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空の宇珠 海の渦 第一話





「うおおおお~」


 空海は叫んだ。


 その心にある想いのままに。


 手にしていた三鈷杵を海に向かって投げた。


 それは、空の彼方まで飛んで行き光になった。


 涙が頬を伝った。


 唐に来て全てを手に入れた。


 それが、己の生きる道だと確信していた。


 しかし、手に入れた瞬間に全てを失った。


 たとえようもない喪失感。


 「俺は何を…」


 「虚しく行きて実ちて帰る」


 後に空海はそう記している。


 だが、この言葉の本当の意味を理解できる者は、神以外は存在しなかった。



挿絵(By みてみん)



 

風が吹いていた。

 

心地良いそよ風だ。


その風の潮の香りに混じって、禍々しい気配が蠢いている。


 

砂利を踏む音が、足にまとわりつく。


 

眼前の深紅の海が、のたうち回りながら、膨大な闇のエネルギーをはき出していた。


 

夕陽が不気味なほど赤黒かった。



挿絵(By みてみん)





「やっかいなものを背負いこんだかな…」

 

男は、海に向かってつぶやいた。



その男は困っていた。



それは、男のすぐ後ろをついてきていた。



男の 歳は二十歳前後であろう。


薄汚れた着物を着てはいるが、不潔さは微塵も感じられない。


直垂(ひたたれ)



その時代にそう呼ばれていた。



その着物の中に、しなやかな体と強靱な筋肉が備わっている。



 

髪は無造作に、後頭部で束ねられていた。



一見すれば、陰陽道の行者のようでもある。




しかし、この男を大きく見せているもの…



それは、無限に煌めく、眩しいほどの光の輪であった。



顔はこれといって目立った感じはない。



均整はとれているが、 特に美しいというわけではない。



ただ、この男には憎めない愛嬌というべき武器が備わっていた。



これは天性のものだろう。



もし、現代にこの男が存在したら、その魅力を理解出来たかもしれない。


 

目を移してみると、目立つ特徴がひとつ。



その右手には棒が握られていた。



長さは、その男の肩ぐらい。



太さはちょうど一握り程度か…


漆黒。



闇そのものの色である。



闇がそこに潜んでいると言って良い。



そして、その表面には艶があった。



漆を丹念に施したような感じだ。



不思議な事に、その棒には傷一つなかった。



男はその棒を肩に担いでいた。


 

その先には、旅の荷物であろう、赤い瓢箪がぶら下げられている。



鮮やかな朱色の瓢箪であった。


  

他の荷物は一切持っていない。

 


旅の支度にしては非常に軽装であった。


 


「なあ、お前、ええ加減に帰れよ…!」



後ろのものに言っているようである。



しかし、その男は振り返ろうとはしない。



ついてくるものも、一向に離れる気配はなかった。



「しかたないなあ、これも因縁か・・・」



そう言うと、男はようやく立ち止まった。 



後ろのものもその動きを止めた。



「あ~あ!」



大げさにため息を吐き、その場に座り込んだ。


 

後ろには獅子の形をした岩が、大きな口を開けていた。 



瓢箪を手に取り、中のものを一口含むと、それをゴクりと飲んだ。



「なあ、ちび、お前の本当の名前はなんや?」



そう言って、男は座ったままで振り返った。



男の唐突な振る舞いに驚いたのか、そのものも動けずにいた。


 


いや、正確にはその男の持つ独特の気配。



それを、はかりかねていたのだろう。




しばらくじっとしていたが、



そのものは、ようやくその男の方へと動き始めた。


 

「もうええ、遠慮せんでこっちへ来い」



男の側に、きちんと座った。


「く~~ん」


と挨拶の様な鳴き声を立てた。


「律儀なやつやのう」


男は手を伸ばし、銀色の毛をしたものの頭をなでた。


「く~~ん」


そのものは気持ちよさそうに、その行為を受け入れた。



「まあ、お主も飲みや」


そういうと瓢箪の蓋を取って、手のひらに少しだけ注いだ。


瓢箪の中のから出たのは濁った液体であった。

 

酒だ。


ぺろっとひと舐めしたが、刺激が強かったのか、それ以上は口を付けなかった。


 

「はっはっはっ、おまえの口には合わんのか!」


その男は、そう言って笑った。



「しかし、これで俺とお主は仲間やな」


そのものは、言葉を理解したかの様に、頭を下げるような仕草をした。

 


そのものとは犬の形をしていた。


犬と言っても、生まれて半年ぐらいの子犬のようだ。


色は銀色。



その子犬が、「ある場所」からその男についてきたのである。



気づいたのは、その場所からしばらく経ってからであった。

 


あまりの気配の小ささと、獣の本能とでも言うべき振る舞いが、


男の感覚を鈍らせたのである。



「俺としたことが…」


「まっ、いずれ消えるやろな…」


 

最初に、その男はそう思っていた。


 

しかし、いつまで経っても、その気配は消える事がなかった。



それどころか、だんだんと間を詰めてくる。



出会った場所が、場所だっただけに、あまり関わりたくは無かった。



「で、お主の頼みはなんや?」



「く~~ん」


子犬は、さっきとは違う音色の鳴き声をした。



 「そう言うことか…」


男は、その子犬の鳴き声を、理解しているかの様だ。


 

「それで、俺について来たのか…」



「お主はなかなか目が高い…」


「しかし、俺にも出来る事と、出来ん事があるんやぞ…」



「く~~~ん」


子犬はその男にさらに言った。


 

「お主の主人とやら、お主をどこで拾ってきたかはわからんが…」



「まあ、だいたいの事は…わかったで…」



この男、どうやら獣と話す術を心得ているようである。


 

「しかし、お主では細かな事情がわからん…」



「一度、先ほどの場所まで戻るか…」



男はそう言って立ち上がると、



犬と一緒に来た道を戻り始めた。




挿絵(By みてみん)





その男の名は佐伯真魚。



この後、ヤマトの国に唐から密教を持ち込むことになる。



だが、今の時点ではまだ唐には渡っていない。



その志があったかどうかも定かではない。


 

そこに至る過去の今が、ここに存在している。


 

しかし、この時から十年後、遣唐使として唐に渡り、



日本の仏教界に衝撃的な登場を果たす事になる。


 

果てしない未来への道が続いていた。



生まれは 、宝亀五年(七七四年)



讃岐国多度郡屏風浦(現:香川県多度津町)だと言われている。



だが、それも定かではない。


 

当時は「妻訪い婚」であったために、母方の実家のある畿内説もある。



父は郡司( こおりつかさ) ・佐伯直田公(さえきのあたい・たぎみ)



母は阿刀大足の娘(あるいは妹)と言われている。 




この男はいつの間にか過去から歩き出した。


 

ようやく自分の足で「悟り」という自分探しの旅へ。



佐伯真魚



己の道を求めて…






その場所とは、一軒の小さな家であった。



あばら屋と言っても差し支えのない有様で、そこには老夫婦が住んでいた。


 

真魚がなぜ関わりたく無かったのか?


 

この老夫婦が、泣いていたからである。



真魚が丁度、この家の前を通り過ぎようとした時だった。



人の泣き声が聞こえて来た。



正確には感じたというべきか…



真魚に悲しみの波動が、伝わってきたのだった。


 

その時、この子犬が家の前でおろおろしていたのだ。



しかし、真魚はこの時、小さな過ちを犯してしまった。



「ほほう…」



その子犬に、一瞬でも興味を抱いてしまったのである。



その過ちが、真魚を再びこの家に戻すことになったのだ。 



「なあちび、お前の主人はどこへ行ったんや…」



真魚が子犬に聞いた。



「く~~ん」


子犬は小さく答えたが、真魚には良く分からなかったようだ。



獣と話せる術といっても、実際に言葉を交わしている訳ではなく、



どうやら波動を読み取ってるらしい。



この子犬も、人の言葉を理解しているかは疑問である。



「気配はないな…」


 

「く~~ん」



悲しそうな子犬の鳴き声だった。


 

(らん)お前どこに行ってたんや!」 



子犬の鳴き声に気づいたのか、一人の女が近づいてきた。



どうやら、先ほど泣いていた夫婦の婦人のようだ。



「お主は嵐と言うんか、良い名じゃな」



「あなた様はどなた様でしょう…?この嵐とどういう訳で…」



薄汚れた着物をきていても、真魚がただの男ではないと感じたようだ。



「一つ、お聞きしたいのだが…」



驚かさない様に、真魚は丁寧に訪ねた。


 

「はい、なんでござりましょう?」



女は怪訝そうに返事をした。



「この子犬の主人は今どこに?」


 

女は驚いた様子で答えた。



「どうして…如月の事を知ってござらしゃる?」



「この子犬が、どうも主人の事を心配している様でな…」


 

女は目を伏せた。



すると、その伏せた目から大粒の涙がこぼれ落ちた。



「如月…如月…」


女は何度もその名を呼んだ。



その度に、あふれる涙が、女の如月への愛情の深さを物語った。



「く~~~ん」


 

それは、嵐も同じであった。



「さらわれました…」



女は涙の間に、そう答えた。




「さらわれた…」



真魚は、ようやく事の次第が飲み込めた。



なぜ、子犬に興味を持ったのか。



なぜ、今ここにいるのか。




「誰にだ?」



真魚は更に尋ねた。



「この付近には、若い女が突然いなくなる神隠しが、昔からございまして…」



「それが、ここの所、頻繁に起こるようになって…ついに如月が…」




「さらわれたと、言うことやな…」




「誰の仕業か、なんの仕業かも全く分かりません!」


 

「皆は鬼じゃと言うてます…」



「私もその影を見ました!あれは確かに鬼でした!」



女が堰を切った様に話す。




「どうして鬼だと?鬼も人も形は似ている…」


 

真魚には不可解であった。


 

「角がありました…」


女がその根拠を言った。



「つっ角だと?!」


真魚は、吹き出しそうになったが、こらえてこう答えた。


 


「確かに鬼には角がある」



「だが、本当に恐ろしいのは姿や形ではない…」



「本当に怖いのは闇に取り込まれたものの心だ…」


 

真魚の答えは、核心に触れていた。



角があるからと言って、悪いものとは限らない。 



女は黙り込んでしまった。



「まあ、おおよその見当はついた…少し心当たりもある…」


 

真魚がそう言うと、女の顔色が一変した。



「たっ、助けてくださるのですか?」



「どこにおるか分からんが、すべての手は打ってみぬとな…」



「まっ、それからの話だ…」



真魚は微笑んだ。


 

女の目から、再び涙が溢れ出した。


 

しかし、その涙は悲しみの涙では無かった。


 

如月が助かるかも知れないという、希望に満ちたものであった。


 


「お願いします!どうか如月をお願いします!」


 

「その代わりに私の方からも、一つお願いがあります」



「なんでございましょう!」


「私どもに出来ることなら、何なりとお申し付けください!」


 

女の声の波動が変わった。 




「嵐をお借りしたい」




「嵐をですか?あんな子犬がお役に立つのですか?」



 

「こう見えても嵐はずっと心配しているんで…」



「その心が、想いが…如月に届くはずだ」



真魚はにこやかに言った。





「それに…なあ、嵐」


 


真魚は、嵐の頭をなぜながら話しかける。



嵐もその言葉に応えるべく、尻尾を振って真魚を見ていた。




挿絵(By みてみん)





闇が時を完全に支配していた。




異様なほど静かな夜だ。



そこは海に面した崖の上であった。



「なぁ嵐よ、美しい星空やな」



真魚の足下で、嵐も空を見ていた。



しばらくすると、夜が明けるだろう。



真魚は考えていた。


 

あの時のことを…



あの体験を…




「まっ、そういうことだな…」






僅か数ヶ月前。



真魚は、星と向き合っていた。


 

断崖絶壁。


 

その名にふさわしい場所であった。



虚空蔵菩薩求聞持法。(こくぞうぼさつぐもんじほう)



印を結び真言を唱えていた。

   


結跏趺坐。(けっかふざ)



岩の上に座ったまま、ぴくりとも動かない。


 

そろそろあたりが明るくなる頃だろう。



だんだんと小さな星達は消えていく。




だがその星だけは輝きを失わない。



それどころか更に光を放つ。



波の音が聞こえていた。


  

突然…


 

真魚の周りから一切の音が消えた。



何も無い空間に浮いていた。


 

感じているのは、宇珠だけであった。



しばらくして、真魚の身体が揺れ始めた。



それと同時に、眼前の星が迫って来た。



輝きを増し、真魚に向かってもの凄い勢いで迫ってきた。


 

あふれる光のエネルギーの宇珠。



真魚の身体を中心として、その渦が回転している。



真魚はすべてを受け入れた。



身体がばらばらになり砕け散った。



そこには真魚は存在してなかった。



無限のエネルギー。



人には決して量る事が出来ない。


 

すべてが満たされた。


 

空とはこういう事か…



虚空蔵を確かに飲み込んだ。


 

そう感じた瞬間。



あたりが急に暗くなった。



闇…



何もない。



いや…



ある。



そこには…


 

闇のエネルギーが渦巻いていた。



同時にすべてがそこにあった。


 

何と心地のよいものなのか。



しばらくすると、小さな光が所々に現れた。



それが、少しずつ集まっていく。

 


光の宇珠と闇の渦。



互いに惹かれ、耀いていく。



それがどんどん増えていく。



ひときわ耀く光。



闇の中を、光の渦が切り開いて浸透していく。



その光に小さな光が集まりだした。



どんどん輝きを増す。



それはどんどん大きくなり。


 

やがて…


 

爆発して膨張した。


 

あちらこちらで爆発が起こっている。



そして…



真魚はその爆発の中心に浮かんでいた。



ついさっきまでは、身体の存在にさえ気づかなかった。


 

光の宇珠の回転が遅くなるにつれ、身体も見える様になってきた。


 

だが、まだまだ透き通っている。


 

光の宇珠の中、所々で爆発が起こり、あたりが落ち着くと、身体が実体化した。


 

それと同時に真魚の身体は、もの凄い早さで引き戻された。



静かに目を開けた。



夢か?



幻か?



いや、違う…



この身体に溢れる物はなんだ! 


 

生命(エネルギー)


 

感動。


 

真実。



すべてが真魚の中に満ち溢れた。





「なぁ、嵐よ」



「儚いものだな…」



嵐は真魚を見上げて言った。



嵐がその言葉の意味を、理解出来たかは分からない。


 

「さっ、行くか!」


そういって崖を降りようとした。


 

「お前には…無理だな」


そう言うと真魚は、どういう訳か赤い瓢箪を取り出した。



「しばらく、ここに入っておれ」


そう言うと、真魚は赤い瓢箪の蓋を取った。



すると、どういうことか…


 

嵐は瓢箪の中に吸い込まれてしまった。


 

「少し窮屈だが、怖い思いをするよりはましだ…」

 

そうつぶやくと、それを腰に縛り付けた。


 

「いくか!」


 

そう言って、真魚は命綱もなしに、その断崖を降り始めた。


普通であれば命がけの作業を、真魚はこともなげにやってのける。


そして、超人的な速さで崖の下に降り立った。



「嵐、しばらくおとなしくしてろよ」



そろりそろりと、あたりの様子を伺いながら、崖伝いに歩いた。


しばらく歩くと、真魚は立ち止まった。



「やはりな…」


 

岩の切れ間に、小さな光が覗いていた。



真魚は、懐から紙切れを取り出した。


 

「中の様子を知りたい…」


 

そう言いながら、紙を指で切り取り、何かをつくった。



 「ふっ!」


 

人には聞こえない声で、使い神の真言をつぶやき、


その紙に息を吹きかけた。



すると、紙切れは命を得た蝶の様に飛んでいった。



真魚は目をつぶり、何か口元で唱えていた。 



しばらくすると、先ほど飛んでいった紙切れが戻ってきた。


 

真魚がその紙を手取ると、ただの紙切れに戻った。



その紙切れを左手の掌に乗せ、右手の掌でその紙をなぞった。




「以外と多いな」


真魚はそう呟くと、腰の赤い瓢箪を取り出した。



「嵐、出番が来たぞ」



赤い瓢箪の蓋を取る。


 

その瓢箪の小さな口から、ところてんの様に「にゅう」と… 



嵐が、その愛くるしい顔を覗かせた。



嵐は目をぱちくりさせていた。


  

無理もない。



子犬にこの状況を、理解出来るはずがない。 




いや、人でも理解できるものは、ごく僅かだろう。


 

「よく我慢してたな」


 

そう言うと真魚は、赤い瓢箪の底をポンとたたいた。


 


にゅるりと、嵐の全身が現れた。



嵐はぶるぶると毛を震わせた。


 

「ついてこい」



真魚は嵐を連れて、そろりとその場所へ近づいていった。  






そこは、隠れ家と呼ぶにふさわしいところであった。



入り口は大きな島陰に隠れており、周りは断崖絶壁。



命綱なしでは、降りることは出来ない。



船以外ではここに近づくことは出来まい。



しかし、船であっても、岩場がその進入を拒む。



秘密の経路を通らなければ、近づくことさえ困難であろう。



船は岩にぶち当たり、波に砕かれる。



知っている者だけが、たどり着ける場所であった。



「隠れ家としては最高の場所だな…」



真魚は、入り口と思われる洞窟に近づいていく。



幸い見張りなども見あたらない。



ここの環境が、油断させていることに違いない。



こんな場所に来る侵入者などはいない。



この男、佐伯真魚以外には…。




洞窟に近づくと、奥の方に所々に明かりが見えた。



真魚は、岩伝いに近づき、そのまま入り口に進入した。



 「意外と広いな…」




入り口を入ると、ちょっとした広間のように空間になっており、


 

岩の壁には、様々な道具がぶら下げられていた。


 

道具と言っても、そのほとんどが武器と呼べるものの類だ。 


 

奥にいくつかの入り口が見える。



 

その中は、複雑な迷路の様になっているようだ。


 

「嵐、いけ!」



真魚がそう命令すると、嵐はある入り口の方向に向かった。


 

「如月はそっちか」


 

真魚が向かおうとした時である…




「くせ者だ!みんな出てこい!!」




見つかった。




しかし、真魚に動揺した様子はない。



中からぞろぞろと二十人ほどの男達が出てきた。


 

そのもの達は、それぞれ手に武器を持っていた。


 

真魚の手には、いつの間にか例の棒が握られていた。


 


崖を降りる前までは、持っていたのだが、


 

ここに来たときには、消えていたのだ。




いつのまに、どこから…




その間を割って一人の男が現れた。



 

「ほう…」


 

真魚はそう言って、笑みを浮かべた。



「面白い!」


 

その男は鬼の面をかぶっていた。



一本の角が生えていた。


 

鼻から下は肌が見えている。



全体的には瑠璃色。


 

所々に金の装飾がしてある。


 

目の部分は穴が開いていて、そこから鋭い眼差しが真魚をとらえていた。


 

周りの男達よりも一回り大きく、眼光は力強さを感じる。




挿絵(By みてみん)




どうやら、こいつが首領であるらしい。



「その面はどこで手に入れた…」



真魚がその男に尋ねた。


  

面から不気味な妖気が感じ取れた。



「答える必要があるのか?」


 

男は鋭い眼光を真魚に向けた。


 

「ある…」



真魚は迷いもなく答える。



 

「若造、なかなか度胸がええな」


 

「気に入った、その度胸に免じて答えてやろう…」



男は真魚にその経緯を話した。



「あれは数年前になる…」


 

「この海の沖に難破船が流されてきた」


「ひどい嵐だった様で、生きていたものは少なかったな」


「その船は異国の船で、様々な品が積まれておった」


「金銀財宝はおろか、教典らしきものもたくさんあった」


「俺らはそんなものに興味はないから、ある商人に流してやった」


  

「もちろんそれなりの金はいただいたよ。」



「この面だけは気になって、いただいたのさ!」


 

「その面がどういうものかわかっているのか?」



真魚が話の間に入った。


 

「わからん!だがな、これを付けていると、力が湧いてくる…」


「どんなことも出来る様な、そんな力が…」


男は自慢げに答えた。


 

「鬼と間違われても、仕方あるまい…」


 

真魚は確信した。


 

「おまえは一体誰なんじゃ?」


 

低く静かな声で、鬼の面の男が言った。


 

「自分から名乗るのが、礼儀ではないのか…」


 

真魚に恐れなど全くなかった。



むしろ、楽しんでいるとしか思えない。




嵐は真魚の足下で、小さくなっていた。



「たいした度胸だな」



「俺はこの熊野一帯の海賊の長だ」


 

「名はなんだ?」


 

真魚が聞いた。



幻龍齋(げんりゅうさい)



「そうか、おまえが幻龍齋か…」



真魚はにやりとほくそ笑んだ。


 

「知っているのか俺を?」


 

幻龍齋は驚いた様子でそういった。



「小耳に挟んだだけだ…」


 

真魚が答えた。 


 

幻龍齋も、恐れは抱いていない。


 

ただ、不気味に感じているようだった。


 

たった一人で敵の懐に飛び込んでくる… 


 

この男…


 

「俺の名は、佐伯真魚だ」


 

真魚に恐れなどは微塵もない。


 

元々持っていないかのようである。


 

「真魚…どこかで…」


 

幻龍齋も、何かを感じていた。


 

その意識を振り払うかのように、声を張り上げた。 


 

「真魚とやら、ここに何をしに来たのじゃ!」



  

「事と次第によっては命をもらうことになるぞ!」


 

真魚は動じる様子もない。



「如月という女がここにいるはずだ」



「ほう…それで…」


 

幻龍齋は、左手に持っている太刀に手を添えた。



「その女を返してもらおうかな…」


 

「なにを!!!」


 

何人かの男達が声を揃えた。


 

真魚はにやりとしながらこうも言った。




「その他の女もいただこうか!」


 

海賊どもは、ざわついた。



周りの男達は、今にも真魚に飛びかかろうとしていた。




「お頭、こいつをどうします?」



中の一人が言った。



「慌てることはない」


 

更に幻龍齋は真魚に尋ねた。



「どこまで知っている…」


 


「すべてだ!」



真魚はさらりと恐ろしい言葉を放った。



それは自らの「死」を意味する言葉であった。


 

男達の緊張が頂点に達した。



「ならば、ここから帰す訳にはいかんな」


 

そういうと、幻龍齋は太刀を鞘から抜いた。


 

「それは…どうかな…」


 

真魚はそういうとなにやら呪を唱えた。



「中に眠る荒ぶる神よ、今こそ目覚めよ!」


 

「そして、我に力を託せ、ならばその古の封印を解かん!」


 

そういうと真魚は、足もとでおびえている嵐の背中をたたいた。


 

一瞬、光がはじけた。


 

違う。


 

嵐の目が輝いたのだ。


 

金色にそれは輝いていた。


 

そして体も輝いていく。


 

今度は銀色に。


 

それと同時に躰が大きくなっていく。


 

膨れあがるエネルギーに膨張していくようだ。


 

そのエネルギーで大気が揺らめく。


 

揺らいだ大気が広がっていく。


 

更に溢れ出るエネルギー。


 

その勢いは止まることを知らない。


 

大気の震えが大地を揺らす。


 

嵐の躰が真魚の背丈ほどになった時、ようやくそれは収まった。



挿絵(By みてみん)





男達は息を飲んだ。


 

なにが起こっているのか、全く理解出来なかった。


 

ただ、どす黒い感情だけが湧き上がる。


 

恐怖。


 

不安。



絶望。


 

感情の渦が辺りに溢れていく。


 

ただ一人、真魚だけが笑っている。


 

「久しぶりの獲物じゃ~」


 

どこからか声が聞こえてきた。



「しかも、たんまりおるなぁ~」


 

野太い声。


 

それは、大きくなった嵐の口から出ていた。


 


「どうする?」



一応真魚は聞いてみた。


 

嵐は走った、こう答えながら。


 


「決まっているだろ!」



嵐は男達に向かった。


 

獣さえも超えたその速さは、凶器であった。


 

もぎ取られた。


 

腕を。


 

足を。


 

手を。


 

男達の訳のわからぬ悲鳴が続く。



あたりは血の海のはず・・・であった。


 

しかし、もぎ取られたと思っていた腕や足も、ちゃんと残っていた。


 

だが、嵐に襲われたもの達は、戦意を喪失し、



抜け殻のようになって呻いていた。


 

もぎ取られたものは、腕や足そのものではなく、



そこにまとわりつく物の怪だった。


 

それを繋ぎ止めていた、魂の一部が失われた。


 

男達の悲痛な呻きは、魂の呻きでもある。


 

正体を現した物の怪は、うごめきながら次々と嵐に食べられている。


 

真魚は、幻龍齋と向き合っていた。



「お主は…一体…」



「おおおぉぉぉ!!!」


 

幻龍齋は真魚に斬りかかった。


 

真魚は右手の棒を振った。



太刀と棒がぶつかる。


 

と思ったその瞬間…


 

太刀が折れた。


 

幻龍齋は前につんのめった。


 

その太刀は折れたのではなかった。


 

切れていた。


 

真っ二つに。


 

あるはずの衝撃がない。


 

その反動で、幻龍齋は前につんのめったのだ。


 

真魚の持つ棒が灼熱に赫き、幻龍齋の太刀を切り裂いたのだ。 


 

更に、真魚の一撃が幻龍齋の腹をとらえた。



腹を押さえたまま、幻龍齋はうずくまった。


 

「すまぬ、終わりだ」


 

真魚はそういうと棒を振り下ろした。


 

幻龍齋の頭部をとらえた。


 

そのはずであった。


 

だが、なにも起こらなかった。


 

いや、数秒後にそれは起こった。


 

幻龍齋の鬼の面が割れた。


 

からぁん!


 

音を立ててそれは落ちた。


 

幻龍齋はしばらく動かなかった。


 

真魚は、人差し指を幻龍齋の額に当てた。



「これで呪縛が解けるはずだ。」


 

真魚は幻龍齋そのものに言った。


 

「うっ!」


 

幻龍齋は頭を横に振った。


 

「おっ、俺は…なにを…」


 

幻龍齋は夢から覚めた。



悪夢から…


 

面が外れた幻龍齋の顔は、意外に若かった。


 

真魚より十歳ほど上だろうか。


 

この若さで海賊の頭である幻龍齋自身も、相当の器であることは間違いない。


 

辺りを確かめるように見渡すと、



そこには戦意や生きる力さえ喪失した仲間の姿があった。


 

しばらくは誰も立ち上がることすら出来まい。 


 

「才蔵!」



「吉助!」


 

「こっこれは一体…」



幻龍齋は何も覚えていなかった。




「すまぬ、俺の連れがちとやり過ぎたようだ」


 

真魚は、嵐を見ながら言った。



嵐は満足そうに、舌でぺろっとその口をなめた。



「何せ百年ぶりだったものでな…」



幸いといって良いのか、ただひとりとして命を落としたものはいなかった。


 

真魚は嵐に向かって言った。


 

「意外とお人好しか?」



「お主ほどではないわ」


 

嵐は戒める様に言った。


 

たった一匹の子犬の願いを叶えるために…


 

命をかけて…



海賊の隠れ家に来る奴のことを言っているのだ。



しかも、たった一人でだ。


 

「俺は女が好きなだけだ…」


 

真魚はさらりとそういった。







「そっ、その棒は…」


幻龍齋が、思い出したかのように訪ねた。


 

「これか?この瓢箪と一緒に、通りすがりの坊主にもらってな…」



幻龍齋は、真魚の言葉を聞き終わらないうちに手を差し出した。



「ちょっと見せてもらえぬか?」


 

「これをか?大丈夫かその身体で…」



そういうと真魚は、右手に持っていた棒を地面に立てた。



「決して持ち上げようとは思うな…」



真魚は念を押した。


幻龍齋は、棒に近寄るとそれを持った。



「なっ、なんという重さだ!」


「お主はこれを片手で持っていたというのか!」



幻龍齋は真魚の忠告を無視して、その棒を持ち上げようとしたのだ。


 

しかし、幻龍齋の力ではどうしようもなかったのだ。



「まぁちょっとしたこつがあってな…」


「まだ使いこなしてはいないがな…」



そういうと真魚はただの棒きれのように、軽々とその棒を肩に担いだ。


幻龍齋は思い出した。



「やはりそうか!それは確か、昔、神が使っていた棒では・・・。」


 

幻龍齋は聞いたことがあるらしい。


 

「そうか、これはそういうものか」


 

「あの坊主が持ってけとしつこく言うんでな」


 




数年前、真魚は一つの書物を書いた。



聾瞽指帰(ろうこしいき)



様々な教えと、自身の思想とを比較した思想論的なものである。



 

様々と言っても、学んだものは限られている。



奈良時代後期、学問においては遣隋使、


遣唐使が、大きな役割を果たしたことは言うまでもない。


随や唐の学問が、『最先端』として取り入れられただろう。


儒教や道教なども例に漏れない。


その後、これらの流れを汲むものが生まれてくる。


陰陽道や、修験道の中にそれらの思想や考えを見ることが出来る。


 

それなりに学問には興味があった。



一通りのことは学んでいた。



 「だが、もの足りない…」



何を学んでも、この渇きを潤すことなど出来なかった。


 

少年時代に出会った人々。


 


そこで感じた思い。


 

渇きの答えを、今の学問で見つけることが出来ないと思った時…


 

すでに飛び出していた。



閉ざされた世界には、もう自分の求めるものがない。


 


ならば…



この世界を飛びだそう。


 

そこには必ず道があると思った。


 

だが、そう易々と答えが見つかるはずがなかった。


 

そんな時。


 

一人の僧に出会った。


 

深い山の奥。


 

狭い道であった。


 

道に木の根や石ころが出ていた。


 

遠くの岩陰に一人の僧が座っていた。


 

瞑想をしているようであった。


 

長い間、そこにいたような風貌だ。


 

こんな山奥で人に出会うことは珍しい。


 

気にはなったが、やり過ごそうとしたとき…


 

呼び止められた。



「これ、若いの、待ちなさい」



僧は目を瞑っていた。



「俺のことか?」


 

真魚は、確認するように言った。



「お主以外に誰がおる」


 

その僧の言葉は深かった。


 

「お主を待っておったのだ」



「お、俺をか?」


 

滅多に動揺しない真魚が、この時は戸惑っていた。


 

「そうだ、お主を待っておったのだ」



僧は目を瞑ったままであった。


 

その僧に迷いはない。


 

それは、真魚にもわかった。



『嘘ではない、この僧の言っていることは…』



「迷うておるな…」


 

僧は真魚に言った。


 

「捜している…」


 

真魚は答えた。


 

「捜す必要などない!」



僧は言った。



真魚は、不思議な感覚に囚われていた。


 

話している様でそうではない。 


 

『意識で直接会話している』そんな感覚であった。


 

会話する言葉以外に、その他の情報も意識の中に流れ込んでくる。


 

「お主の道は決まっておる…」


 

僧は言った。



「一つだけ聞いて良いか?」


 

真魚が僧に尋ねた。


 

「何が聞きたい」


 

僧は、目を瞑ったまま座っていた。


 

「どうして俺が来ることがわかったのだ…」



  

僧は、逆に真魚に尋ねた。


 

「では、どうしてお主はこの道を来たのだ?」



「!」


 

真魚は言葉が出なかった。



「それが答えだ」


 

真魚はこの時初めて、止められぬこの衝動を、



受け止めることの出来る存在に、出会ったのだ。





「さすがにこの俺も最初は苦労したよ」



真魚は、棒を見つめながら言った。




「大事にするんだな。この世に二つとない品だ」




「そうするよ」


 

真魚はほほえんだ。


その時。



「!」



真魚は、ふと不思議な感覚にとらわれた。


 

それは、肩に担いでいる棒から出ていた。



微かな振動。


  

エネルギーの波動。


 

そのどちらとも言えた。


 

共振共鳴?



その波動は、別の場所からも伝わってきた。



「ほう…」



真魚がその場所に行こうとすると、その波動は更に強くなった。 


 

そこには、割れた鬼の面があった。



角が折れていた。


 

その角を、真魚は拾って手の平に乗せた。


 

その瞬間。


 

角が溶けた。


 

だが、それは溶けた飴のように形を留めてていた。


 

そして、少しずつ重力に逆らう様に玉になって行った。



しばらくすると、親指の先ほどの丸い瑠璃色の玉になった。


 

「そう言うことか…」



真魚は、これが何であるか理解したようだ。


 

試しに持っている棒に近づけた。



「ほう」


 

棒が波打った。


 

玉を近づけた部分を中心に、表面が水の波紋のように波打ったのである。


 

棒としての存在そのものは留めたままに…



 「あのくそ坊主…」



そう言いながらも、真魚は笑みを浮かべていた。



そして、瑠璃色の玉を、再度棒に近づけた。


 

そして、躊躇いもなく手を離した。


 

玉は沈むように、棒の中に消えていった。



棒の中で、何かが発動する。


 

それが振動となって手に伝わった。


 

その瞬間…


 

棒の重さが増した。



「俺になにを…!」



その顔は行くべき道を確信した男の顔であった。







「女どもは返してもらぞ!」



 「お主の名は」



幻龍齋が改めて問う。



「佐伯真魚だ」


 

「おまえのようなやつに会ったのは初めてだ。」



「俺は、唯一無二だ」


 

真魚はきっぱりといった。



「船を借りる、何人か漕ぎ手をつけてもらえるとありがたい」


 

「もっていけ!」



「おまえとはこんな形ではなく、友として出会いたかったな」


 

幻龍齋は笑っていった。


「もう友ではないか」



真魚は当たり前の様にいった。


 

「そうか…そうだな…」


 

幻龍齋は、おかしくて笑いそうになった。


 

「そうだ…」



真魚は念を押した。


 




女達を船に乗せた。



「おまえはでかすぎるな」


 

嵐を見て真魚がそういった。


 

「おい!まさか!おまえ!」


 

嵐がそういうか言わないかのうちに、真魚は真言を唱えた。



「おい!ばか!やっやめ~~~~」


 

その悲鳴とともに、嵐の躰が元に戻っていった。


 

子犬の嵐がそこにいた。


 

「この世には、不思議なことがあるものだ…」


 

幻龍齋はつぶやいた。


 

「なあ真魚、我らが必要な時はいつでも言ってこい!力を貸すぞ!」


 

別れ際、幻龍齋は真魚に言った。


 

「その時が来ればな!」


 

真魚は笑っていた。




真魚達の船が小さくなっていく。


 

「佐伯真魚、世の中には面白い男がいる…」



「世もまだまだ捨てたものではない」



「あんな男がいる限り…」



幻龍齋は船が消えるまでずっと見ていた。



挿絵(By みてみん)




岩陰。


幻龍齋のすぐ後ろの岩陰。


そこに、陽炎のように揺らめく闇があった。


それは、ゆらゆらと周りの空間と干渉していた。


「見たか?」


「ああ見た」


「見たぞ!」


「あれか?」


「あれだ、あれが佐伯真魚じゃ。」


「面白い」


「あれは面白い」


「早く会うてみたいものじゃ。」


闇の中。


幾つかの光る目が真魚を見ていた。


しばらくすると、陽炎が消えるようにその闇は消えた。







七里御浜。



十キロにも及ぶ砂利の浜だ。


 

五色の玉砂利が、小気味よい足音を立てる。



熊野灘の海のうねりが、荒波を巻き上げる。


 

その波の中を、泳ぐ魚が見える。



不思議な取り合わせであった。


 

一人の男と銀色の子犬。



お礼はいらぬから、子犬をくれと言った。



如月は残念そうであったが、目覚めたこいつを手に負えるはずもない。



「腹減ったなぁ~」



子犬がしゃべった。


 

「俺がこんな失敗をするとは…」


 

真魚は後悔していた。 


 

嵐の中の荒ぶる神を目覚めさせた時… 



目覚めさせた神と、意識がつながってしまったのである。


 

一度同調した意識は、そう易々と切れることはない。


 


「しっぱいしたなぁ~」


 

「腹減ったなぁ~」


 

「あそこでなぁ~」



「腹減ったなぁ~」


 

「なぁ真魚、これからもよろしくな!」



「うるさい!」


 

真魚はなにやら真言を唱えた。


 

「くっ苦しい~っ!おっお前いつの間にこんなゲェ~!」



嵐の首には金色の妙な形の首輪が巻かれていた。


 

「あのくそ坊主…」



「でも、これは使えるな!」


 

一人の男と銀色の子犬。 


 

一人と一匹の奇妙な旅。


 

波の音はすべてを暖かく包み込んでいた。



第1話完  



挿絵(By みてみん)



-この物語はフィクションであり、史実とは異なります。

    実在の人物・団体とは一切関係ありません-





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