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星姫 〜天の星、地の人〜  作者: 猫様のしもべ
第2章 学びと戦いの、学園生活
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第10話 間抜けな盗賊団

〜前回のあらすじ〜

学校の授業で、星獣の森へ来たマナ達。

鹿に案内され、マナ1人で森の奥へ。

そこには、倒れた動物や可愛らしい星獣がいた。

母を助けて欲しい、という星獣の願いを聞き、マナは動物達と共に駆け出す。

少し森の中を走ると、前に開けた場所が見えた。

綺麗な湖と花畑。

そこに合わぬいかにも盗賊らしい5人の男達。

そして檻に閉じ込められた美しい生き物。


「あそこなのです。あの檻の中に閉じ込められているのがお母さんなのです」

「分かった。じゃあ、やろう」


マナは草むらから飛び出す。

そして剣を抜き、盗賊の前へ。


「な、なんだお前!?」

「・・・星獣を放して」

「なんだよガキじゃねぇか」


すると、太り気味の盗賊がお頭と思われる人に言う。


「おかしら、あの子めっちゃ可愛いっす。星獣と一緒に連れてってもいいか〜?」

「はぁ。お前の趣味は相変わらずだな。まぁいいだろう」

「あざっす」


派手な服装の盗賊が言う。


「ふっ。まぁ確かに可愛いが、俺には敵わないな。この洗練され尽くした肌と整いすぎた顔つき・・・今日もかっこよすぎて辛いぜ」

「男と女比べんなよ・・・。それに、俺の推し様に比べればお前ごとき下の下だぞ!」

「あんだと!?」


派手な盗賊と、歌い口調が印象的な盗賊が、言い争いを始めた。

すると最後の1人、杖を持った盗賊が言う。


「ふはは。今から貴様に罰を与えてやろう!この俺の偉大なる、魔族にも劣らぬ能力、ブラックサンダートルネードをな!」

「名前なっが!」


歌い口調の盗賊と派手な盗賊がツッコむ。

一癖ある者達が集まった、イロモノの盗賊団だ。

すると、お頭が剣を取る。

他の奴らも杖持ち盗賊以外は剣を出した。


「じゃあやろうか?お嬢さん」

「いいよ」


マナはこの、一癖ある者達がなぜ、魔獣を操れたのか気になった。

すると、派手な盗賊があっ!と言って、お頭に言う。


「お頭、この子アレですよ!騎士団長に勝ったって噂のバカ強い子!」

「お?ならやりがいがありそうだな」

「勝てるかな!?」


派手な盗賊がそう言った。

マナは剣を構え、言う。


「フィオーレ!」

「はいです!」


すると派手な盗賊の足元から蔓草がニョキニョキと生え、派手な盗賊のことを捕まえた。


「なっ!?いくら俺が美少年だからってこんな!」

「違うと思うぞ。そもそもお前43だろ。なにが少年だ」


お頭がそう言った。

少年というには厳しい年齢だな。


「みんな、お願い!」


すると動物達が飛び出し、盗賊に襲いかかる。


「ぎゃーー!!く、くくく、くまー!?」


太り気味の盗賊は熊の力強い腕に、押し倒された。

熊は牙を剥いて、威嚇する。


「押し倒されるなら、可愛い女の子がいい・・・」


歌い口調の盗賊は猪にどつかれ、ノックアウト。

服から大量のアイドルグッズが出てきた。


「くっ・・・ライブ会場並みの圧だぜ・・・」


そして2人とも蔦に縛られる。

お頭が言う。


「ちっ。後は俺だけか・・・」

「俺もいるぞ!」


杖持ち盗賊がそう叫んだ。お頭は聞いていない。

お頭がマナに斬りかかる。情け無用といった感じ。


「騎士団長に勝ったんだったな!?実力見せてみろ!」


マナは相手の攻撃を華麗にいなしつつ、チャンスを伺う。

その間、杖持ち盗賊はよっせほっせと木に登る。

あまり高くない木を選んで。

そしててっぺんになんとか着いたら、謎の言葉を唱える。


「我が名は漆黒の守護者。この世を支配せんと企む魔神を倒すべく、裁きの雷を・・・うんたらかんたら」

「なーに長ったらしい呪文唱えてんださっさとしろ!」

「は、はい!今から悪しき・・・くもなさそうだけど、とりあえず貴様に裁きを下す!わ、我が名において命ずる!ブラックシャンダートリュネード!」

「噛んでやがる・・・」


締まらない呪文だが、力はそこそこ。

突然空に暗雲が現れ、バチバチと音を立てる。

そしてカッと光り、白い雷がマナを目掛けて落ちる。


その瞬間、盗賊達は目を見張った。


マナのペンダントが光り輝き、マナを囲むバリアが現れた。

キンッという高い音が響き、雷が跳ね返る。

跳ね返された雷は杖持ち盗賊をかすった。


「ぎゃぁっ!!」


杖持ち盗賊は木から落下。

フィオーレの蔦が華麗にキャッチし、捕獲。


「なっ、なんだ!??我の・・・我のブラックサンダートルネードが、反射された・・・!!」


お頭もさすがの出来事に、一瞬フリーズ。

その隙にマナが剣を吹っ飛ばし、フィオーレが捕縛。

これにて一件落着。



決着の少し前、サフィール達。

みんなざわざわとしていた。

なぜなら、突然雷雲が現れ雷が落ちたかと思ったら、雷が何かに跳ね返ったように下から上へ落ちた(?)から。


サフィールは何か嫌な予感が、胸でざわめく。

先ほどの魔獣と関係があるかもしれない。


(それより、マナさんに何かあったら・・・!)


サフィールは駆け出した。

直後、少しだけ振り返り、みんなに言う。


「僕ちょっと行ってきます!」

「殿下!?」


ノエルがすぐに追いかけた。

みんなは少し悩み、先生に報告することに。



さて、マナは盗賊を捕獲し終えた。


「ちっ!なんなんだよお前・・・。変な『星の祝福』でも持ってやがんのか?」

「持ってないよ。大人しくしてて」


すると、サフィールが到着した。

ノエルもすぐ後に来た。


「マナさん!」

「え、あ、殿下」

「大丈夫ですか!?何があったんです?」


サフィールはマナを心配する。

そしてすぐ盗賊に気づいた。


「彼らは盗賊ですか・・・?」

「はい。星獣を捕らえていたようです。早く出してあげないと・・・」

「なるほど。でも無謀すぎますよ。1人で盗賊5人に挑むなんて。いくら強くても危ないです」

「大丈夫ですよ。動物達も協力してくれましたから」

「動物・・・?」


サフィールは後ろで丁寧に整列する動物に気づく。


「動物達はセレスティアさんに従っているんですか?ソフィさんから聞いたことも・・・」

「あ、いえ、その・・・」


マナが答えに迷っていると、フィオーレが飛び出す。

サフィールの視界を遮るように、手を広げた。


「ぼくがやったです!ぼくは星獣フィオーレです!お母さんのためにお願いしたです!」

「わっ。な、なるほど。星獣様ならあり得ますね」

「星ひ・・・えっと、早くお母さんを出してあげて欲しいです!」

「そうでしたね」


サフィールはお頭のポケットから鍵を取った。

どこか無駄に装飾品のつけられた鍵だ。

するとお頭がサフィールに言う。


「なぁあんちゃん」

「え、はい?」

「あんためっちゃいい見た目してんな」

「え、え?」


サフィールは少し驚き、後退り。

ノエルも思わず前に出る。

すると、派手な盗賊が言う。


「お頭はいろいろな意味で、激ヤバなんだよ。気をつけろよ、美少年。まぁ俺のが上だけど」

「えぇ!?」


サフィールはささっと離れる。

お頭は余計なことを・・・と悔やんでる。

サフィールはマナに鍵を渡した。


「えっと、どうぞ、セレスティアさん。星獣様を解放して差し上げてください」

「あ、はい」


マナは星獣の檻を開ける。

中から星獣が出てきた。

傷はもう治っているようだ。


「私を助けてくださり、ありがとうございます」


丁寧に感謝する星獣。

大きな狐に翼が生えたような見た目。

頭や羽、手足に飾りが付いている。

盗賊はこれごと売るつもりだったようだ。


「どういたしまして」

「私は星獣フィオレンサです。息子と動物達も一緒に助けてくださったこと、言葉に尽くせません」

「気にしなくて大丈夫だよ」


すると、フィオーレがフィオレンサに飛びついた。


「お母さん!無事でよかったのです!」

「フィオーレ、ありがとう。よく頑張ったわね」

「お母さんのためならなんでもできるです!」

「ふふ、優しい子ね」


フィオレンサが、優しくフィオーレを抱きしめた。

暖かく、穏やかな光景。

けれどサフィールとノエルは、どこか寂しそうに見えた。


その時、クラスのみんなと先生が到着した。

バラバラに探索していた生徒を集めるのに時間がかかったようだ。


「殿下、セレスティアさん!大丈夫ですか!?」

「はい。先生」

「よかった・・・って星獣様!?」


みんな驚く。

するとソフィがマナに抱きついた。


「マナ!無茶しないでって言ったのに!」

「ごめん、ソフィ。でも全然無事だよ」

「よかった〜。もう二度とやらないでね。次やったら私、マナのそばを離れないから!」

「わかったわかった」


すると、フィオレンサが言う。


「恩人様。どうかこれをお受け取りください」


フィオレンサがくれたのは、水色の星染花。

星でたった1つの花らしい。


「わぁ、可愛い。ありがとう」

「ほんの少しの恩返しです。この花は長時間咲き続けるようにしてあります。飾ったりするととても可愛いと思いますよ」

「それはいいね。大事にするよ」


盗賊はノエルが呼んだ騎士団に捕えられた。

お頭は派手な盗賊と言い争っている。


「あんたより俺の方がぜんぜんマシだわ!」

「愛があれば年齢は関係ねーんだよ」

「だったら俺だって俺に愛があるんだから年齢なんか関係ねー!」

「しっかし、あの宗教団体が寄越した魔獣、全く役に立たなかったな」

「いや、役に立ってたぞ・・・」


そんなことを言い争いながら、連れて行かれた。

お頭は連れてかれるまでサフィールを見ていた。

サフィールはノエルに言う。


「なんか、なんもしてないのに疲れた」

「でしょうね。まぁ多様性の時代ですし」

「僕ってそんなに見た目いいかな・・・」

「さぁ?」

「さぁって」


サフィールとノエルは、少し笑い合った。

そして、状況の1つもわからない先生が言う。


「えーと、みなさん、スケッチは終わりましたか?」

「「「はい」」」

「では、星獣様にご挨拶をして、教室に帰りましょう。ありがとうございました」

「「「ありがとうございました」」」

「こちらこそ、ありがとうございました。またいつでも来てくださいね。結界はすぐに修復します」


フィオレンサがそう言った。

普段この森は、フィオレンサの力で結界が張られている。今回はマーラプア生が来るために、少し弱めていたらそこを魔獣に破壊され、侵入されてしまったのだそう。


その後、先生と一緒に教室へ戻った。

そして昼ごはんを食べたら、午後自分のスケッチした植物について発表し、今日は終わり。



マナは家に帰った後、フィオレンサにもらった水色の星染花を、花瓶に飾り、部屋に置いた。

星姫としての役割を嫌うマナだが、誰かを救えたことに、少し安堵感を感じた。

フィオレンサとフィオーレの、暖かい光景を忘れないようにしたいと、そう思った。

今回はあの、間抜けな盗賊団について書きます。

名前つけていないんで、本編の呼び方のままで。


お頭は昔、弟がいました。

小さくて可愛い、甘えん坊な弟でした。

そんな弟に、お頭はガチ恋してしまいます。

ですが、危機感を感じた親により、家から追い出されました。

それ以来、盗賊として可愛い男の子を探しています。


太り気味の盗賊は、昔年下の女の子に告白し、振られました。

そこで諦めるかと思いきや、なぜかヒートアップ。

女の子は騎士団に通報し、彼は補導されました。

その後、女の子は引っ越してしまったため、盗賊になり、お頭と協力しています。


派手な盗賊は、実は1番まともだったりします。

昔彼は、父親に憧れていました。

父のようになりたくて、必死に自分磨きしました。

その結果、多くの女の子にモテました。

ところが両親が事故に遭います。

その後は両親の代わりに、自分に溺れるようになり、盗賊に入って悪さもするようになったのです。


歌い口調の盗賊は、3歳の時から、様々なアイドルを推していました。

ところがある時デビューした、今では大人気のアイドルグループのセンターに、心を奪われます。

その後は周りからなんと言われようと、推し活を続け、金を使い果たしたため、成り下がって盗賊になりました。


杖持ち男は、生まれつき「雷の力」を持っていました。

それはその当時、ものすごく珍しく、さらには強いものでした。

ところが、親のいない彼は、よくない人に狙われるようになります。

恐怖に怯えて助けを・・・と思ったら、杖持ち男はその状況を楽しみ始めました。

どうやら、狙われる=特別と思っているよう。

それ以来、彼はわざと盗賊になり、政府に追われることを楽しんでいます。


彼らにだって、願いはありますね。

盗賊になる人も、それなりの理由があるのでしょう。


星への願いが、叶いますように。

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