第2話 2人はいつでも
ここは私立白百合学園。
市内屈指の名門校で数々の著名人を輩出してきた。
そんな白百合学園の高等部に通う少女が2人居た。
「待って〜!桃寧ちゃーん!」
「校内は走らないでください!」
「桃寧ちゃんも走ってるでしょ!」
校内で鬼ごっこしている2人こそ、桃寧と真弥だった。
真弥は百合のことを隠そうとせず、桃寧に日々付きまとっているが、普段の桃寧は文武両道に堂々たる立ち振る舞い。オマケに顔よし、スタイルよしの完璧淑女だった。
だから絶対に桃寧は百合であることを知られたくないのだ。
「つかまえた!」
真弥は桃寧をガシッとホールドした。
「な?!やめて!」
グギギと桃寧は抵抗するも真弥はビクともしない。
「この柔い肌·······たまらん···」
桃寧の白くもちっとした柔肌に感服しながら身をスリスリと寄せる。
周りの男子はその········何と言うか桃寧と真弥のやり取りに見入っていた。
それはそうであろう、2人とも細く小柄なものの出るべき所は出て、引っ込むべき所は引っ込んでいるからだ。
その高校生とは思えぬ身体が思春期真っ盛りの男子にはたまらなかったのであった。
「真弥離して〜!」
「いーやー!ずっとこうするー!」
だが非情にも休み時間終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
2人とも別々のクラスなので離れなければならない。
「昼休みまた来るからねー!」
真弥は根は真面目なので手を振りビュンと行ってしまった。
クラスに戻った桃寧は授業を受ける体制へと準備した。
でも脳内は··········
(可愛すぎー!真弥ちゃん可愛い·······あんなにくっつかれたら発情しちゃう········)
「ふふふ······ふふ·····」
「桃寧さん何か笑ってるぞ·······」
「何でだろうな·······」
周りにいた人たちはその笑いの真意を知る由もなくただ、疑問に思うのだ。
しかし·····クラスの人々はその疑問が吹っ飛ぶほど桃寧に見入っている。
(桃寧さん······私は貴方にお慕い申しております···)
そして1人桃寧を溺愛する人物がいた。
真弥ではなく···········
田村樹里。このクラスの学級委員長でありとても真面目な性格。
普段はクールで人を寄せつけない性格だが、心の中では桃寧を崇拝している。
(桃寧さん今日も可愛い········あ、こっち振り向いた
あれ?だんだん近づいて······)
「田村さん少しいいかしら?」
「何でしょう?櫻井さん」
樹里は平静を装い普段の雰囲気で問う。
すると、桃寧は樹里を手招きして空き教室へと呼び出した。
「貴方、私の方見てるよね?」
桃寧は樹里の視線を前々から感じ取っていたのだ。
そのことを確かめるために呼んだのであった。
「さ、さぁ?なんのことかしらね········」
樹里は悟られまいと話した。
「いいのよ·······本心で話して··」
すると、桃寧は耳に口を寄せふーっと息を吐いた。
「ひゃうっ?!」
「あらあら、可愛い声ですこと」
「っ〜〜!!」
そして、とうとう樹里は我慢できず。
「桃寧様!私は貴方のことを敬愛しております!」
いきなり土下座した。
その事に桃寧もびっくりして、言葉を失った。
「桃寧様と真弥さんが百合してるのをいつも拝見しております!そして、頭の中で妄想をくりひろげ絵を描いています!」
すると、樹里はバッグから1冊のスケッチブックを取り出した。
それを桃寧は受け取る。
1枚1枚めくっていくと·······
「こ、これは··········随分と過激な」
(あ、でもだいたいあってる·······)
そこには桃寧と真弥がベットであんなことや、路地裏・体育館裏であんなことをしている絵が描かれていた。
「と、とりあえず。これ貰ってもいいかしら?」
「も、も、もちろんです!」
「ありがとう······これで用はすん······だ」
桃寧が出ようとすると、ドアのところに真弥が立っていた。
「う、ううううう·········」
「真弥ちゃん!違うの!」
咄嗟のことにいつもの呼び名になってしまう。
「浮気者ー!!」
そう言って真弥は飛び出した。
◇◇◇◇◇
あの後一日中学校で口を聞いてくれなかった。
そして、家に帰ってからも·········
「桃寧ちゃんが浮気した〜」
ベットで枕を抱えながらぐずっていた。
「真弥ちゃん、これは違くてね······」
「うるしゃい!ほんとに私を愛してるの!?」
恋愛ドラマみたいなセリフを言いながら怒る。
しかし、童顔な真弥は怒ってもそこまで怖くはない。むしろ愛らしいまである。
「そ、そんなに言わないでよぉ!」
「証拠を見せて!私を愛してる証拠!」
枕をボスボス叩きながら証拠を見せろと言ってくる。
「わかった·······」
そういうとジリジリ桃寧は真弥に迫り·····
「ん·········?!」
キスした。それも長く。
「ん〜〜〜!!」
真弥は目を瞑り、されるがままになる。
「真弥ちゃん·····」
「はぁはぁ·····桃寧ちゃんちょっと待って···」
「嫌だ、待たない·······」
桃寧は真弥の首筋を舐める。
「んんっ····!」
ピクっピクっと真弥は体を揺らす。
部屋にはキスするたびに絡む舌の音だけが響く。
「や········」
真弥は身をよじらせる。
その姿はすごくあれだった。一応パジャマを着ているものの、ボタンは複数外れ乱れていた。
すると真弥はおもむろに手を伸ばし。
「·········っ!!」
桃寧の右胸を揉み始めた。
「やっぱり柔らかいなぁ·····」
すると、今度は真弥が上に覆いかぶさり、両手であれやこれや始める。
「ちょっ········んんっ·····」
桃寧の体は触れられる度にビクッと揺れる。
ついには、パジャマの下を探り出し········
「ちよっ!そこは·········んんっ!」
「ほれほれ〜いいんじゃろ?」
その柔らかく気持ちの良い弾力に真弥は病みつきになっていた。
「んんっ·········ふぁっ?!」
真弥が突然強く揉み始め桃寧は驚く。
「ひやっ·······あ·······んん···」
真弥は体を桃寧に密着させる。
「ごめん·····もう疲れちゃった······」
桃寧はヘナヘナ〜と体の力が抜ける。
「今日······激しすぎ·······」
「いいじゃんたまには·······」
2人とも体の力が抜けベットに寝っ転がった。
「大好きだよ·····真弥ちゃん」
「私も······桃寧ちゃん」
その日は手を繋いで一緒に寝たのであった。
あのころ隣の部屋では·····
「んっ·····真弥ちゃん····んん」
(喘ぎ声がうるせぇよ!)
シャーペンを持つ手が震え、怒りをこらえる15歳櫻井郁磨がいた。
この頃ワクチン接種の副作用で寝込んでました