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第4話ミレイナ視点
朝の空気は冷たく澄んで、少し昔のことを思い出させる。
クレアナとの模擬戦――けど、お互いに手は抜いてない。
私は“あの頃”と違う。あの悪魔といた頃とは。
……今はもういない。
けれど、その力はまだ、私の中に残ってる。
暴れる魔力を抑えながら、私は進むしかない。あの日、別れたあの声を、まだ忘れてない。
クレアナの“計算”は正確で、美しい。
だけど、私は私のやり方で挑む。創って、操って、壊す。
この魔力に呑まれることなく、まだ――共に在るつもりで。
限界が近づく中、ふと気配を感じた。
カゲナ。
あの子の目に、私の姿はどう映ったんだろう。
「よし、来な」