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真説ソオルアーマー戦記  作者: 鈴神楽
北部:反乱編
28/34

怒髪天のポセイドン

対ポセイドン戦の二回戦

 帝都ジョジョエーンの会議室。

「ロース兄上の意思が強い以上、諦めるべきでは、ありませんか?」

 カルビの言葉にハラミが激しく反応する。

「それは、どういう意味だ!」

 カルビは、苦笑して周りを見る。

 ハラミが見回すと、高官達が視線を逸らす中、皇帝陛下、ジーオが告げる。

「殺すことも前提に入れ、話す必要があるという事だ」

 ハラミが立ち上がり反論する。

「その様な手段を用いなくても、何かしらの方法がある筈です!」

 カルビが淡々と尋ねる。

「それでは、聞きますが、強力なソオル能力を持つポセイドンに乗るロース兄上をどうやって確保するのですか?」

「それは……」

 言葉に詰まるハラミに代わりジーオが答える。

「オーチャ中隊の強力なソオルアーマーなら、ポセイドンも倒す事は、可能だろう。しかし、ロースの無事に確保するとなれば、至難の技だ。その上、敵前から回収するとなれば不可能と言って問題ないだろう」

 ハラミにもそれが解っていた。

 しかし理性で解っていても感情が納得しない。

 ハラミは、ロースが以前座っていた席を見、その後、タンの席、モモの席を見てから告げる。

「これ以上、血を分けた兄弟を失いたくありません!」

 ジーオを冷たい視線でハラミを見る。

「帝国を背負うという事は、人である事を捨てる事だ。家族の情に流されるようでは、帝位を任せる事は、出来んな」

 動揺が広がる中、カルビが立ち上がる。

「ここは、ロース兄上を反逆者として討伐の命を下すべきです」

 会議室に緊張が広がる中、反対意見が出る。

『随分と短絡な意見ですね』

 その声の主、通信でこの会議に参加しているミココを拗ねる様な表情でカルビが文句を言う。

「どうしてでしょうか? この場合、それが最善手だと思われますが?」

『帝位を狙う特定に人物にとってだけですよ』

 ミココは、視線でカルビを示しながら続ける。

『ここでロース殿下を殺しても、相手に復讐という御旗を与える事になります。ここは、なんとしても確保して、問題の婚姻が偽りだった証明を立てる必要があります。その上で、今回の反乱は、天包布教による物と処罰すべえきです』

 ジーオが頷く。

「確かにそれが最善だが、可能なのか?」

 ミココは、激しい躊躇の後に答える。

『ロース殿下がどうしてもセルファーを護るというのでしたら、セルファーを人質に、こちらの有利の場所に誘い出せば済む話です。しかし、その場合、帝国が自国民を人質にした事になります』

 ジーオが即答する。

「構わぬ。どうとでも細工は、出来る。カルビ、任せたぞ」

 それに対してカルビが自信たっぷりに答える。

「お任せ下さい。全てを天包布教の悪事として帝国中に認知させてみせます」

 そんなダーティーなやり取りを悔しそうに見るハラミであった。



 シャドーペンギンの作戦室。

「そういう事で、セルファーを人質にして、ポセイドンをこちらの有利なポイントに引き出す作戦の了承がとれたよ」

 思いっきり嫌そうな顔をするミココを見て、ティーが頭を下げる。

「嫌な役回りをさせてしまいました」

「本気で町を人質にするつもりなのですか?」

 トッテの苛立ちを篭った問い掛けにバットが淡々と答える。

「当然だ。それが帝国の益になるのだったら我々は、どんな非道も行う」

「正面から戦えば良いだろう!」

 作戦の性質上、ソオルライダーは、全員参加だった為に居たガッツが怒鳴る。

「それが出来ないから、こんな作戦なのだ」

 辛そうに告げるスプラ。

 それでも納得できないガッツ。

「白虎達だったら、どんな不可能だって可能に出来る! 今までだってそうして来ただろうがよ!」

 ミココが嫌悪感を振り払うように首を振ってから告げる。

「ポセイドンを圧倒するほどのソオル能力を使って尚且つ、ロース殿下の安全を確保。その上で敵前からの逃亡。その任務がどれだけ危険だか解っているの? 少なくともオーチャ中隊を全滅させる可能性ある作戦には、賛成できない」

 ティーが立ち上がり作戦を説明する。

「作戦は、前回の応用です。初めに青龍と朱雀で上下から攻め、ポセイドンを聖地側の平原に呼び出し、その後、ソオル能力が使えないポセイドンを白虎で戦闘不能にし、ロース殿下を確保、撤退。その間は、玄武で周囲の敵を撃退する。この作戦に変更は、ありません。もしも命令違反を行った場合、重罰とします」

「納得できねえ!」

 ガッツがまだ文句を言うが、誰も止めないし、注意もしない。

 誰もが今回の作戦、民間人を人質にする行為が軍人として恥べき物だとしっているからだ。

「決行は、明日、各自十分な休息をとって出撃に備える様に」

 ティーの言葉で、解散になる。



 シャドーペンギンのソオルアーマーデッキ、翌日の出撃に向けて、ソオルアーマーの最終メンテナンスが続く中、ミココが用も無いのに、ぶらぶらしていた。

「何か手伝えること無い?」

 メカニック達が苦笑していると、ハンマが来て怒鳴る。

「今のお前に任せられる仕事なんて無い。出て行きやがれ!」

「はーい」

 そういって寂しそうに出て行くミココの後姿を見てメカニックの一人が言う。

「厳しすぎませんか? ミココがどうして、こんな所にいるか位解ってるでしょ?」

 ハンマは、チェック表を確認しながら答える。

「何やったって、晴れやしない。お前達だって自分達が整備したソオルアーマーが民間人を襲うなんて考えたくも無いだろう」

 メカニック達の顔も曇る中、ハンマが告げる。

「俺達は、軍人なんだ。戦場に出て、武器を使っていないが、多くの人間の命を奪う手助けをしている。それが今回は、民間人になっただけだ。覚えておけ、これがメカニックの罪だって事を」

 厳しい一言にメカニック達は、戸惑いを隠せない。

 ソオルアーマーデッキを出て、あてもなく歩いていたミココにレッスが話しかけてくる。

「今回の事は、本当に正しいのでしょうか?」

 ミココは、即答する。

「間違っているよ。どんな理由をつけたって、民間人、それも自国民を人質にするなんて許される事じゃない」

「だったらどうして!」

 レッスの真摯な言葉にミココが壁を殴り、大穴を空ける。

「仕方ないじゃない! ロース殿下があくまで戦いを挑んでくる以上、こっちは、その何倍もの力で当らなければ確保出来ない! 損害は、かなり想定される。その中、敵の大将を連れて帰るなんてミッションで出る被害は、どれだけの物だと思ってるの! 間違いなく、ソオルライダーの誰かが死ぬよ!」

「それでも、民間人を犠牲にしていいわけないわ!」

 レッスが本音を怒鳴るとミココが怒鳴り返す。

「知らない人が何人死ぬなんか知ったことじゃない! あちきは、仲間の危険を少なくするためだったら、鬼にも悪魔にもなるよ!」

「誰もそんな事を頼んでないわよ!」

 レッスがミココの頬を叩く。

「危険な任務なんて殆どしない奴が偉そうに言わないでよ!」

 ミココも叩き返す。

「何時もソオルシップに居るあんたに言われたくないわよ!」

「あんた等の後始末にこっちがどんだけ危ない橋を渡ってかも知らないくせに!」

 二人が掴みかかると回りに居た人間が慌てて止めに入るのであった。



 ソオルライダー控え室。

「馬鹿が、相手は、ファーストのトリプルスターのソオルマイスターだぞ? 殴り合いの喧嘩をすれば、軽くてソオルライダー資格の剥奪だ。特に今回は、決まっていた作戦に対するクレームだ、軍に対する反意があるとして、下手すれば極刑もある」

 レッスの治療をしながらトッテが告げるとレッスが不満そうに告げる。

「でも、納得できないんです!」

 治療を終えたトッテが隣に座って言う。

「俺も一緒だ。でもな、こんな任務は、初めてじゃない」

 意外そうな顔をするレッスを見ながらトッテが言う。

「今回みたいな大規模じゃなかったが、地方都市ぐるみの反乱があった。相手にもソオルアーマーがあり、相手の有利の状況で戦えばこっちの不利は、さけられなかった。だから、当時の中隊長は、その都市に威嚇攻撃を行い、ソオルアーマーをこちらの有利な場所に引っ張り出した。そのお陰で被害は、少なく済んだ」

「威嚇だったら、町には、大きな被害が無かったんですよね?」

 レッスの問いにトッテは、拳を握りしめて言う。

「威嚇で撃ったミサイルの破片でなんの関係も無い家族が小さな子供を残して死んでいたよ」

 言葉を無くすレッスにトッテが続ける。

「そのミサイルを撃ったのは、俺だった。今でも時々夢に出てくる、親の敵である俺達を血の涙を流して睨み続ける子供の顔を」

 レッスが沈黙する中、トッテが作戦指令書を見せる。

「見てみろ、今回の作成に関しては、俺の名前以外のソオルライダーの名前は、省略されている。本来は、こんな指令書は、通らないはずだが、ミココの奴が強引にねじ込んだ。残る記録にお前達の名前を載せない為だ。最初は、俺の名前も無かったんだが、小隊長としてのけじめとして名前を追加してもらった」

「こんな事になんの意味があるんですか?」

 レッスの乾いた声にトッテが苦笑する。

「そうだな、大して意味がある行為じゃないかもしれない。でもな、俺達は、ミココには、随分と庇われているんだ」

「嘘! トラブルを運んでくるのは、何時もミココじゃないですか!」

 レッスの反論にトッテが肩をすくめる。

「たかが地方部隊を潰すなんてミココにとっては、簡単な事だ。実際、そうした方がミココとしては、面倒が少なくなる。しかし、それをしない。俺なんかは、帝国最高禁忌まで触れたのに、こうやって生きているのは、ミココが色々と細工をしてくれてるおかげなんだよ」

「それでも、実際に戦っているのは、あたし達です」

 レッスの主張にトッテが苦笑する。

「今回ミココが連れてきた、ソオルマイスター知ってるか?」

「アルフでしたっけ? 優秀みたいですね」

 レッスが答えるとトッテが頷く。

「あいつは、ミココに付き添って色々と動いているが、日常茶飯事で暗殺されかかってるそうだぞ」

「本当ですか?」

 疑るレッスにトッテが真剣な顔で答える。

「当たり前だろう。奴は、ソオルタワーの魔女って恐れられて居るんだ、敵も多い。それでも今の地位に居るのは、護りたい者が居るからだ。その中に俺達も居るんだろうよ」

 複雑な顔をするレッスの肩を叩いてトッテが言う。

「決まった以上、やり遂げる、それが軍人だ」

 小さく頷くレッスであった。



 セルファーの軍事基地。

「敵は、諦めたとは、思えない。防衛線を強固にしないといけない」

 ロースは、精力的に動いて、セルファーの防衛ラインは、強化されていく。

 そんなロースが一休みしようと、仮眠室に行くと、そこには、メッサが居た。

「ロース殿下、本当に宜しいのですか? このままでは、家族と戦う事になります!」

 悲しそうな目で見てくるメッサにロースは、過去を振り返りながら答える。

「血の繋がりは、確かにありました。でも、私には、家族は、居ませんでした。帝都に居たのは、偉大な皇帝とライバル達、そして、私の事を利用しようとしていた者達だけです」

 俯きながらもメッサが言う。

「しかし、ここでもロース殿下は、利用しようとする者は、殆どです」

 ロースが頷く。

「そうでしょう。でも、貴女が居た」

 それを聞いて驚くメッサ。

「私ですか?」

 ロースが強く頷く。

「そう、帝位争いに敗れ、何もかもがどうでも良くなった私に、貴女は、花の美しさを教えてくれました」

「あれは……」

 メッサは、当時の事を思い出す。



 ノーブルス大陸の地方都市に移送されたロースは、人脈も遮断され、現地で雇用された使用人に世話をされ、怠惰に毎日を送っていた。

 その日、ロースは、何を目的にしていたわけでもなく、町を歩いていた。

 そんな中、道端に咲いた小さな花を見る少女、メッサが居た。

「その花がそんなに珍しいのか?」

 ロースが声をかけたのは、暇だったからだけだった。

 メッサは、首を横に振る。

「いいえ、この花は、何処にでも生えている普通の花です」

 それを聞いて呆れた顔をするロース。

「そんな花をどうして、見ているのだ?」

 メッサは、花の根元を指差す。

「ここは、少し前の戦いで荒れ、雑草すら生えていませんでした。それが、今では、花が咲いている。なんて素敵な事なんでしょうか」

 本当に嬉しそうに見るメッサの横顔にロースは、戸惑いを覚えた。

「ほら、あちらにも」

 メッサは、嬉しそうに別の花を指差し、振り返り告げた。

「一生懸命に咲く花って美しいですよね?」

 その笑顔は、ロースの凍えた心に暖かい光を照らした。



 当時の事を思い出し、メッサが顔を真赤にする。

「あの時は、失礼をしました。まさかロース殿下とは、知らず生意気な事を言いました」

 ロースが笑顔で答える。

「いくら荒れていて、どうしようも無いと思っていても、また花を咲かせられる。それを教えてくれた貴女の為に、私は、戦いたいのです」

「しかし、貴方にもしもの事があったら?」

 今にもなきそうな顔をするメッサを抱きしめロースが告げる。

「安心してください。貴女を残して死には、しません。必ず生きて戻ってきます」

「本当ですね?」

 メッサの言葉にロースが頷くと、メッサは、自分の髪飾りのリボンを外して、ロースの腕に巻く。

「これは、その約束です。必ず、戻ってきて返してください」

 ロースは、リボンを触れながら頷く。

「絶対に戻ります!」

 そして、警報が鳴る。

「大変です、敵ソオルアーマーがセルファーの山岳部の両側から攻撃してきました。市街部にも被害が及んでいます!」

 それを聞いてロースが怒気をまとう。

「一般市民にまで手を出すとは! 直に出る!」

 そんなロースを送り出しながらメッサは、強く祈る。

「どうか、ロース殿下に神のご加護がありますように」

 そんなメッサの近くに見慣れないメイドが近づいていた。



『レッス! もっと、精度を上げろ! そうしないと市民にけが人が出るぞ!』

 トッテからの通信に高性能観測機を搭載した朱雀を操るレッスが答える。

「解ってます。万が一にも市民に負傷者を出しません!」

『こっちにももっと情報をください』

 別方向から、ゆっくりとアイスブレスを放って、進軍する青龍を操るスプラからの通信にレッスが慌てる。

「ちょっと待って!」

 市街地の攻撃するにあたってミココは、朱雀の高性能観測機のバージョンアップを行った。

 それにより、生体反応の確認を行ってからの攻撃が可能になったのだ。

 ただしそれを行うために、朱雀は、長期間のアニマルモードが要求され、レッスには、多大な負担を与えていた。

「もう、何だかんだ言って、ミココだって市民には、被害をださないつもりだったんじゃない!」

『それは、違う。人的被害が無くても、家屋が無くなれば人は、生きていけない。この環境だ、凍死する人間は、必ず出るぞ』

 トッテからの通信に、眉を顰めるレッス。

 そんな中、ロースが乗るポセイドンが姿を現す。

『貴様ら、こんな非道が許されると思っているのか!』

「ようやく登場ですか。通信を中継します!」

 レッスがそう言って、シャドーペンギンとポセイドンの通信を中継する。

『ロース殿下、我々とお戻りになっていただけませんか? そうすればこれ以上セルファーの町に被害は、出ません』

 ティーからの要求をロースが切り捨てる。

『そんな口約束を信じられる程、私は、甘くない。私は、ここで戦う!』

 それを聞いてティーが告げる。

『そうですか、残念です。それでは、一つご忠告させて頂きます。この町を壊滅させるだけのミサイルを搭載した玄武が聖地からの街道を進んでいます』

 それを聞いてロースが気付く。

『詰り、そちらに私が向かわなければ、この町がただですまないと言う訳だな?』

『ロース殿下の判断しだいです』

 ティーが淡々と答えると、ロースが乗るポセイドンは、聖地とセルファーを結ぶ、街道に向かって移動を始めた。

『市街攻撃は、十分だ。後は、適当に牽制していてくれ』

 ティーの指示をレッスが了承する。

「了解しました!」

 こうして、やってくる敵、ソオルアーマーを牽制しながら、市街地付近に待機する朱雀と青龍であった。



 そして、セルファーと聖地を繋げる街道に白虎が立っていた。

「とにかく、一騎打ちで勝てば良いんだな」

 ガッツの単純思考に先行して来た敵ソオルアーマー、ブルースピアⅡと玄武で交戦していたトッテが言う。

『ここまで大規模な作戦だ。失敗は、許されないぞ』

「解っています!」

 そして、ロースが乗るポセイドンがやってくる。

『お前達の望み通り、やってきたぞ!』

「そうか、だったら俺が相手だ!」

 ガッツが白虎をポセイドンに向かって加速させる。

「くらえ! タイガーロードパンチ!」

 必殺の広範囲パンチがポセイドンに迫る。

 紙一重の所でかわしたポセイドンだが、拳に纏わせられた風に吹き飛ばされる。

『この程度で負けるか!』

 挫けないロースが三叉の矛で白虎を攻撃する。

「当るかよ!」

 規格外の運動性能を持つ白虎は、ポセイドンの三叉の矛をさけ、再びタイガーロードパンチを放った。

 なんとか直撃をさけるポセイドンだが、その機体には、大きくな損害が発生し、立つことも困難になって居た。

「俺の勝ちだな!」

 ガッツが勝利を確信した時、ポセイドンは、三叉の矛を杖代わりに立ち上がるのであった。



 レッドランプが大量に点るポセイドンのコックピット。

「まだだ、まだ戦える」

 ロースは、メッサのリボンを見ながら必死にポセイドンを立ち上がらせる。

『ロース殿下、勝負は、つきました! これ以上の戦いは、無意味です!』

 トッテからの強制通信にロースは失笑する。

「馬鹿を言うな、私は、まだ負けていない。負けるわけにも行かない! 私の後ろには、護るべき人が、町があるのだからな!」

 その時、町からタンクローリーの大軍が突入してきた。

「ようやく来たか!」

 ロースは、最後の手に全てを賭けるのであった。



 玄武のコックピットでタンクローリーの大軍を確認する玄武。

「武装は、無い。しかし、爆発物を搭載されて居たら、特攻兵器になる。先に潰すしかないな」

 放たれるミサイル。

 次々と爆発し、タンクローリーは、搭載した液体を撒き散らす。

「爆発物じゃない……、しまった! ガッツ、間合いを開けろ!」

 次の瞬間、タンクローリーから放たれた液体、大量の海水がポセイドンのソオル能力で油断していた白虎を捉えた。



 シャドーペンギンのブリッジ。

「最悪の展開です」

 バットの言葉にティーが溜め息をつく。

「こうなった以上、ミココさんの働き次第ですね」

 その時、ミココから通信が入る。

『こちら、ミココ。保険を確保したから、迎えをお願いします!』

「ミンテソオルライダー、ミココ=エジソンソオルマイスターを回収後、直に帰艦して下さい」

 ティーの指示にレッスが驚く。

『どうして、ミココが市街地に?』

「疑問は、不要。命令に従え!」

 バットの言葉にレッスが慌てる。

『了解しました。直にミココ=エジソンソオルマイスターを回収します』

「ミココ=エジソン回収後、青龍をサポートに回して、白虎と玄武も撤退してください」

 ティーの指示が前線に送られる。



 切り札の投入で、白虎にダメージを与えたが状況は、まだまだ悪いポセイドンのコックピット。

「どうにかして、玄武を沈黙させられれば、残り二体は、戦力を集中させていけば十分に勝ち目がある!」

 ロースが玄武を睨む中、青龍の接近を察知する。

「ここで、戦力を集めるのか? しかし、こちらの戦力も集まる。まだ勝負は、解らない!」

 勝負の時に備えて、海水を収束させるロース。

 そんな中、玄武が白虎をサポートしながら後退を開始し、追撃しようとしたブルースピアⅡには、青龍が牽制に入る。

 そのまま完全に撤退する玄武達に戸惑いを覚えるロース。

「まさか、撤退するのか? いくら白虎がダメージを負ったといえ、ここで諦めるのとは、思えないが?」

 そんな中、仲間から通信が入る。

『大変です。メッサ様が誘拐されました!』

 ロースが目を見開く。

「馬鹿な、どうしてそうなるんだ!」

『敵は、置手紙を残しています!』

 仲間の報告にロースが苛立ちを堪えて告げる。

「読め」

『メッサさんは、確保させてもらいました。彼女の口から、ロース殿下との婚姻を破棄する宣言をさせてもらいます。その後、ロース殿下との身柄の交換を行い、無事に親元に返す予定になっていますのでご安心下さいとの事です』

 仲間の言葉にロースが計器を殴る。

「こんなからめてで来るとは!」

 ロースの怒りに反応するようにポセイドンの周りに集まっていた海水が天に昇っていくのであった。

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