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ピュグマリオーン、あるいはナルキッソス

あるところに一人の彫刻家がいた。長い時をかけ研鑽を積んだ彼の技術は、誰もが認めるほどに優れていた。また当の彫刻家も自身の腕に誇りを持っていた。

だが驚くべきことに、彼は一度も作品を完成させたことがなかった。どの作品にも真剣に向き合い、持てる技術と情熱を注ぎこんでいたにも関わらず、一度も納得する作品を生み出すことができなかったからだ。彫刻家はそのことに苦しんでいた。


丁度その日も、完成間近の彫像を前に彫刻家は絶望していた。何カ月も時間を費やしたにも関わらず、この作品が自身を納得させる出来にはならないと確信したからだ。

彫刻家はハンマーを抱えてくる。大きく振りかぶって、彫像の顔面に向かって振り下ろした。直後粉々に砕け散る運命のその顔は、苦悩に満ちた彫刻家の顔に瓜二つだった。

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