男で赤鬼、後鬼が女で青鬼である。



小角が亡くなってから、時間を持て余していたところ、



真魚に出会い、お供をすることになった。

 


 


人で言う所の六十才ほどに見えるが、実際は何百年も生きている。

 


前鬼には「知識の灯り」と呼ばれる膨大な知識が眠っている。 



その知識の灯りで真魚の行くべき道を照らしている。

 


後鬼は薬師でもある。

 


薬や薬草身体の事においては、人の知識を遙かに超えている。

 


特に、後鬼が造る「理水」は魂の霊力を高める万能薬である。

 


 

「真魚殿に付き合っていると、忙しいのう…」

 


後鬼が笑みを浮かべている。

 



「儂には、楽しんどる風にしか見えんが…」

 


前鬼は、その心を感じている。

 



「そうとも言えるか…」



後鬼が、木の上から跳んだ。

 



「そうとしか言えん…」



前鬼が、後に続いた。





挿絵(By みてみん)





続く…



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