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星姫 〜天の星、地の人〜  作者: 猫様のしもべ
第2章 学びと戦いの、学園生活
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第14話 球技大会と想い

〜前回のあらすじ〜

セフィリアを家に迎え入れたマナ。

これからは毎日家に、セフィリアがいる。

それがどこか、嬉しく感じた。

朝日が柔らかく窓から差し込み、優しく照らす。

アラームの音が小さく鳴り響き、朝を告げる。

マナはゆっくりと目を開け、ベッドから出た。


伸びをしたら、制服に着替える。

鞄を用意して、部屋の扉を開けた。

ふと隣をみて、なんとなく隣の部屋の扉を叩く。


「セフィリア、起きてる?」

「いま、起きたよ」


マナはそっと扉を開けた。

部屋の中央で、セフィリアが伸びをしていた。

髪の毛が少しハネていて、よく眠れたようだ。


「セフィリア、朝ごはん食べよう」

「うん」


横に並んで歩くセフィリア。

パジャマ姿に思わず顔がほころぶ。

誰かが隣にいること、それがとても嬉しかった。

その時、セフィリアが静かにつぶやく。


「朝から誰かがいるの、とっても久しぶり・・・」


その言葉は、マナの胸にそっと沁みた。

マナは少し、微笑む。

自分の家が、セフィリアの癒しになればと、そう思ったのだ。


一階に降りると、お母さんがすでに朝食を用意していた。

マナとセフィリアは、椅子に座る。


「いただきます」


昨日の夜はぎこちなかったセフィリアも、今は合わせてくれた。

お母さんがセフィリアに聞く。


「セフィリア、どうかしら?嫌いなものはない?」

「うん。ボク好き嫌いはないから」

「あら、えらいわね。私も助かるわ」


セフィリアは美味しそうにパクパク食べる。

そのスピードは、マナたちには追いつかない。

セフィリアはすぐに食べ終わってしまった。


「ごちそうさま」

「あら〜。早いのね」


セフィリアはお皿を下げる。

少し迷っていたが、丁寧にキッチンに置いた。

マナとお母さんも、食べ終わった。


マナは洗面所の鏡の前へ。

すると、セフィリアもついてきた。


「何してるの?」

「ん、このままの髪と目だと、なんかこう・・・自分で言うのもなんだけど、目立つからね」


マナは髪飾りをつけてみせた。

髪と目が黒く変わっていく。

セフィリアは自身がつけている髪飾りを外し、そばに置いてある、お母さんの髪飾りをそっとつけてみた。


けれど、セフィリアの髪と目の色は変わらない。


「あれ?セフィリアの色は変わらない?」

「やっぱり、ボクには効かないね」


セフィリアは元の髪飾りにつけかえた。

青い星に、尾羽のように翼がついている。

星には小さく、辿々しい文字で「セフィリア」と名前が書かれていた。

マナは言う。


「その髪飾り、出逢った時からつけてたね。大切なものなのかな?」

「うん。とっても、大切なもの」

「・・・そっか。そろそろ私は学園に行くね」


マナはセフィリアと2人で、玄関に来た。

靴を履き、鞄を手に持つ。

今日の鞄は、軽い。

セフィリアは小さく手を振った。


「・・・行ってらっしゃい」

「うん、行ってきます。帰ったら“お茶会”でもしようね。お菓子だけど」


その言葉を聞いたセフィリアは、少し目を見開いた。

まるで、何かを思い出すように、言葉を絞り出す。


「ーーお茶会?」

「うん。少し待っててね」

「・・・待ってる。頑張って」


セフィリアの瞳には、どこか悲しみが混ざっていた。

片手をぎゅっと握り、笑顔を浮かべている。

マナは手を振って、扉を閉める。


セフィリアは少し、その扉を見つめていた。


「ーーマナが、帰るまでだよ」


自分に言い聞かせるように、ひとつだけつぶやいた。



マナは学園への道のりを歩む。


(帰ったら、誰かが家にいるのが、嬉しいーー)


いつもは家に帰っても、お母さんがいることはあまりない。

お母さんが帰るまでは、1人だ。

だがこれからは、セフィリアがいる。

それがなぜか、とても嬉しく感じた。


皇立マーラプア学園についた。

いつもより賑やかで、慌ただしい雰囲気が漂う。

カラフルな垂れ幕が降ろされ、風船で遊ぶ男子。

そして女子の「ちょっと男子〜」が飛び交う。

露店のように飲み物も販売されている。


マナは下駄箱から入り、教室へ。

教室に入ると、ソフィが飛びついて来た。


「マナ、おはよう!星森の視察どうだった!?」

「おはよう、ソフィ。結構面白かったよ。あとで話したいことがあるんだ」

「ほんと?いくらでも聞くよ!」


朝のうちに話せることは、あまり多くない。

なので昼休みに、話すことにした。

セフィリアとの出逢いをーー。


ソフィが言う。


「マナ、今日は球技大会だよ!」

「うん、楽しみだね」

「ふふっ」


なんと今日は、年に1回の球技大会。

ドッジボール、バスケットボール、バレーボール、卓球の中から選んで、対戦する。

マナは、ソフィと共にバレーボール。


その時、フィーユが扉から入って来た。

ソフィが速攻で飛びかかる。


「フィーユ、おはよ!」

「わっ!お、おはよう、ソフィ。朝から元気だね」

「ふふ。だってなんかテンション上がるから!」

「すごいね。わたしはそんなでもないかな」


その時、ソフィが指をパチンと鳴らす。

すると、どこからともなくソフィの護衛フィルミナが現れた。

フィルミナは言う。


「私たちの本気を示しますよ!」


その手には、折りたたみ式の三脚と、いかにも高性能そうなカメラ。

マナとフィーユは、思わず言う。


「ソ、ソフィ・・・それは?」

「ふっふっふ〜。お2人の可愛さ、全・力・激・写!超高精度高画質のカメラよ!」

「えぇっ!ど、どんだけ写真撮るの・・・?」

「だって〜!この機会に撮らずいつ撮るのよ!マナとフィーユの超貴重な1枚は、並のカメラマンでは撮れない!だ、か、ら、私が撮るの!」


マナとフィーユは、呆れるどころか笑ってしまった。

フィルミナも片手にカメラで、わざわざソフィに合わせて激写ポーズ。

ソフィはサングラス持参でカッコつけている。


(セフィリアにも、みんなに会わせてあげたいな)


マナはソフィに激写され、困るセフィリアを思い浮かべた。

ソフィ友達の輪に入ったら必ずこうなる。

洗礼のようなものだと、マナは笑った。


すると、サフィールと護衛ノエルが歩いて来た。

ノエルまでも、片手にカメラを持っている。


「おはようございます。ソフィさん、すっごいカメラですね」

「こんなもんじゃまだ足りませんけど。なんかいいもん持ってません?」


ソフィはサングラスをして、決めポーズで答えた。

サフィールは笑って、手を振る。

いくら皇子でも、これ以上のカメラはないだろう。


「持ってませんよ。セレスティアさん、フィーユさんも大変そうですね。僕も撮る側に回ろうかな」

「殿下、カメラ扱えたんですね」

「・・・扱えますけど。まぁ応援してますよ〜」


サフィールは笑顔でそう言う。

マナはふと横を見ると、ソフィがカメラにしがみついていた。

どうやら、音の出ないカメラのようだ・・・。


(試合中の邪魔にはならないかもだけど、いつ撮られてるかわからない・・・)


その時、チャイムが鳴った。

球技大会が始まる5分前の合図の音だ。

みんな慌てて、校庭へ出る。


校庭にはすでに、各学年各クラスが集まっていた。

そして始まる、学園長の長話。

ほとんどみんな、ちくわ耳。


そして各学年代表が、意気込みを言う。

1年生代表は、サフィールだ。


「今日は楽しみにしていた球技大会ですね。僕も生徒として、全力で楽しみながら、勝利を奪いに行きます。誰もが球技大会を楽しめますように」


一部のサフィールファンたちは「きゃ〜」と嬉しそうに言っていた。

そこに混ざる男子も「きゃ〜」と言っていた。


その後、2年3年も挨拶をした。

最後に4年。代表は、フィーユの姉、クオーレだ。


「皆さん、そして私も今日という日をとても楽しみにしていました。私は今年で最後になりますので、クラスで協力して、思い出に残る1日になるよう、楽しみたいです。星が導いてくださいますように」


まるで決められたような、完璧な言葉。

フィーユはその声を、静かに聞いていた。

けれど握る拳は震え、胸に手を当てて落ち着こうとしているように見えた。


学園長が締めの一言で飾る。


「球技大会を開幕します!」


その声と共に、ポンッと小さな花火が上がる。

飾りつけ委員とやらが設置したらしい。

生徒たちは歓声と手を、大きく上げる。

楽しい1日の、始まりだ。


マナたちはそれぞれの試合会場へ移動する。

マナとソフィはバレーボールなので、体育館だ。

フィーユはあまり動かない卓球をやるそう。

ちなみにサフィールは、ドッジボール。


水筒を持って、マナとソフィは体育館へ向かう。

春の陽気は暖かく、暑くも寒くもない。

気持ちよく、球技大会に集中できそうだ。


「マナ、頑張ろうね!」

「うん。一緒に勝とうね」

「私は写真撮るのを頑張る!」

「そ、そこはほどほどで・・・」


ソフィは三脚を設置しに行く。

マナはその隙に、そっとペンダントを外した。

これがあると、何かの拍子にボールを跳ね返してしまうかもしれない。

そうなればいろんな意味で、大変だ。


第一戦から、マナは試合に出る。

ソフィはそこは出ないため、三脚にカメラ設置、からのサングラス(陽の光はないが)をして、構える。


初戦の相手は、中級クラス。

審判の笛の音が、鳴り響いた。

今回はサフィアスの学校について書いてみます。


サフィアスでは、どの国でも言語が同じです。

そのため、学校や学園に関しても、統一されています。


0〜6歳までが通うのは、幼稚園。

7〜12歳までが通うのは、学校。

13〜16歳までが通うのは、学園。

17〜無制限の生徒が通うのは、学院。

さらに学びを深めたい人が通うのは、学府。


このような呼び方になっています。

義務教育は学園まで、他にも専門学院などはあります。

サフィアスの人たちは基礎能力が高く、地球より短い教育で足ります。


また、学院以上を出た人のみ騎士団に入るための試験を受けられます。

騎士団は警察の役割と、自衛隊の役割を兼ねています。

そのためかなりの技術と知識が必要になり、険しい道のりの代表格でもあります。


でも騎士団に入れたら、生活は安定を保証されます。

さらに絶対王政のラニアケアではかなりの地位を得られるので、狙う人も多いです。


マナたちはどんな将来を願い、叶えるのか。

それはずっと先の物語に隠されています。


星への願いが、叶いますように。

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