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真説ソオルアーマー戦記  作者: 鈴神楽
南部:要塞編
18/34

吠える白虎

迫るタイムリミットにミココがある決断をする

 ケロベロス要塞の前方の街道にスプラが乗る青龍が立ちふさがる。

「ここは、通さない!」

 スプラは、その掛け声と同時にアイスブレスを放ち、ゾンビソオルアーマー達を凍りつかせる。

 しかしアイスブレスを回避した別のゾンビソオルアーマーが被害も気にせず、火力で氷を溶かし、動けるようにすると、半故障状態のまま、それらのゾンビソオルアーマーが青龍に向かってくる。

「一発では、無理か!」

 二発目のアイスブレスを放つ、再びある程度のゾンビソオルアーマーを凍りつかせるが、先ほどと同様な手順で解凍して、襲ってくる。

「本当のゾンビの様な連中だ」

 それでも、アイスブレスの効果は、絶大で、ゾンビソオルアーマーの進行を確実に止めていた。

 そんな中、ソオルコーティングミサイルがゾンビソオルアーマーの集団に直撃する。

『交代の時間だ。一度ホワイトホエールに戻って、補給を行え』

 トッテからの通信にスプラが答える。

「了解しました」

 タイミングを合わせて、トッテが乗る玄武に場所を譲るスプラ。

 そのまま、ホワイトホエールに戻ると、スプラが離れと同時に、高温の蒸気が青龍を包む。

「アイスブレスは、強力だが、機体も低温になるから、こうやって一度暖めてからじゃないとメンテナンスも行えないのが問題だな」

 苦笑するハンマにスプラが言う。

「それでも、何度、撃っても大丈夫なように改修されていますから、助かっています」

 ハンマが苦笑いをする。

「その弱点だがな、実は、最初の出撃の時には、対処法が判明してたそうだぞ」

 頬をかくスプラ。

「聞いています。全部、ミココさんの掌で踊らされていたって事ですから」

 落ち込むスプラの頭を叩き言う。

「ミココだって、苦しい立場に居たんだ。自分の設計した物の欠点を自分で利用しないといけないなんて、技術者としては、最悪の状況なんだからな」

 スプラが頷く。

「解っています。ミココさんを恨んでいません」

 そんな中、ホワイトタイガーで出撃していたガッツも戻ってくる。

「もう少し接近戦をやらせてくれても良いだろう。そうすれば、もう少し落とせたぞ!」

 通信機に怒鳴るガッツを見てスプラが近づく。

「お前は、本当に馬鹿だな」

 睨むガッツ。

「何だと!」

 スプラが苛立ちを隠せない様子で答える。

「白虎がゾンビソオルアーマーの自爆攻撃で修理中の事を忘れたのか? 不用意に接近すればその二の舞になるだろうが。少しは、頭を使え!」

「だけどよ、このままじゃ、限がないだろうが!」

 ガッツの反論も正鵠を射て居た。

「限は、ある。後、二十時間もしない内に総攻撃で、ケロベロス要塞殲滅作戦が発動する。SOEの主な役目は、それまでの間の包囲の維持だよ」

 ハンマに相談に来たミココの言葉にガッツが指を鳴らす。

「ようやく、思いっきり戦えるぜ!」

 そんなガッツを冷ややかな目で見るスプラ。

「同胞と殺し合いをするのがそんなに嬉しいのか?」

 それには、ガッツも戸惑う。

「だけど、今は、敵だろう……」

 スプラが納得できない顔をして言う。

「だからと言って、つい数日前まで一緒に戦った同胞を殺す事になるんだぞ!」

 ガッツも押し黙る中、ミココがスプラを押しとめて言う。

「今は、ガッツの言い分が正しい。それと、今回の事は、ノーウを放置したあちきの失策。あそこにいる人達の遺族への対処は、あちきは、責任を持つ。丁度、この戦場に居る一番の高位なのは、あちきだしね」

 それを聞いてスプラも黙るしか無く、そのまま休憩室に向かう。

「とにかく、食事だ!」

 食堂に向かうガッツを見送ってからミココが言う。

「白虎の修理の方の予定ですが、どうですか?」

 ハンマが手元に資料を見せながら言う。

「十時間って所だが、ソオルライダーの手配は、出来ているのか?」

 ミココが首を横に振る。

「今は、殲滅作戦の準備でそれどころじゃありませんよ。どちらかと言うと、玄武や青龍のメンテナンス中の繋ぎとして使う可能性が高いです。トッテさんもスプラもそれだけの技量があります。負担をかける事になると思いますが……」

 眉をひそめるミココの頭をなでながらハンマが言う。

「あいつらだって、軍人だ。そのくらいの根性は、ある。お前も一人で抱え込むな」

「ありがとう」

 お礼を言うミココであった。



 ケロベロス要塞内部。

「素晴らしい成果だな」

 タンが満足そうに言うと、そばに控えていたノーウが自慢げに言う。

「当然です。所詮は、小娘の作ったSOEより、私が提供したゾンビソオルアーマーの方が優れている証拠です」

 タンがその言葉に苦笑するが、敢えて反論は、しなかった。

「まあ良いだろう。それよりも、ソオルコアの製造の方は、どうなっているのだ」

 ノーウがあからさまに顔を歪める。

「それが、必要な材料が不足しておりまして。材料さえ揃えば、直ぐにでも試作品を完成させます」

 舌打ちするタン。

「やつらの包囲網の所為で十分物資が手に入らなかったのが痛かった。ここは、一気にゾンビソオルアーマーを投入して、一気に補給ラインを形成するしかあるまい。準備を始めろ」

「仰せのままに」

 ノーウが部屋を出て行くとタンが舌打ちをする。

「あの男がもう少し使える男なら、ゾンビソオルアーマー等を使わなくても済んだのだがな。ソオルコアの製造にさえ成功すれば、切り捨てて、エレメメタル派のソオルマイスターに任せるだけだ」

 部屋に飾られた世界地図を睨みタンが断言する。

「私は、まだ、諦めぬ! 自らの手でソオルコアを生み出し、反帝国の人間を取り込み、新たな帝国を建国してみせる!」



 ケロベロス要塞殲滅戦までの残り時間が十時間を切った時、ガッツは、ホワイトタイガーでゾンビソオルアーマー数体と交戦していた。

「接近戦が出来れば、もう少し、増しなのによ!」

 ヒットアンドランと言う、自分のスタイルと異なる戦い型を強制させられているガッツは、思うように成果を挙げられていなかった。

『ガッツ、気をつけて。敵は、大量のゾンビソオルアーマーを投入してきたわ』

 朱雀で、上空から警戒と援護を続けていたレッスからの通信にガッツがレーダーを確認すると、大量のゾンビソオルアーマーが迫ってきていた。

「もう、ヒットアンドランなどやってられるか!」

 一気に接近してホワイトタイガークローでゾンビソオルアーマーを粉砕していくガッツであったが、一体を貫いた時、周囲のゾンビソオルアーマーが一気に接近して来た。

『ガッツ、逃げて!』

 レッスの悲鳴が通信機から聞こえると同時に、ガッツを強烈な衝撃が襲った。



「だからヒットアンドランに徹しろって言ったでしょうが」

 ホワイトホエールのソオルアーマーデッキで機体の左半分が半壊状態のホワイトタイガーを見ながらミココが文句を言う。

「一気に敵が増えて仕方なかったんだよ」

 自爆対策用に突風で敵を弾き飛ばすシステムが組んであった為、体中シップだらけだが、普通に動いているガッツが反論するとミココが睨む。

「そんな状況で、ホワイトタイガーを使い物にならなくしてどうするの! その埋め合わせの為に、朱雀まで包囲網維持の戦線に投入してるんだよ!」

 苛立つミココにハンマが声を掛けてくる。

「状況は、理解しているつもりだが、先に戦場に出ていた玄武がそろそろ限界だ。一度下がらせられないか?」

 ミココがブリッジに連絡するとわざわざバッドが直接連絡を返してきた。

『玄武、青龍、朱雀の三体がフル稼働でどうにか戦線を維持している状態だ。そこの馬鹿がホワイトタイガーを壊してなければもう少しなんとかなってたかもしれないがな』

 居た堪れない雰囲気になるガッツ。

 そこでミココがため息を吐いて言う。

「白虎の修理は、終わっていますよね?」

 ハンマが頷く。

「ああ、しかし、ソオルライダーが居ないだろう」

「俺がやります!」

 ガッツが手を上げるとミココ、ハンマ、バットの三者とも嫌そうな顔をする。

「俺だったら、白虎にも乗った事があるから問題ないだろう!」

 ガッツの言葉にバッドが折れた。

『このままでは、玄武を呼び戻すことも出来ない。仕方ない、玄武の補給が終わるまでの間だけでも、やらせるしかないな』

「よっしゃ! やってやるぜ!」

 ガッツポーズをとるガッツは、直ぐに白虎のところに向かう。

「このボケ、シートの調節があるから待ってろ!」

 ハンマに怒鳴られるガッツを尻目に、ミココが壊れたホワイトタイガーを見ながら言う。

「奥の手を使う時が来たのかも……」



 前線に同僚のソオルアーマーを配置し、距離をとって確実にゾンビソオルアーマーを潰す玄武を駆るトッテ。

「そろそろ弾切れだが、引けないな」

 舌打ちしながらも、朱雀とリンクさせて維持している戦場マップに新しいソオルアーマーが現れた事に驚く。

「白虎って事は、もしかしてガッツか?」

『トッテさん、ここは、俺が代わりますから、補給に戻ってください』

 ガッツからの通信に小さくため息を吐いて呟く。

「この状況では、仕方ない判断か。釘だけは、刺しておくか」

 通信機に向かってトッテが怒鳴る。

「ホワイトタイガーと同じ失敗してみろ、二度とソオルアーマーに乗れないと思え!」

『了解!』

 返事をするガッツが乗る白虎に場所を譲る様に後退し、ホワイトホエールに戻るトッテ。

 降りると同時にハンマに駆け寄る。

「補給だけで十分です。消耗や故障箇所は、腕でカバーします」

 ハンマが次々とあがってくるチェック項目を確認しながら答える。

「補給している間に、細かいところは、終わらせる。こっちの腕前も信じろ」

 苦笑するトッテにミココが近づく。

「現場の人間に確認したいんですけど、あと十時間、保たせられます?」

 トッテは、頭をかきながら言う。

「ガッツのボケが馬鹿をやらかさない限り、最低限の補給に白虎を代打に出す形で踏ん張れると思うが。きついのは、経験が浅いレッスだな。例の作戦の前倒しを検討して貰った方が良いかもしれない」

 その答えは、ミココの予測通りだった。

「現状をハラミ殿下に連絡し、その案も検討されています。でも……」

 ミココが何を躊躇しているのか、トッテにも解った。

「昨日まで仲間だった奴でも殺さなければいけない事がある。それが戦争だ」

 トッテの言葉にミココが沈んでいるとトッテは、肩をすくめながら言う。

「あのゾンビソオルアーマーの大軍さえ無ければもう少し手があるんだろうがな」

 ミココがその一言に通信機を取る。

「ブリッジとデッキ、そして白虎で会議通信を開いて」

 いきなりの動きにトッテが眉をひそめているとミココが言う。

「ガッツ、初めてホワイトタイガーに乗った時より頭良くなった?」

『馬鹿にするな、俺だって少しは、成長してるんだよ!』

 ガッツの返事にトッテが半目になって壊れたホワイトタイガーを見て言う。

「とてもそうとは、思えないがな」

 そんな中、ミココが続ける。

「頭良くなってたら、無意味な提案だと思うけど、一つだけ確認させて。白虎には、パワーアップするシステムがあるの。ただし、未完成のシステム。青龍でのテスト中で、まだ成功例が無い上、事前準備が足らない白虎でそれをやったら、白虎が暴走、最悪の場合、自爆して死ぬ可能性もある。それでも成功すれば、ゾンビソオルアーマーの大軍を潰せる筈だよ」

 意外な提案にまずブリッジのバッドが口を挟んでくる。

『戦場でそんな分の悪い賭けが出来ると思っているのか!』

 トッテもバッドに同意する。

「ここで白虎を失ったら、包囲を崩さざる得ないぞ」

 それに対してミココが言う。

「その時は、あちきが独断で殲滅戦を前倒しさせる。これは、ここに居る最高位の者の権限として可能だよ」

『軍事行動にソオルマイスターが直接関わることは、越権行為です』

 ティーの反論にミココが言う。

「残念。今回の事は、アレに関わる事。それに関してだけは、ソオルタワーの判断が優先される。必要とあちきが判断すれば拒否権は、無いよ」

 トッテがこの場に居る大人の責任としてミココに言う。

「お前が責任を感じているのは、解る。だがな、それは、俺達全員の責任だ。お前一人が罪を被る必要は、無い!」

 ミココが真剣な顔で言う。

「あちきは、小さくても可能性にかけてみたいの。まあ、ガッツの頭が良くなってたら、絶対に選ばない選択肢だと思うけど」

 少し諦めが入ったミココの言葉にガッツが即答する。

『下らない言い合いしてないで、とっととその準備をしろ! 俺は、いつでもかまわないぞ!』

 トッテが怒鳴る。

「お前は、少しは、頭を使え! これは、お前一人の生き死にだけじゃないんだぞ! 失敗したら、より多くの命が失われる。当然、ミココの立場だって危なくなる。利口になれ!」

 それに対してガッツが自信満々に言う。

『難しい事は、解らないが、とにかく、上手くいけば、殲滅戦もしないで済むし、ミココも罪に問われないんだろう。だったら俺が無茶でもなんでもやってみせる!』

「お前って奴は、何処まで馬鹿なんだ」

 頭を抑えるトッテ。

『私は、認めない。軍を指揮するものとして、その様な危険度が高い作戦は、認められないぞ』

 バッドの言葉にミココが言う。

「それなんですけど、今の白虎って軍事行動してないんですよね」

 それを聞いて誰もが戸惑う中、トッテがため息混じりに言う。

「それじゃあ、あそこで敵と戦っているのは、なんだって言うんだ?」

 ミココが遠い目をして言う。

「白虎の戦場運用テスト。そうしないと、サードのガッツを乗せて戦場に出せなかったから、そういう偽装工作してあるんですよ」

 するとティーが苦笑しながら言う。

『解りました。しかし、駄目だった際の殲滅戦は、私も同意の上の決定と言う事が最低条件ですよ』

 苦々しい口調でバッドが言う。

『殲滅戦の準備を急がせるぞ』

 そしてハンマが言う。

「玄武の補給が終わったぞ」

 トッテがミココに言う。

「ガッツも馬鹿だが、お前も馬鹿だ。少しは、年長者に頼れ。白虎の準備が終わるまでは、まかせておけ」

 そして、出て行く玄武に頭を下げてからミココが叫ぶ。

「ホワイトタイガーからメインユニットを取り出して! 今から持ってくる白虎の追加装備に組み込んで、時間は、あまり無いよ」



 戻ってきた白虎に追加装備の組み込みが行われる間にガッツに新しいシステムの説明をするミココ。

「このシステムは、ガッツの野生がキーになるの。自分が虎になったつもりで操縦して」

 ガッツが胸を叩く。

「任せておけ! 虎だろうがライオンだろうが、なんだってやってやるよ!」

 そして、ハンマが来る。

「準備が終ったぞ」

 ガッツが目を輝かせる。

「こっからが俺の活躍の場だな」

 白虎に乗り込むガッツを見送るミココにハンマが言う。

「ところで、さっき言っていた野生とかは、本当か?」

 ミココが一枚の映像媒体を見せて言う。

「本当だったら、ここにあるイメージ映像から詳細なイメージを構築させる必要があるんだけど、ガッツに出来ると思いますか?」

 ハンマがはっきり答える。

「絶対に無理だな」

 ミココも頷く。

「だから、大雑把な事だけで教えて、後は、ガッツの勢いだけが頼りなんですよ」

 ハンマがほほをかきながら言う。

「随分と頼りない切り札だな」

 ミココがため息混じりに言う。

「このシステムを使うには、ソオルライダーが長期間使用した別のソオルコアが必要になるんですけど、その条件に合うのは、レッスのブルーイーグルⅡとガッツのホワイトタイガーしか無かったんです」



 執拗なゾンビソオルアーマーの攻撃から逃れる為に一度上空に朱雀を退避させるレッス。

「もう、ソオルライダーを乗せていないソオルアーマーがこんなに面倒だなんて」

 そんな中、ホワイトホエールから出撃した白虎を見つける。

「あれが、新システムを搭載した白虎。でも、どうするつもりなのかしら?」

 レッスが首を傾げていると広域周波でガッツが通信してきた。

『これが俺の野生だ! ウォォォォォォ!』

 次の瞬間、白虎が前屈したと思うと、背中のパーツが展開し、まるで本物の虎の様なシルエットになる。

「なにあれ? だいたい、ソオルアーマーって人型じゃないといけないんじゃなかったっけ?」

 そんなレッスの疑問を無視して、虎の姿に変形した白虎は、ゾンビソオルアーマーの大軍に正面から突っ込む。

「何を考えているの。あれじゃ、ホワイトタイガーの二の舞じゃない!」

 しかし、違った。

 自爆など間に合わないスピードで白虎が駆け抜け、横を通り過ぎられただけでゾンビソオルアーマー達が爆発していく。

 瞬く間に、ゾンビソオルアーマーが激減する。

「嘘、ソオル能力だとしてもあんなの、尋常な出力じゃない。どうやってあんな出力を生み出しているの?」

 レッスが困惑している間にゾンビソオルアーマーは、全滅するのであった。



 ケロベロス要塞のノーウの部屋。

「馬鹿な、なんなのだ、あのソオル能力は。在り得ない、あんな強力なソオル能力が単体から発動するわけが無い!」

 その時、部下の一人が呟く。

「やはり、ソオルタワーの魔女には、誰も敵わないのか……」

 ノーウが睨む。

「馬鹿を言うな! きっとあれは、トリックだ。何か裏があるに決まっているのだ!」

 そこにタンがやって来ていう。

「トリックがあるなど関係ない。どうするのだ。これで、材料の補給は、出来なくなったぞ」

 それを聞いてノーウが今さっき、不用意な言葉を発した男を見る。

「しかたありませんな。優秀なこの男だったら、補助材が無くてもきっと大丈夫です」

 慌てる部下。

「そんな、あれは、きちんとした材料が無ければ」

 ノーウは、拳銃でその男の脚を撃って言う。

「とっとと研究室に連れて行け」

 そして運び出される部下。

「失敗は、許されないぞ。成功品を持って、このケロベロス要塞から撤退する。ソオルコアさえあれば、我々を受け入れる所などいくらでもあるわ」

 タンの言葉に頭を下げるノーウ。

「お任せください。必ずやソオルコアをタン殿下の手に」

 この時点でタンとノーウの破滅は、決まっていたのかもしれない。

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