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二人のトワイライト  作者: ニシロ ハチ
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プロローグ

登場人物


マツリノ・キンギョ   大富豪

マツリノ・リンゴ    キンギョの娘

ケンゾウ        執事

ナツ          メイド

カイ          キンギョの護衛

ポパイ         リンゴの護衛

ブラウン・シュガー   世界ランク第十一位

ベイビィ・ブルー    世界ランク第一位

ピンク・スパイダ    エンプティパイロット

アミダ         エンプティパイロット


ホワイト・ベル     世界ランク第七位

ネイビィ・ネオン    ベルの同居人 元探偵の助手

ラムネ         ベルの同居人





プロローグ




「今回の依頼は、要人警護になる」ラムネは事務的に言った。

「警護ってなにからですか?」ネオンは質問した。

「依頼人はマツリノ・キンギョ」ラムネは、ネオンの質問を無視して続ける。「私たちの警護対象は、その娘であるマツリノ・リンゴ。マツリノ・キンギョに暗殺の噂があり、その娘であるリンゴへの護衛を厚くするのが目的。エンプティは、向こうが用意しているので、そこにダイヴする事になる。これを踏まえて質問は?」ラムネは、ネオンを一瞬だけ睨んだ。


「娘であるリンゴさんにも、危険が及ぶかもしれないって事ですよね?」ネオンは言った。

「確認が必要になる程度にしか伝わらなかったのなら、私の言い方が間違っていたかもしれない。どこを訂正すれば良かった?」ラムネは、事務的な口調のまま言った。

「いえ、どうして警護が必要なのか、気になっただけです」ネオンは、ゆっくりと発音した。


 ネオンの頭の中で、警戒アラームが鳴っているのだろう。でも、ラムネは、怒っているわけじゃない。これが、ラムネのデフォルトだ。ユーモアの一種だろう。親しい間柄でも勘違いしてしまう程、紙一重で危ういジョークだ。言葉と口調と声量と表情以外の、なにかを受信しないと、それを読み取る事は出来ない。その習得には、ダイヤモンドを煮込んで、蟹に負けない出汁を取る程の時間が必要だ。


「護衛のエンプティの数は?」僕は質問した。

「二体」ラムネは、僕を見る。「その為、二体のエンプティに交代しながらダイヴする必要がある。ベルとネオンは対象が眠るまで、残りの時間を、私一人で警護に当たる」

「待って。何で、そんな不規則な分け方になるの?時間で区切ればいいと思うけど」僕は言った。

「対象が動き回る時は、二人以上いた方が、仕事がしやすい。一人だと対象の傍から離れられなくなるから、対処が遅れる。対象が睡眠中なら、傍にいるだけでも問題ない。対象の睡眠時間が不規則な為、時間で分ける事が出来ない。ただ、対象が眠りについてから、最低でも十時間は、二人の休息時間に当てる。人の配置に関しては、戦力を考慮した結果」ラムネは、相変わらず事務的に話す。

「対象の年齢って幾つだっけ?」

「十五歳」

「子どもの相手をしたくないだけじゃないの?」

「仕事に私情は挟まない」

「あっそ。…子どもの相手は嫌だな」僕は呟いた。

「子どもって言っても、私と五歳しか違いませんよ。ベルさんとも、殆ど変わらないんじゃないですか?」ネオンがこっちを見た。

「精神年齢が違う」僕は返す。

「マツリノ・キンギョって大富豪で、百歳を超えるお爺さんですよね。そんなに若い子どもがいるなんて、知りませんでした」ネオンの瞳が上を向いた。

「まぁ、ちょっと、複雑なんだ。スキャンダルも多い人だし」僕は、ネオンから視線を外す。ラムネが、僕を睨んでいた。

「どういう事ですか?」ネオンは、首を傾げる。

「まぁ、今度話すよ。訳ありなんだ」こういう事を、スラスラと話せるくらいには、大人になったのだろう。

「どうして、そんな子どもに暗殺の噂があるんですか?」ネオンはきいた。

「リンゴに暗殺の噂は流れていない。暗殺の対象となっているのは、マツリノ・キンギョの方」ラムネが答えた。意味のある質問だと思ったのだろう。

「自分に暗殺の噂が流れているのに、どうして、娘の護衛を依頼したんですか?」

「自分に対しては、既に護衛を付けているんだ」僕は答えた。「身の危険を感じる事なんて、これまでにもあっただろうしね。今回は、子どもにも被害が及ぶかもしれないから、そっちを厚くしたんだろう」

「私たちは、本命じゃないんですね。ガックシです」ネオンは眉を寄せた。

「僕たちの本職が要人警護じゃないからね」

「でも、ベルさんを雇うなんて、やっぱりお金持ちですね」

「そりゃね」

「今回の報酬はどうなっているんですか?」

「前金での報酬があり」ラムネは言った。「一日単位での報酬もある。プラスで、約束の期日まで対象を守る事が出来たら、更に追加の報酬がある」

「約束の期日っていつまでですか?」

 ネオンの問いに、ラムネは、一瞬だけ間を置いた。

「マツリノ・キンギョが死ぬまで」


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