第13話 夏ときどき水着
夏休みも始まって1週間が過ぎた。
無事真弥も補習の再テストをクリアしやっと夏休みが始まった感じだ。
外は夏らしい陽気で今日も35度を超える猛暑日の予報が出ている。
そんな中2人はショッピングモールへ来ていた。
「あ、暑かったー」
「日焼け止めは必須だねー」
電車とバスに揺られ少し離れたところにあるショッピングモールへ来ていた2人は、外の暑さにやられていた。
「桃寧ちゃん、今日の服も可愛いね」
真弥は冷房の冷気を体で受け止めながら桃寧の全身を舐めまわすように見る。
今日の桃寧の服装は白いワンピースに麦わら帽子と、何ともひまわり畑に似合いそうな服装だった。
「やっぱ桃寧ちゃんは白だね!」
真弥はうんうんと1人で頷いている。
「真弥ちゃんこそ今日の服可愛いよ!」
お互いの服装を褒めあっていてはキリがないので真弥は「ありがと!」とだけ言って足早に目当てのお店へと向かう。
2人が向かったのは夏季限定の水着ショップだった。
店内にはカラフルで様々なタイプの水着が奥までびっしりと並べられていて人も多く賑わっていた。
ところで何故水着を見に来ているのかと言うと
「桃寧ちゃん!海行こ!海!」
「う、海は怖いから嫌だよー」
桃寧は足がつかないのが怖いらしい。
「じゃあプール行こ!プールなら足も着くだろうし」
「あ、ちょっと待って念の為水着見てくる」
桃寧は去年の水着を探しに行った。
(水着なんて去年ので大丈夫だと思うんだけどなぁ)
真弥は先程置かれたジュースを飲みながら桃寧を待つ。
「ま、真弥ちゃん······やっぱりキツかった····」
ドアからそーっと出てきたのは水着姿の桃寧だった。
「?!」
その水着は明らかに桃寧の胸を包むのには小さすぎた。
去年までは恐らく普通の水着だったのが今ではマイクロビキニかと思うくらい1年で桃寧のモノが成長してしまっている。
「も、桃寧ちゃん。さすがにそれはあれだから明日一緒に買いに行こうか」
「ありがとう、真弥ちゃん」
桃寧は顔を真っ赤にしながら頷いた。
その後可愛すぎたので真弥が襲ったのはまた別の話。
そんなこんなで2人は水着ショップに来ているわけだ。
「桃寧ちゃんにはこれが似合うと思う!」
真弥はカゴいっぱいに水着を抱えやってきた。
「じゃあ1着ずつ着てくから審査してね」
桃寧はルンルンで試着室へ入っていった。
「どう?真弥ちゃん」
シャッとカーテンを開け1着目の水着姿を真弥は見る。
1着目に選んだのは淡い水色でフリルが沢山着いている今シーズンのトレンドだった。
「可愛い·······」
真弥は天を仰いだ。
「じゃあ2着目いくね」
桃寧は嬉しそうに2着目にはいる。
「これならどうよ?」
2着目に選んだのはスポーツ系の黒ビキニだった。
「スポーツタイプも似合う······!」
続いて3着目は胸の部分が貝殻のようになっている白ビキニである。
「っ〜〜!!」
真弥はあまりの可愛さに無言の悲鳴をあげる。
「真弥ちゃん、私これ気に入った!」
「私もそれ大好き、買おう」
こうして3着目の水着を買うことにし、ファッションショーは終わったのであった。
水着ショップを出て2人は雑貨屋さんに行くことにした。
「桃寧ちゃん見て見てー」
真弥の呼びかけに振り返ると
「········っ!」
「似合うでしょ」
両端が尖っている黒いサングラスをかけた真弥がそこにはいた。
ヤクザになりきれないヤクザのよう。
真弥の顔は目は見えないもののドヤっていた。
「·········」
桃寧は声を殺して笑っていた。
「き、急に笑わせないでよ····」
「えー、かっこいいと思ったのになぁ」
他にも見て回っているといつの間にか日が傾いて夕方になっていた。
「あー、楽しかったー」
両手に荷物を抱え重そうにしている。
「真弥ちゃん私も持つよ」
桃寧は右手の荷物を真弥から預かる。
「別にいいのに、私の方が力あるしさ」
「でも、片手空いてないと手が繋げないから·····」
桃寧はもじもじしながら呟く。
真弥はそれを見て微笑み桃寧の手を取る。
「大好きだよ桃寧ちゃん」
そっとキスをする。
唇を離すと2人は見合って笑いだした。
そして、
「続きはおうちでしよ····」
桃寧の言葉に真弥は心の底からキュンとしたのであった。
新年最初の更新ですね!
とは言っても3ヶ月過ぎちゃいましたが
ほんと時の流れは早い