ポップにはじけろ!
会話文オンリーです。
「ポップコーンって怖いよな……」
「急にどうした?」
「アイツら、調理中だけにとどまらず、袋開けたときもはじけとぶんだぜ……」
「なんだ、開けるの失敗したのか? 俺もポテチでよくやるわ」
「くっ……!」
「今度こそどうした? なんで急に泣き出した?」
「ガキの頃、映画館でポップコーンばらまいたの思い出しちまった……」
「どんだけ楽しみだったんだよ。わかるけどさぁ」
「マジであの時のポップコーン達には申し訳ないことしたと思ってる……。怒った顔した従業員に睨まれながら、掃除機で吸われてった奴らのことが忘れられねぇ。ポップコーンがなにしたって言うんだ!」
「そうだね。やらかしたのはお前だもんね」
「今でも時々夢に出てくるんだ……」
「従業員さんが? そんなにトラウマなのか?」
「埃にまみれたポップコーン達が俺を囲んで、怨嗟の言葉をぶつけてくるんだよ……」
「そっちかぁ」
「オレは一生、この罪を背負って生きていくんだ……」
「そこまで深刻に考えなくても……」
「決めたぜ。オレはこれから毎日、三食ポップコーンを食べて生きていく」
「いや、そうはならんやろ」
「もちろんダチのオマエも一蓮托生だぜ!」
「どんだけ付き合わせるつもりだよ! フツーにお断りだわ!」
「毎日ポップコーンじゃ飽きちまうって? 心配すんな。ポップコーンにも色んな味があるんだ。定番の塩味にキャラメル味、最近じゃあバター醤油味なんかもあるぜ! 日本食好きだもんなオマエ!」
「そういう問題じゃないよ! お前ただポップコーンのこと語りたいだけだろ!」
「……確かに、バター醤油は日本食かどうか怪しいな」
「そうじゃなくてさぁ!」
「じゃあどうやって罪を償えばいいんだっ!」
「だからぁ、重く捉えすぎなんだって。ポップコーンも言ってるぜ『もっとポップな人生送ってくれよ! そうすりゃオレ達も救われるぜ!』って」
「……マジで?」
「マジよマジ」
「え、なんでそんなことわかって……」
「なんでって。そりゃあてきと……ビビッときたからだよ。ポップコーンの思念を感じたわけ」
「ポップコーン達の想いを代弁してくれたのか?」
「……そうだよ」
「え、まさか……オマエひょっとして、ポップコーンの妖精さんなのか?」
「はじけるってそういう意味じゃねぇんだよなぁ!」




