第11話 夏も一緒に
「あづい·······」
真弥は暑さで目覚める。
冷房のつけっぱなしは良くないと夜中にエアコンを消されてしまったらしく部屋の中は蒸しっとしていた。
「桃音ちゃんの部屋行こ」
窓から伝い桃寧の部屋へ忍び込む。
桃寧はまだ寝ていた。
真弥はそっと桃寧の横へ寝転がる。
(桃寧ちゃんってホントに綺麗だな·······肌白いし、メイクなんていらないくらい······)
ほっぺをモチモチといじっていると桃寧はゆっくり目を開け·····
真弥にそっとキスする。
「·········!!」
そして桃寧は寝返りをうって2度寝をしてしまった。
真弥はそんな桃寧を起こすことができず遅刻スレスレとなってしまった。
「桃寧ちゃん、桃寧ちゃん」
「何?コソコソと」
「何かめっちゃ見られてる気がするんだけど」
周りを見ると複数の男子生徒が桃寧と真弥を見て悶絶して喚いている。
それもそのはず衣替えの季節になり二人は夏服となっていたのだ。
「多分私たちが夏服だからでしょ」
「あー、そういうことね」
「じゃあまた後でね」
二人は各々教室へ向かった。
桃寧が教室へ入ると教室中は無音の歓喜に溢れた。
(桃寧さんの夏服姿·······尊い······!!)
(直視できねぇ········!!)
桃寧は気づくことなく席に着いた。
一方真弥の方は。
「おっはよー!」
勢いよくドアを開けてクラスに挨拶する。
「おはよー、真弥」
柚がひょこっと出てきた。
「柚ちゃん、夏服可愛いねぇ」
「真弥こそ、クラスの男子は釘付けよ」
男子達はチラチラ真弥の方を見ていた。
女子というのはそういう視線には敏感なもので
「ちょっとー!何柚ちゃんのこと見てるのよー!」
真弥は自分が見られているのではなく、柚に視線が集まっていると勘違いしクラスの男子たちに喝を入れる。
「俺らが見てたのは真弥さんなのになぁ·······」
こうして各々夏が始まろうとしていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昼休み
桃寧と真弥は屋上に来ていた。
白百合学園では毎週水曜日と金曜日に屋上を開放している。
今日は金曜日なので屋上にはたくさんの生徒が集まっていた。
「桃寧ちゃん、そろそろだね·······」
「うん、いよいよだね·······」
「「夏休みだー!」」
2人は空に向かって叫んだ。
今日の空は夏らしい澄んだ青色に染まっていた。
「夏休み、どこ行く?プールとかお祭りとか?」
桃寧もウキウキを隠しきれずずっと顔が緩んでいる。
真弥はそれを見て思わず襲いたくなるがグッと我慢した。
「桃寧ちゃんの行きたいとこ全部行こうね」
「うん!」
桃寧の笑顔が太陽の光に負けないくらいに輝いている。
「ごめん、やっぱり我慢できないや」
「んッ?!」
真弥は桃寧の手を握りそっとキスする。
「ん······」
桃寧は体を預けされるがままになる。
真弥は桃寧の首筋に顔近づけ、跡をつけようとする。
「真弥ちゃん、そこじゃ目立っちゃう····」
「じゃあどこならいい?」
悪戯な笑みを浮かべる。
「服に、隠れるとこ·······」
妙なゾクゾク感に襲われた真弥はもっと桃寧をいじめたくなった。
「わかった·····」
そう言うも、真弥は桃寧の首筋をカプっと噛む。
「っ·····!真弥ちゃん······」
桃寧は目立つところに跡をつけられてしまい恥ずかしくなるがもうそんなことはどうでも良くなった。
「もう······好きにしてくだひゃい·····」
真弥の理性はプチッと音を立てて切れた。
「わ、わかった····」
真弥は桃寧のスカートの中をゴソゴソしだす。
「ふぇっ·······」
桃寧の柔らかな肌を真弥はツーっと指でなぞる。
桃寧は小刻みに体を震わせながら赤らめた顔を手で隠していた。
「ちゃんと見せて·····」
手を退けると、桃寧は目をギュッと瞑った。
それでもお構い無しに真弥は奥へ手をやり、
「ひゃ·····?!」
「桃寧ちゃん、ここ弱いんだぁ」
桃寧の弱い所を知った真弥は乗り気になってそこばかりを攻める。
「弱いからぁ·······やめて····」
小さな喘ぎ声を出しながら真弥に必死に抱きつく。
真弥はこれまでにない妙な感覚を覚え、もっと桃寧をいじめたくなった。
そこで、一旦手を止め指を桃寧の方に差し出し
「舐めて?·····」
桃寧は少し躊躇うも、真弥の指を咥える。
吸ったり、舌先を出して舐めたりと真弥の指で遊んでいる。
「桃寧ちゃん、おいしい?」
「おいひぃ······」
先程はかろうじて正気であったが、もう桃寧は真弥のことしか考えていられないようだ。
でも、ここは学校。そんな上手くいくはずはなく。
キーンコーンカーンコーンと昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ってしまった。
「あ、そろそろ戻らなきゃ·······」
真弥が立ち上がろうとする。
脱力して座っていた桃寧は真弥の制服の裾を掴む。
「どうしたの?もう戻らないと······?!」
裾をグッと引っ張られ桃根の方に倒れる。
その倒れざまにキスをする。
「まだイッてないから······」
頬を赤くしながら真弥に耳打ちする。
桃寧が学校でこんなに甘えてくるのは初めてだ。
一応、学校では優等生の名で通っているため昼休みにイチャイチャしていても授業には間に合うようにしていた。
ここは桃寧の甘えを受け入れる。
「はいはい、一緒に悪い子になろうね·······」
この後、放課後まで出席できずに指導室へ呼ばれたらしい。
ひっさびさの更新ですみません!!
学校の方が色々忙しかったりしたので書けずにいました。
今回は夏休み前のお話でした。
次回は夏休み直前から夏休みの入りまでを書く予定です!
その次くらいにはプールだったりお祭りだったりがあると思います。
R指定ギリギリの過激さを保って行けたらと思いますねw