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星姫 〜天の星、地の人〜  作者: 猫様のしもべ
第2章 学びと戦いの、学園生活
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第7話 始まりの予感

〜前回のあらすじ〜

一悶着あったものの、無事制服も手に入れ、とうとう皇立マーラプア学園の入学式だ。

期待と不安で、胸がいっぱいになる。

どんな学校生活になるのかな?

ついに迎えた、4月7日。

皇立マーラプア学園の入学式だ。


マナは朝起きて、着替える。

過去最高の仕上がりと言われた、制服に袖を通す。

学校指定の靴下を履き、鞄に、荷物を詰める。


(鞄重い!こんなに持ってかなくてもいいか・・・)


いくつか教科書を減らして、軽くする。

今日は授業もないため、明日のためにいくつか教科書を持っていくのだ。


着替え終わったら、下へ降りる。

お母さんと共に朝食を摂り、準備した。


洗面所で鏡を見ながら髪飾りをつける。

いつも通りの、マナの姿で。

どこか新鮮な気持ちで、扉を開けた。


「行ってきます」


誰にでもない、挨拶。

けれど言うことに意味があると、感じた。


20分ほど歩き、マーラプアに到着。

入学式と大きく書かれた、アーチが置かれている。

それをくぐり、門を抜けて中へ。

マナはまず校舎に入るので、お母さんとは別れる。

お母さんは先に祈願堂きがんどうへ。


マナは校舎の入り口、下駄箱で靴を脱ぐ。

そして内履きに履き替える。

奥にある掲示板に、自分のクラスが書いてある。


マーラプアでは、成績でクラスを分ける。

下級、中級、上級、特級と上がる。

マナは掲示板を見て、クラスを確認した。


(私は、特級クラスだ。ソフィもいる・・・)


友達が同じクラスにいるだけで、ふと安心感を覚えてしまう。

マナは廊下を歩き、教室へ足を踏み入れる。

少し緊張したが、深呼吸した。


入学試験の時はあまりよく見れなかったが、とても綺麗な校舎だ。ベンチがところどころにあり、窓も綺麗。木でできているので、風格がある。


さて、クラスについた。

多くの人がいる。その中に、ソフィとサフィールも見つけた。

するとすぐにソフィが来た。


「マナ、久しぶり!」

「久しぶり、ソフィ」

「マナの席はこっちだよ!私の隣だったの!」

「そうなの?嬉しいね」

「可愛い〜」


その席に行くと、前にはサフィールが座っている。

サフィールも挨拶した。


「おはようございます。名前順なのにこの並びとは、運がいいですね」

「おはようございます。運がいいかは半々ですね」

「あらら」


ノエルはサフィールの隣で固定だ。


しばらくしたら、先生が入って来た。

みんな席に座っている。

先生は壇上に立ち、言う。


「みなさん、初めまして」

「「「初めまして」」」

「いい返事ですね。私はここ特級クラスの担任、コクア・エメルヴェイエです。これから1年、どうぞよろしくお願いします」

「「「よろしくお願いします」」」


コクア先生は「数学の天才」という二つ名も持ち、とても数学が得意な、数学教師。

数学に関する「星の祝福」を持っている。


「では、これから入学式に行きます。祈願堂で行いますので、席を覚えてください」


みんな席表を見て、覚えた。

机の中には、校歌の歌詞と式次第。

それを持ち、立ち上がる。


「皆さん、私の後ろに名前順に並び、ついて来てください」

「「「はい」」」


先生が廊下に出て、みんな名前順に並ぶ。

そして移動した。

階段を登り、渡り廊下を通って南校舎へ。

他のクラスの生徒達も合流し、地下の祈願堂に入る。


4つの扉の前に、それぞれのクラスが並ぶ。

扉の前に着くと、中の声が聞こえた。

司会の声だ。


「それでは、新入生の入場です!皆さん、拍手でお迎えください!」


それと同時に扉が開き、拍手喝采の中を進む。

右も左も、保護者と先生でいっぱいだ。

そしてそれぞれの席に座る。


正面にステージがある。ステージの上には、校章がつけられている。地下なので、窓はない。

普段は礼拝、もしくは学園総会などで使われる。

拍手が鳴り止んだら、司会が言う。


「新入生の皆さん、初めまして。司会のアリシア・プロメッサです。よろしくお願いします」


ここはまだ喋るタイミングではない。

みんな頷いたりしながら聞く。

まずは、開会式だ。


「では、これより第197回入学式を始めます!」


みんなまた拍手した。

司会は続けて言う。


「では、校長先生のお言葉です。校長先生よろしくお願いします」

「はい」


校長が変わって出て来た。

コホン、と咳払いし、言う。


「新入生の皆さん、こんにちは。私は皇立マーラプア学園校長、カノア・サージェスです。よろしくお願いします。さて、長ったらしくなるのも承知で、この学園の成り立ちをお話ししましょう」


さて、始まりました。校長の長々話しタイム。

みんな右から左へと流しつつたまに頭に取り込む。

校長は話を続け、こんな話題に。


「あなた達は、星姫様の生まれた年と同じ年に生まれました。約2000年前、このサフィアスに飛来した魔神は、数多もの命を刈り取りました。我々に残された希望は、星姫様のみ。祈りましょうーー」


校長の話は、長く続く。

マナは言葉にならない想いが、胸に渦巻いた。

星姫への人々の期待は重く、魔神などというどんな力を持つかもわからない敵を倒すなど、マナには難しい話だ。


人々はみんな、自分は星姫ではないから、星姫の気持ちなんて知りようもないだろう。

星姫はそう生まれたのだから、そうして欲しいと願うまでだ。


マナはとりあえず、入学式に集中することにした。

さて、長々しい話もそろそろ終わりだ。


「なので、皆さんも星姫様に祈りを捧げながら、この学園での生活を謳歌しましょう。お互いに協力し合い、助け合い、慰め合って暮らしましょう。では皆さん、ご入学おめでとうございます」


校長の話には拍手をしない。

その後、理事長もお話をした。

それが終わると、司会が続けて言う。


「では、生徒点呼。それぞれのクラスの担任が行います。まずは下級クラス」


下級、中級、上級とどんどん名前が呼ばれる。

名を呼ばれたら、返事して立ち上がる。

次は特急クラスだ。


「最後に特級クラス。担任は数学担当コクア・エメルヴェイエ」

「生徒点呼。1番・・・」


そうして名前が呼ばれていく。

マナも名前を呼ばれ、返事して立ち上がった。

それから次々に呼ばれ、とうとう最後の1人。


「以上、47名。学年人数200名です」


先生が名簿をパタンと閉じた。

そうして生徒点呼が終わり、最後に司会が言う。


「それでは皆さん、ようこそ、皇立マーラプア学園へ!これからの生活をお楽しみください!」


テーマパークみたい・・・なんて思った。

とりあえず、管弦楽部やクワイヤーが演奏し、校歌や星歌が歌われた。

新入生も校歌を歌うのだが、無理だった。


そうして入学式は無事終了。

保護者は入学式が終わったら、帰る。

生徒はそれぞれの担任について行き、教室へ。

席に座ったら、先生が言う。


「では、皆さん改めて自己紹介しましょう。1番から順に、名前と誕生日、好きなこと、そして『星の祝福』がある人はそれも言ってください。ではどうぞ」


それぞれ、指定された通りに自己紹介する。

たまに「星の祝福」持ちも。

順は流れていき、ソフィの番に。


「私の名前はソフィ・クレシェンテです。誕生日は8月10日、好きなことはショッピング、『星の祝福』は氷の力です」


なんとソフィは、氷を操る力を持っているらしい。

かき氷とか作れるのかな、なんて思った。

今度見せてもらいたいと、心を馳せる。


ソフィからは3人連続「星の祝福」持ちだった。

そして進み、サフィールの番。


「僕の名前はサフィール・レヴァ・ラニアケアです。誕生日は7月7日、好きなことは本を読むこと、『星の祝福』は天の力です」


前にも書いた通り、サフィールは天の力という「星の祝福」を持っている。

天気をも変えられるほど、強力なんだとか。

だが気候に影響があるからか、天気を変えるところは見たことがない。


そしてマナの番だ。


「私の名前はマナ・セレスティアです。誕生日は・・・4月25日、好きなことは星を見ること、『星の祝福』はないです」


マナの本当の誕生日は、4月24日だが、その日生まれたのは星姫マナ1人。バレないために、日付を変えた。

入試の剣術試験で、マナと同じ班だった人は、あれでも「星の祝福」がないのかと驚いていた。


そしてみんな自己紹介し、終わった。

先生が言う。


「はい。皆さん終わりましたね。ではこれから校内を見学します。皆さん、私について来てください」

「「「はい」」」


校内見学が始まり、マナたちはワクワクする。

まるで探検のような思いで、校舎を回った。


とても広くて、迷子になりそう。

けれどどこも美しく、木造なのも相まって自然味が感じられる。


(森の中にいるみたい。すごく、優しいな)


中庭もあり、綺麗なクリスタルが回っていた。

生徒たちの憩いの場となり得る、穏やかな場所。


広い学園内を見て回り、校内見学は終わった。

みんな教室に戻り、座った。

先生が言う。


「それでは本日はこれで終わります。今日から名前順に日直を決めます。今日は1番と2番の方です。日直の方は、授業前の挨拶、朝礼、終礼の挨拶をしていただきます。では終礼をお願いします」

「はい」


2人の生徒が前に出る。

そして、カンペを見ながら言う。


「えっと〜、終礼を始めます。星に祈りを捧げます。手を組んで目を閉じてください」


そして祈りを捧げる。

マナもちゃんと祈っている。星への祈りだから。

祈りが終わったら先生が前に出て、言う。


「では、本日は終わります。お疲れ様でした。さようなら」

「「「さようなら」」」


そうして本日は終わり。

明日から授業が始まる。

みんな着々と帰る準備をし、帰っていく。

マナは今日持って来た教科書をしまう。

すると、ソフィが来た。


「マナ、今度さ、私とお出かけしない?」

「ほんと?いいね。いつ行こうか」

「そうだね。入学直後は忙しいし、月末とかは?」

「いいよ。月末ね」


その時、サフィールが来た。

何か資料のようなものを持っている。


「セレスティアさん、僕との視察の約束覚えてますか?」

「あ、はい。日程が決まったんですか?」

「はい。4月30日です」

「月末・・・被っちゃったね」


マナは少し残念に思い、ソフィを見る。

ソフィはさぞ不満そうに言う。


「むーー。なんで被せるんですか〜」

「被せてませんよ。視察の日は固定ですから」

「じゃあマナ、球技大会の後の週末でいい?」

「うん、いいよ」


マナはそう答えた。

ソフィは笑顔で、グッドポーズをした。


「ありがと!覚えといてね。直前にもメッセージ送るから」

「うん」

「これから楽しみだね!学校生活」

「そうだね。楽しくなるといいな」

「うん!波瀾万丈の予感☆」

「私もそんな予感・・・」


マナ達は星姫として、そんな予感。

でも遊ぶのは楽しみだ。友達と遊ぶのは、久しぶり。

ソフィは公爵家の令嬢なだけあって、とても忙しい。それでも、マナと遊ぶ時間を取っているのだ。


(それなのに、偽りの姿でしか話すことができないなんて・・・。ソフィなら、受け入れてくれるのかな)


そんな、もやもやした思いを抱える。

でも、話すことはできない。


「じゃあ私はそろそろ帰るね。また明日」

「また明日!」

「さようなら」

「さようなら」


マナ→ソフィ→サフィール→マナの順で挨拶。

そしてマナは家に帰った。

これから始まる学園生活に、どこか期待と不安が入り混じるのがわかった。


きっと、楽しく過ごせるはず。

そう心から、星に願わずにはいられなかった。

今回は特級クラス担任、数学担当の先生についつ書きます。

担任、コクア・エメルヴェイエ。


コクアは生まれた時から数学が大の得意でした。

その能力といったら、国の優秀な研究者でさえ、欲するほどすごいものでした。

そのため、コクアは昔から、数学の研究者になり、国に貢献することが期待されていました。


けれどコクアの夢は、教師でした。

子供が好きなコクアは、好きな子供と関わりながら、数学を広めることができればと考えました。


ですが、周りはそれを否定しました。

そんな能力があるのに、なぜ教師なのか。もっと数学の発展に貢献すべきだ。宝の持ち腐れだ。


そんな言葉はコクアの胸に深く刺さりました。

コクアはお母さんに泣きながら言いました。


「お母さん、私は教師になっちゃダメなの?学者にならないとダメ?私は悪い子なの?」


お母さんは頭を優しく撫で、言いました。


「貴女は天才と呼ばれたわ。誰しも貴女を天才と呼び、褒め称えたの。けれど、誰も貴女の名を呼ばないわ。貴女の名は、『天才』ではなくコクアなのに。だったら貴女は自信を持って名乗ればいい。自信を持って、コクアとして生きなさい。私はいつでも、コクアの味方よ」


頭の良いコクアは何かを理解したようでした。

そしてそれから教師を目指し、資格も取得。

とうとう数学教師になったのです。


ただ、子供好きはちょっと行き過ぎかも。


星への願いが、叶いますように。

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