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夢のある話
三人の少年が話をしていた。
「タイムマシンがあったら、お前らなにする?」
田中が他の二人にたずねた。
二人はしばらく考えこみ、先に答えたのは佐藤だった。
「オレは、昔あったイヤなこととか失敗を全部なかったことにしに行くかなぁ」
「お前昔からドジっ子だもんな」
田中がにやりと笑うと、佐藤は「うっせぇ」と眉をつり上げた。二人のやりとりを見ていた鈴木は、間をぬって、おもむろに口を開いた。
「俺は未来の自分を見に行く」
「どうして?」
田中は興味津々でたずねた。
「未来の自分が成功してたら今まで通り、ダメなヤツになってたら未来を変えられるように努力する」
「お前って本当真面目だよなぁ」
真剣な表情で答える鈴木に、佐藤は感心したようだ。
「佐藤も見習ったらどう?」
「だからうっせぇってば! そういう田中はどうするんだよ?」
またも自分をいじってきた田中に、佐藤は苛立ち混じりに問いかける。
「自分だけ答えないなんてなしだぞ」
鈴木も佐藤を援護した。
田中は二人分の視線を受けて「仕方ないなぁ」と肩をすくめる。そしてにっこりと満面の笑みを浮かべた。
「タイムマシンの開発者のところに行って、特許が申請される前に設計図を盗み出す」
田中の返答を聞いて呆れ返った佐藤と鈴木は、揃って深いため息をついた。なんてロマンのない答えだ。




