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地球儀

作者: 悪し脚

私は地球儀をいつまでも見廻すのが好きでした。

大洋を指さして斜めにクルクルと廻す。

その瞬間、太平洋の真ん中で穴ができて、何億の人々が目が回って混乱している姿を想うと可笑しくてくすくす笑ってしまいます。


私は人一倍危険意識が強くて、外を歩く時さえ警戒のあまり気がすぐ疲弊してしまいます。

だから、安全な自分の部屋で地球の人々の住居や活動環境を支配している気分になれて、特別な支配感が湧き上がって顔が火照るのです。


今日もクルクル廻します。

太平洋の真ん中に穴ができて、何億の人々の目が回っています。

大陸もあちこち亀裂が生まれて、みんなが危険意識を持ち始めます。


私はそれを幸福だと思います。




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