表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼なじみ2人は百合すぎる  作者: 天音ココア
12/14

第12話 夏休みの始まり

世間は一般的に言う夏休みに突入した。

社会人はそんなのは関係なしに通勤し、学生はその長期休みで青春を謳歌していた。

そんな中、ある2人の幼なじみはと言うと

「わかんないよー!!」

真弥はシャーペンを机に放り投げ背もたれにもたれかかった。

「真弥ちゃん、まだ始まったばっかだよ」

隣の席から桃寧は真弥をたしなめる。

何故夏休み初日から学校に来ているのかは夏休みが始まる少し前に話が戻る。

「桃寧ちゃん····どうしよう·····」

昼休み。真弥が暗いオーラをまといながら桃寧の教室へやってきた。

「ど、どうしたの真弥さん····?」

桃寧が尋ねると無言でバッグから数枚の紙を取り出した。

「これ、中間テストの結果?」

真弥は静かに頷く。

桃寧は若干嫌な予感がしながら恐る恐る1枚ずつ見てみる。

『現代の国語 84点』『英語コミュニケーション 78点』『言語文化 80点』『歴史 75点』

(あれ?結構いい感じ······)

桃寧は真弥の様子から伺うに酷い点数だとばかり思っていたが意外にも非常に良い点数だった。

ここまでは。

『数学IA 37点』『物理 25点』『化学 14点』

『生物 18点』『情報 21点』

と、理系科目が散々であった。

一応ここ、白百合学園は市内屈指の進学校。

そのため周りのレベルは高く30後半であっても赤点になることが多い。

案の定、理系科目全てが赤点となってしまっていた。

「おーい、真弥はいるか?」

真弥を呼ぶ声の方へ振り返ると扉のところに数学教師の矢面正勝(やめまさかつ)が入ってきた。

「ま、正勝先生····どんな御用で?」

真弥がいやに上目遣いで尋ねる。

「あー、その今広げてるお前の悲惨な点数のせいでな夏休み補習だ」

「ん?」

「夏休み初日から1週間くらい学校へ来て追加課題と再テストを行ってもらう、安心しろ数学だけだ」

「何も安心できないよー!」

頭を抱えて叫び出す。

「夏休みは毎日桃寧ちゃんとイチャイチャできると思ったのに!何で補習がー?!」

「ち、ちょっ!真弥ちゃん、あまり大声でそんな事言わないで!」

そっと耳打ちする。

「まぁ、頑張れよ」

正勝先生は真弥の肩を叩き去ってしまった。

「ごめんね、桃寧ちゃん·······」

真弥は半泣きで頭を下げる。

「大丈夫、私もついててあげるからさ頑張ろ」

声を小さくして応援する。

すると真弥はガバッと抱きつき耳元で

「補習終わったら、シてくれる?」

「も、もちろん·····」

桃寧は顔を真っ赤にしながら頭を撫でて答える。

そんなこんなで初日から学校へ呼び出されたのであったが、

「真弥ちゃん、早くペンを持って〜」

既に1枚目の課題でつまづいていた。

「だって········全然わかんないんだもん·····」

「ちゃんとやんないと、お出かけなしにするよ?」

真弥は「うっ····」と痛い所をつかれたようでもう一度プリントに取り掛かる。

朝の9時から始まり、ようやくお昼になったところで半分を終えることが出来た。

「疲れたー!!お腹すいたー!」

真弥はぐーっと背伸びをする。

「じゃあお昼にしよっか」

2人は教室を出て別の棟にある食堂へと向かう。

向かう途中、真弥が体を寄せ手を繋いできた。

「こ、これくらいなら良いよね······?」

真弥は補習に集中するため1週間の禁欲生活を余儀なくされていた。

「ま、まぁ周りに誰もいないし·····いいよ」

桃寧もキュッと握り返す。

食堂でお昼ご飯を食べ、また補修を再開する。

真弥はご飯を食べたことで気力を回復し、超集中で机に向かっていた。

桃寧は邪魔にならないよう、静かに真弥を見つめていた。

(可愛い·······ずっと見て·····いた·····い)

「桃寧ちゃん、ここ分かんないんだけど····?」

何か静かだなと思っていたら、桃寧は真弥の机で静かに寝息を立てて寝ていた。

「········」

真弥はそっと頭を撫でてみる。

(サラサラだぁ、細くてやわらかい······)

勉強するのも忘れて、真弥は寝ている桃寧をじーっと見ていた。

「何か······私も眠くなってきた·····」

眠気が伝播し、真弥も目を閉じる。

「おーい、もうチャイム鳴ったぞー」

正勝先生が下校のチャイムが鳴ったことを真弥と桃寧に知らせに来た。

「プリントは終わったのか·······?」

正勝先生は2人の状況を把握し、全て解ききっていたプリントを回収して代わりにお菓子をそっと置いた。

「もう少し、寝かしといてやるか」

2人は夏の西日が差し込む中、手を繋ぎながら寝ていた。

そんな夏はまだ始まったばかり。

今月はモチベが有り余ってたので2回更新出来ました!

年内はこれが最後です!確か、今年からでしたねこのお話は。あ、嘘です2022年からでした^^;

これまで色んな人に見て貰えてとてもありがたいです!

2024年もどんどんギリギリを攻めながら更新してまいりたいと思います!

2023年ありがとうございましたー!by天音ココア


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ