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真説ソオルアーマー戦記  作者: 鈴神楽
東部:追撃編
23/34

見せ場も無いブルーイーグルⅠ

無敵の兵器ソオルアーマーの一番の弱点とは?

「ここで長時間の補給する事になったよ!」

 ミココがそう宣言すると、オーチャ中隊のメンバーが歓声をあげる。

 それを苦々しそうな顔で見るドーバ。

「良いのか?」

 トッテの言葉にドーバが溜め息と共に言う。

「仕方ありません。慣れない長期間の飛行、休憩をいれなければ士気に関わります」

 その答えにトッテが頬を掻く。

「トッテさん、俺達も出て良いんだろ?」

「二人組みで交代だ。最初は、俺とスプラが残る」

 トッテの言葉にレッスが頭を下げる。

「ありがとうございます」

 出て行くガッツとレッスを見送って、ソオルシップに戻ろうとするミココを捕まえるトッテ。

「今度は、何を企んでるんだ?」

「企むって?」

 首を傾げるミココにトッテが言う。

「今回の行動は、どうも釈然としないんだよ。正規ルートで進むのも、こんな大都市に近い駐屯基地で補給をするのもな」

 ミココが言う。

「駐屯基地以外の何処で補給するんですか?」

 トッテがヘッドロックをかける。

「あんまり秘密主義を通すと、もっと絞めるぞ」

 ミココが諦めた顔で言う。

「今回のテロリストと言うか、ジャポンの狙いって何だと思いますか?」

 トッテが眉を顰める。

「モモ殿下を人質に帝国から交換条件を引き出すって事じゃないのか?」

「それは、表向きですよ。本当の目的は、別です。前回の作戦の規模から考えて、かなり大掛かりです。それであんな夢物語の交渉条件が出てくるとは、思えないんです」

 ミココの説明にトッテが言う。

「別に目的があるというのか?」

 ミココが頷く。

「帝国にしか無い物、そして今回、導入されている物を考えれば解りますよ」

 それを聞いてトッテが嫌そうな顔をする。

「そういう事かよ。予想以上の貧乏くじを引かされたみたいだな」

 ミココが困った顔をする。

「それは、謝るしかできませんけど……」

 トッテは、ミココを開放して言う。

「お前を責めてないから気にするな」

「ミココさん、一緒に食事をしませんか」

 スプラがやって来る。



 そして補給を終えたシルバーフェニックスが飛び立つ。

「これで暫く、窮屈な思いを我慢しないと駄目だな」

 ソオルライダーの休憩室でぼやくガッツにトッテが言う。

「残念だが、もっと窮屈な思いをしてもらうぞ」

「それって、どういう意味ですか?」

 首を傾げるレッス。



 作戦室、ドーバが高度計を見ながら言う。

「そろそろ動き出しますかね?」

「でしょうね。後は、オーチャ中隊長にお任せです」

 ミココの言葉に、ティーがお茶を飲みながら言う。

「こっから先はバットの独擅場ですよ」

 そんな会話に溜め息を吐くバットであった。



 物資保管室では、数人の男達が蠢いていた。

「そろそろ頃合だな」

「ああ、一気にソオルアーマーデッキに移動して、奪取するぞ」

 リーダーの様な男の言葉に残りの男達が頷く。

 男達は、隠れていた食料品の木箱から抜け出すと武装を確認し、廊下に出る。

「大分、油断しているな、空中で襲われるなんて想定もしていないと言う訳だな」

 笑みを浮かべるリーダーに他の男達も頷く。

「ソオルアーマーなんて出鱈目な兵器に頼り切っているからこんな油断が生まれるんだ」

 巡回もないシルバーフェニックスの艦内をソオルアーマーデッキに向かって移動する。

 そして、ソオルアーマーデッキでは、ミココがやってきていう。

「補給の時にお菓子買ってきたんで、食べてください!」

 それを聞いて整備班のメンバーが喜ぶ。

「ミココ、ありがとよ」

 そんな中、ハンマが言う。

「ちゃんと道具は、片付けてから離れろ!」

 慌てて、工具を片付けるメカニックに苦笑しながらも、整備班は、そのままソオルアーマーデッキを出て行く。

「これほどの幸運は、そう無いぞ」

 リーダーの言葉に男達が歓喜する。

「天の神が帝国の悪行に捌きを下す事にしたんですよ」

「全くだ」

 同意する男達がソオルアーマーに近づいた時、ソオルアーマーの一機、白虎が動く。

「なんだと!」

「早い、もう少し引き付けてからの方がベストだぞ!」

 男達の後ろからトッテが現れてそういうと、白虎に乗っていたガッツが文句を言う。

『飛び立ってからずっと待たされていたんだ、こんくらい良いでしょ』

 その言葉にリーダーが顔を引き攣らせる。

「まさか、お前達、俺達がもぐりこんでいた事が解っていたのか?」

 そこに御菓子を手に持ったミココが現れる。

「今更ソオルアーマー戦をやるとは、思えないしね。そうなるとこっちが油断している所を狙うはずだから、わざと侵入しやすいルートと補給地を選んだんだよ」

「大人しくしろ、お前達は、完全に包囲されているぞ」

 バットが現れて、各所に隠れていた兵士を展開させる。

 リーダーが悔しそうに言う。

「詰り、俺達の狙いが解っていたと言う事だな?」

 ドーバが来て言う。

「そうだ、お前達は、モモ殿下を人質にこちらの最新技術のソオルアーマーを奪取する事が真の目的だった、違わないな!」

 リーダー開き直る。

「その通りだ。お前達の切り札、ソオルアーマー、それも最新のそれを奪取すれば、独立も夢では、無い」

 トッテが肩をすくめる。

「馬鹿が、帝国の財力をもってしても、貴重品のソオルアーマーを、お前達が帝国に勝るだけの数用意できると思ったのか?」

 リーダーが叫ぶ。

「最新のソオルアーマーをコピーすれば、不可能じゃない!」

 それに対してミココが断言する。

「あちき達、ソオルマイスターを甘く見ないで! ただコピーしただけのソオルアーマーなんて直に使い物にならないようにしてみせるよ!」

「こうなったら力少し強引だが、頼んだぞ!」

 リーダーが何かスイッチを押す。

『大変です、所属不明のソオルアーマーが数機、こちらに向かっています』

 それを聞いてトッテが言う。

「スプラ、レッス、接近する前に落せ!」

 それを聞いて、スプラとレッスが答える。

「「了解」」

 そのまま、発信する青龍と朱雀を見送ってから、睨み合う侵入者とミココたちであった。



「今回は、空中戦ですから、まかせてください!」

 その言葉と共にレッスは、朱雀を加速させる。

 その先には、数機のブルーイーグルⅠが飛んでいた。

『相手は、バードフィッシュ派の初期のソオルアーマーですが、油断しないで下さい』

 スプラの忠告に素直に頷くレッス。

「解りました。それでは、全力でいきます!」

 そういうと、鳥の形に変化、ビーストモードに移行する朱雀。

 通常のソオルアーマーでは、不可能な高速飛行で一気に撃墜するのであった。



「別にビーストモード使うまでも無かっただろうに」

 その様子を呑気に見ていたミココだったが、にらみ合いに飽きた様子で無造作に近づく。

「不用意に近づくな!」

 トッテが注意する中、敵のリーダーが向かってくる。

「丁度良い、お前を人質にここを乗り切ってやる」

 しかし、近づいたリーダーに対して更に踏み込み、その腹に肘を打ち込む。

「まだやる?」

 倒れるリーダーを見せ付けると男達は、あっさり降伏する。

 そんなミココにバットが近づき言う。

「そういう周りの歩調を乱す真似は、止めてくれ」

 呆れた様子でトッテが言う。

「そういえば、あいつも蒼貫の使い手だったっけな」



 食堂で食事をしながらレッスが言う。

「結局、なんでこんな茶番をしたの?」

 ミココが御菓子を食べながら答える。

「モモ殿下の正確な位置を得るため。あっちの思惑通り動いていたら、時間だけがかかるからね。おびき出して、情報源になってもらったのよ」

「その所為で、俺達が、ずっとソオルアーマーで待機する羽目になったんだぞ」

 不満げなガッツにトッテが言う。

「この程度で音を上げる奴が居るか。ソオルライダーだったら、一週間ずっとコックピットに居る事だってあるんだぞ」

「嘘だろ?」

 ガッツの言葉にスプラが首を横に振る。

「テスト機では、そのテストもやらされる。最後の方は、自分の体臭で地獄だがな」

 レッスも顔を蒼くする。

「あの練習は、きつかった」

 ミココがトッテを見る。

「トッテさんだったら、実戦で経験あったりするんですか?」

 トッテが肩をすくめて言う。

「敵の待ち伏せで三日同じ格好で待機させられたのが最高だ。まあ、緊張状態だから、三日が一週間以上に思えたがな」

「流石です」

 感心するスプラ。

 そこにドーバが来る。

「モモ殿下の本当に居場所がわかりました」

「了解、それじゃ、急いでそこに向かいましょうか」

 ミココがそういって、シルバーフェニックスを新たな目的地に向かわせるのであった。

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