第二章 3
洗練された動きだった。
自分の移動速度や力を完全に把握している。
当たり前の事を、ちゃんと知っているというのが、ここまで大きな差となるのが面白い。
身の程を知る?
分相応?
ちょっと違う気がする。
ベルさんは、敵のエンプティをロープで縛って、ドローンで運ばれた。ベルさんは、ゆっくりとこっちに戻ってきている。
「やっぱ凄い」リンゴが言った。私とリンゴとナツさんで、ベルさんの戦いの様子を見ていた。
敵は、殆ど制圧した。新たに攻めてきている情報もない。とりあえず落ち着いたといえる。こっちの損害は、ドローンが数機壊れただけだ。上出来ではないだろうか。
前回の仕事の時、ベルさんは、必要最低限の事しかしない印象があった。でも、今回は、ターゲット以外にも危害が及ぶと考えて、積極的に排除しに行ったみたいだ。
前回の仕事の期間が長かったので忘れていたが、これがベルさんと二人で行う、二回目の仕事になる。その期間の間に、私は一人で日雇い労働みたいなことをしていたし、極秘の仕事に、部屋の模様替えに忙しかった。ベルさんとは、仮想世界やエンプティにダイヴして、どこかに出かけたことはあったが、仕事では、シンジュさんの件についで二回目になる。前回との共通点をなんとなく探してみたが、二人とも大金持ちという事しか思い付かなかった。
一番の違いは、前回は捜索で、今回は護衛ということだ。
私の能力的には、捜索の方が向いているが、気持ち的には、こっちの方が好きだ。少なくとも、仕事上のストレスもなく、健康的だと思う。騙している事にはなるが、善行というか、正義の仕事に近いからだろう。
暗殺を依頼した人物だけは、許すことが出来ない。そんな、バカバカしい真似が、現実で起こっていのるが信じられない。
だけど、今の組織に所属する前のアルバイトでは、そういう事に深く関わっていた。でも、それは、殺されてから、捜索が行われていたのだ。既に死んだ人で、もう、どうすることも出来なかった。
ただ、今回は、今も生きている人が、これから殺されようとしている。それが許せない。なにが違うのだろうか?
時間と、あとなにか……。
なにかを失う。損失の様な、欠ける様な、そう、勿体ないという感覚に近い。明らかに正しいやり方があって、それを全ての人が理解しているのに、バカバカしい理不尽な方法でしか、行われていない。しょうがないと諦めている。そういうのを見ていると、腹立たしくなる。今の、怒りは、それに近い。
暗殺なんてやめて、話し合いで解決すればいいのではないだろうか?
………駄目だ。
こんなことで、冷静さを失っては。
私には、目的がある。
そう、あの日、誓ったのだ。
その為には、全てを利用しなければ、到底たどり着くことは出来ない。
身の程を知ったはずだ。
どこに到達したのかを知る。
なにを得ようとしたのかを知る。
あれをやったやつの大義名分を知る。
その結果、私はそいつを理解したいのだろうか?
その大義を否定したいのだろうか?
理解なんて出来ないだろう。
でも、そうしないと、私は眠るようには、死ねないのだ。
自分の瞳の温度が二十度位、下がった気がした。
冷たいやつ。
溜息。
………もう、大丈夫。
部屋の中を見渡した。リンゴの横で、ナツさんも端末をいじっている。
シェルタは使わなくても良さそうだ。昨日見たシェルタの内装は、アニメやイラストの中みたいだった。ポップな世界が、部屋の中にリアルで再現されていた。
昨日の映像を再生した。
壁紙は、薄いピンク。でも、甘いストロベリィチョコレートみたいに、溶けている。壁だけじゃなく、照明や椅子、机、小物に至るまで、すべてが溶けている。蕩けている。
なにで作ったのだろう?蝋燭が溶けたみたいだ。本当に蝋かもしれない。それほど、リアルだ。ヴァーチャルの世界をリアルで再現したみたいに。実際に形を整えて、塗装したのだろう。何度も失敗したのではないだろうか?
テーブルにはクロスがひかれ、その上には、リンゴと花瓶に生けられた花があった。そのどちらも、甘そうに溶けていた。溶けた部分は液体の様にテーブルに広がり、色が混ざっていた。空を飛ぶ金魚も空中に浮いていた。全てが、飴細工の様に。
あの部屋を一言でいえば、スウィートなのだ。溶けているのが、途中で静止しているので、レトロな食品サンプルみたいな感じだ。
「地下のシェルタの内装は、リンゴが作ったのですか?」私は、リンゴにきいた。
「そう」リンゴは答えた。
「全部?」
リンゴは頷いた。あの部屋はシェルタなので、入口の大きさが固定されている。なので、私の部屋と同じように、細かく分解して、内部で組み立て直さなくてはいけない。それは、工作の難易度を大きく上げるのではないだろうか。
ナツさんは、端末を操作して、モニタをチェックしている。モニタの一つは、ベルさんが映っている。
もう敵はいなくなりましたか?とナツさんにきこうとして、寸前で留まった。私は、護衛の仕事をしているのだ。ナツさんは、メイドのはずなのに、私よりも様になっている。アニメや漫画に出てきそうなメイド服と、今の様子にはギャップがある。
「シェルタやこの部屋にある小物などをスキャンして、売れば継続的な収入になると思います」私は、リンゴに言った。
「ふーん。そうかもね。私、お金に困ったことがないから」リンゴは、自慢ではなく、事実を言った。「それに、お金なんて、別の事で稼げばいいし、わざわざ趣味をお金に変えなくてもいいと思うけど」
「趣味で儲けたいと考える人が大多数だと思います」
「大多数はバカなんじゃない?たぶん、どの時代もそうなんだと思う」リンゴは椅子を回転させて、私を見た。
「それは、そうかもしれないですね。でも、内装が完成した後に、それを公開するだけでいいなら、手間も掛からないですし、得になりませんか?」
「んーーと。まず、完成なんて、絶対にしない。それに、仕事になると、どうしても他人を意識しないといけないから、楽しさが減るんじゃない」
「スキャンするだけなので、楽しさは変わらないんじゃないですか?」
「例えば、愛犬の為に犬小屋を作るのは、楽しいと思う。でも、その犬小屋を量産して、販売するとなると、他の犬種も使える様にデザインしなくちゃいけない。もし、そんな事を一切考えずに、作り終えた後で、量産する様になったとしても、その後の作るものに、影響を与えるかもしれない。そしたら、楽しくてやっていたのに、いつの間にか労働に代わっている可能性がある」
「でも、他の楽しくない労働をするよりもマシなんじゃないですか?」
「それは違うと思うな。楽しいことは、なによりも優先すべき大切な事で、仕事とか人間関係とか、そんな些細なことは、なんだっていいと思う」
「羨ましい生き方だと思います」私は素直に言った。彼女の考え方に関心した。私も、そんな風に生きられたら良かったのに。
なにが私を縛っているのだろう?
それは、勿論、私自身だ。
でも、もう、変えられないのだろう。
変わるつもりもないのだろう。
「地下室には、よく行くのですか?」私は話を変えた。
「全然。ここの方が落ち着くし」
「これまでに、こんなことがありましたか?」
「こんなことって?」
「シェルタに避難しなければならない状況です」
「んーん。初めて」
「キンギョさんが、命を狙われているのに心当たりはありませんか?」
「質問ばっかり」リンゴが目を細めて、溜息をついた。
「いけませんか?」
「いや。いいよ」リンゴは少しだけ笑った。「詳しくは知らない。私は、お父様の事を殆ど知らないから。仕事関係については、全く知らない。たぶん、ネオンよりも」
「交友関係などで心当たりはありませんか?」
「さぁ、お父様が誰かと会う時は、別の家で会うから。私は、ここの人たち以外に、リアルで人と会ったことが一度位しかない。山を下りたのも、その時だけだし」
「えっ?ホントですか?」
「うん。人とはヴァーチャルで会うものだと思ってたから」
「それは、禁止されていたのですか?」
「別に、そういうわけじゃないけど、でも、お父様は積極的に外に出そうとはしなかったし、私も同じ考えだから」
この件が終わったら、外に出たいですか?という質問がしたかったが、思い留まった。
「キンギョさんとはどんな風に過ごしていましたか?」私は別の質問をした。
「普通だと思うけど、私、他の人がどんな親子関係なのか知らないから」
それが目的で、リンゴを外に出さなかったのだろうか?昨夜見た記事を思い出した。
「今は、別々の屋敷に住んでいる様ですが、それはいつからですか?」
「もうずっと。昔は同じ屋敷に住んでいたけど、部屋は別々だったし、私は呼ばれた時にだけ会うことが出来たから」
「今も、会いたいですか?」
「勿論」
リンゴの顔に陰りなどは一切なかった。本当に会いたいのだろうか?そう、言うように教えられているのだろうか?
「次は、私が質問する番ね」リンゴは、悪戯っぽく笑った。「この仕事は長いの?歳はあんまり変わらないみたいだけど」
「ええ、それは……」言葉に詰まった。本当の事を話していいのだろうか。ベルさんがいれば、答えられないとか言いそうだ。歳が近いのは、昨日、話したのだ。
「ああ。大丈夫。ネオンの雇い主は、私じゃなくてお父様だし。それに、今更、他の人が来ても嫌だから」リンゴは、見透かした様に、笑顔を作った。
こういう時は、本当の事を言って、相手の信用を得る方が後々、得になる。それは、前職から学んだことだ。
「そうですね。護衛の仕事はこれが初めてです」
「ふーん。前は、なにをしてたの?」
「詳しくは言えませんが、捜査に近い事ですね」
「それを、ベルとやってたの?」
「いえ、それは、ベルさんとは、関係がありません。ベルさんに会う前です」
「ベルと会って間もないの?」
「二カ月も経ってないです」
「なんで、経験もないのに、この仕事に抜擢されたの?ベルから指名があったの?」
「いえ。これも詳しくは言えませんが、捜索の仕事でベルさんと一緒に働くことがありました。そのまま、成り行きですね」
「えっ?」リンゴが一瞬驚いて、目を輝かせた。「それって、同じ仕事をして意気投合したってこと?つまり、そういう関係?」
「違います」私はすぐに断った。「……。そうですね。私も詳しくは知りませんが、多分、ベルさんは、あまり多くの人と関わろうとしていないのだと思います。捜索の仕事は、ベルさんが、仕方がなく私に依頼しましたが、かなりの妥協案だったはずです。なので、また、リスクを冒さない為にも、私に依頼したのだと思います」
これは、半分嘘だ。本当は、ベルさんが所属している名前のない組織に私も所属する羽目になった。そして、軟禁に近い拘束を受け、この仕事も半強制的だ。でも、組織の事を口にすることは出来ないので、こんな説明になった。
前回のシンジュさんの事件では、ベルさんたちは、私の捜査能力が必要だったし、私も、目的の為に、この組織に近づく必要があった。それに、リンゴをもっと誤解させてしまう事になるが、今は、殆ど同じ家で暮らしている。ドアを一枚隔てているだけだ。今の時代、一緒に暮らすとは、つまり、そういう事と認識されている。性別も、なんの言い訳にもならないだろう。
「それじゃ、夜の間、私を見張っていたぶっきらぼうなあの人は、誰なの?」
「ラムネさんですか。それも、詳しくは言えませんが、実力は確かなはずですし、頭も切れます」
「そうじゃなくて、あの人とベルは長いの?」
「そうですね。それなりに長いとは思います。あの二人の関係は、詳しくは知りません。ラムネさんは静かな人なので」
これは、嘘ではない。ラムネさんに関しては、なにも知らない。ベルさんは、上司みたいな人と言っていたが、普段は、ベルさんに仕事を与えたりはしていない。ラムネさんは、私たちの組織の上層部とも関りがある人物らしいが、彼女からは一切の情報を得られない。
「ラムネは、ベルに見込まれて、仕事をしているの?」
「いえ、どうなのでしょう?詳しくはわかりません」
ベルさんは、エンプティのパイロットとして有名だ。今の環境なら、ダイヴし放題だから、上達も速いだろう。でも、パイロットとしての腕があったから、組織に所属したのか、それとも、既に、所属していたから、上達出来たのか。この辺は、きいた事がない。私は、ベルさんの素性も殆ど知らない。
ベルさんの本名は、既に死亡扱いになっていると言っていた。つまり、社会的には死んだ事になっている。私の場合は、組織に所属した時点で、失踪扱いとなっている。でも、私を探している人は誰もいない。それだから、組織に所属出来たのだろう。どう考えても、真っ当な組織じゃない。
「仕事以外だと、なにをしてるの?」リンゴは言った。
「お嬢様」ナツさんが、リンゴの質問を遮った。「ベル様が戻られました」ナツさんは、振り返って言った。
モニタを見ると、この家のすぐ前に、ベルさんが映っていた。
「すみません」私はリンゴに謝罪した。
「なにが?」
「ベルさんが戻ってきたので、仕事をしなくてはいけません」
リンゴは、吹き出して笑った。
「ああ、そう」
ベルさんが屋敷に入って来たので、私は部屋の外に出て待っていた。
「お疲れ様です」私は、ベルさんに言った。
「いや、仕事だから」一瞬だけ私を見て、ベルさんは答えた。
どういう事だろう?
疲れるのが仕事だ、という事だろうか?
ベルさんと部屋に入ると、リンゴとナツさんが、ベルさんを見ていた。
「間合いを詰めるのが速かったけど、あんなに速く動けるものなの?」リンゴがベルさんに言った。
「練習すれば誰でも出来るよ。山の中なら、エンプティの最高速度は出せないけど」ベルさんは、モニタをチェックしていった。
「ふーん。敵より二倍は速かったけど」
「敵が奇襲に驚いていたから。ここは、守るにはいい条件だと思う。昔の殿様も山の中に城を構えてたらしいから」
「その頃とは、条件が違うと思うけど」
「うん。まぁ、そうかな」ベルさんは、モニタを見ながら言った。「もう、敵の侵入はないみたいだけど、避難要請は消えないね」
「敵が他に紛れていないか、後は、排除した機体の回収などが終わるまでは、消えないとのことです」ナツさんが端末を操作しながら言った。
「ああ、そうなんだ」
「少し楽しそうですね」私はベルさんに直接言った。
「えっ?」ベルさんは、驚いてこっちを見た。「なんで?」
「いえ、よく喋るな、と」
「仕事だから」ベルさんは、自分の髪に触れながら言った。
「そうですか」
モニタでは、双方の機体の回収が行われている。敵は、山の麓から、車道を一直線に進んでいるので、回収はスムーズに進みそうだ。ベルさんが倒したエンプティも、既に回収されている。
「二カ所から攻めてきましたけど、敵には、キンギョさんの居場所がわかっているのでしょうか?」私は、思いついたことを言った。
私も調べたが、マツリノ・キンギョの居場所は、全く手掛かりが掴めなかった。山を所有している事は知られているが、屋敷の特定するのは、敵も難しいのではないだろうか?
「まだ、完全に特定されたとは言い切れない」ベルさんが言った。「ある程度の目星をつけて、こっちの出方を見たのかもしれない。例えば、今回は、山の奥になる程、強力な武器を備えていたわけだから、その奥にいるだろうと、予測を付けるんじゃないかな」
「それって、もう、殆ど絞られていませんか?」
「かもしれないね。でも、僕が排除したエンプティは、的外れだったから、いいカモフラージュになったかもしれないね」
「ああ、そういえば、そうですね」私は、素直に認めた。
「あのお二人は、なにか言っていませんでしたか?」ナツさんが、ベルさんを見つめていた。
「なにかって?」ベルさんは答えた。
「なんでもいいです。例えば、お互いのコードネームや、もしくは、他の誰かと通信していたとか」
「そんなことは、言ってませんでした。相手もプロですから」
「どうして、プロだと?」ナツさんは、首を傾げて、冷たく微笑んだ。まるで、追いつめているみたいに。
「いえ、失言でした。こんな仕事をしているから、プロだと思い込んでいました。そうですね。でも、相手の動きは、良かったので、優秀なパイロットには違いありません」
「相手がプロではない可能性もあるのですか?」私は、口を挟んだ。後で叱られるかもしれない。
「いや、考えられないよ」ベルさんが答えた。「仮に暗殺が成功したとしても、その後、トラブルになる可能性もある。今時暗殺なんて、プロ以外には雇わないだろう」
私は、ナツさんを見た。
「はい。今、ベル様が仰った通りだと思います」ナツさんは、ニッコリと笑った。だったら、なぜ、さっきは文句を言ったのだろう?
「ナツさんはここで働いて長いのですか?」私はきいた。「ずいぶんと警備の事にも詳しいですけど」
警備システムのカメラや、警備状況まで知っているのは、メイドにしては、知りすぎている。不要な知識だろう。
「ここに来てからは、二カ月程になります」ナツさんは、ニッコリと笑顔を見せた。
「正確には?」
「この屋敷で働き始めてから、本日で六十二日になります」
私は、リンゴを見た。特に、異論はないようだ。思っていたよりも、ずっと短かった。ケンゾウさんの様に、ずっと一緒にいるものだと思っていたからだ。
「警備について詳しいのは、どうしてですか?」私はきいた。
「必要になると思いましたので調べました」
「それは、こうなる事がわかっていたという事ですか?」
「こうなるとは?」
「キンギョさんが暗殺されるという事です」
「いえ、その時点では、確証はありませんでした。ただ、備えていただけです」
「………そうですか」私は頷いた。
六十日二日前。
それは私が、ベルさんと会うよりも少し前だ。
「ここに来る前も、同じ仕事をしていたのですか?」私はきいた。
「それは言えません」
「ここで働く事になった、きっかけはなんですか?」
「それは……秘密です」ナツさんは微笑んだ。
「備えていたと言っても、特にする事はないんじゃないですか?ここのシステムに任せるだけですから」
「はい。見ての通り、私は戦う事が出来ません。それを危惧して、お二人にお嬢様の護衛の依頼があったのでしょう」
見ての通りとは、エンプティではなく、生身の人間だという事だろう。確かに、生身の人間では、格闘技を極めていたとしても、エンプティにはかなわない。今の私にも太刀打ちできないだろう。
「そういえば、ナツさんは、キンギョさんの居場所を特定していました。キンギョさんは、驚いていたようなので、居場所を教えていたわけではなさそうです。あれは、どうやったのですか?」
「警備システムにアクセスできますので、カメラ映像を確認しました」
「カメラに映っていたのですね」
「いいえ。映ってはおりません。マツリノ様もそのように意識しておられるのでしょう。ただ、人の出入りを見ていれば、予測がつきます。それに、私は、シェルタを完備している屋敷も把握しておりますので」
少しだけ、関心した。私もよく同じような手を使う。同業者に近いのだろうか。
「それじゃ、敵もそうやって位置を特定した可能性がありますね」
「いいえ。この方法は、監視システムにアクセス出来るのが、条件になります。なので、相手が同じ方法で見つける事は不可能かと思います」
「そうですね」それも、そうだ。私も見つけられなかったのだから。
「ナツさんを雇ったのは、キンギョさんですか?」私はきいた。
「いいえ。私を雇ったのは、お嬢様です」




