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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
99/353

99 金星 5

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。

裏切り者に奪われた最強機体の設計図を取り返すべく、ジン達はその後を追う。

裏切り者を討ち取ったジン達を待ち受けていたのは、魔王軍四天王が乗る黄金級機――!

 モニターにアルタルフの顔が映った。口髭をたくわえ、ターバンを巻いた浅黒い肌の中年男の顔が。鋭い眼光を放つ双眸は、余裕と侮蔑を籠めて笑っていた。

黄金級機(ゴールドクラス)に乗る物はほぼ全て最高の異界流(ケイオス)をもつ。この世に初めてケイオス・ウォリアーが誕生した遙か古代よりな。なぜこの世界の巨大ロボが()()()()()()()()()なのか、真の意味が理解できたか? 異界流(ケイオス)の真髄を極めた究極の戦士……それが黄金級機(ゴールドクラス)聖勇士(パラディン)!』



 初めて黄金級機(ゴールドクラス)を見た日の後、ジンはケイオス・ウォリアーの誕生について調べた。

 艦にあった本をヴァルキュリナに借りて、休憩時間に。


 源流を(さかのぼ)れば、鎧を強化する魔法から始まったそうだ。

「本来装備できない者が着る事のできる鎧」――魔法使いでも装備できる板金鎧(プレートアーマー)、等――に行きつくという。

 必要な筋力や体格、動作の阻害。それらを鎧側で補うよう付与魔術を進歩させるうち、小柄な着用者でも装備できる大きな魔法鎧も多々生まれた。


 そして、技術とは組み合わされて進歩するもの。

 そうした魔法鎧に、ある種のゴーレム……動く甲冑(リビングアーマー)の作成術を組み込む者が現れた。

 こうなると「着用」というより「中に入って鎧に戦わせる」という形になってくる。

 そうすると、非人間型――獣や虫など――の形をしたゴーレムで同じ事をしてもいいのでは?と考える者も現れ、実際に造られもした。


 そうしてこの世界・インタクセクシルに「操縦する兵器」が生まれた。

 しかし一部の付与魔術師が造るだけで数は少なく、まだまだ強い人間の勇者がふるう魔剣で倒す事ができた。この時点では造るコストと強さが見合っているかは疑わしい物でしかなかったのだ。


 それが、ある時代を境に一変した。

 神域を強大過ぎる邪悪から救う時のために神が創り与えたもうた秘宝・神蒼玉(ゴッドサファイア)。神の武具を召喚するための宝玉で、天の代行者に選ばれし七人の勇者が代々預かっていた宝玉。

 それを動力源にした動く甲冑(リビングアーマー)が造られたために。


 強大なエネルギーを秘めた品を武具に組み込む事は、それ以前からよくあった。

 だが長年の研究と実験の末に神域で造られた動く甲冑(リビングアーマー)はケタ外れの威力を発揮した。

 人間の十倍ほどの大きさで、中にいる者が半ば一体化して動かす事ができる。鎧に組み込んだ兵装を使い、剣技や魔法をそのまま数十~数百倍化して放つ事ができた。


 人がその頭脳となり、巨大な魔神と化す事ができたのだ。

 それこそがこの世界に誕生した、最初のケイオス・ウォリアーだった。


 だがそれ一品で終わっていれば、歴史に刻まれた1ページでしかなかっただろう。

 それ以前にも以後にも、途方もなく強力な秘宝はあるのだ。人の生死や天候・気候、時に天変地異まで起こすような神々の品が。

 ケイオス・ウォリアーが違ったのは……そこから量産品が生まれてしまった事だ。


 神蒼玉(ゴッドサファイア)を用いて完成した、人が一体化する巨大魔神の体。

 完成後にそれは神域をあげて研究された。同様のアイテムが7個あった事は、その研究や実験に大いに役立った。

 当時は7体の人造巨神を造る事が目的であり、それは達成されたのだが――その過程で技術が体系化され、マニュアル化する事に成功した者が出た。さらに材料・素材も試行錯誤を繰り返された。

 その結果、遥かに力の劣る紛い物(デッドコピー)を、神蒼玉(ゴッドサファイア)を使わずに造る製法もできたのである。


 結果的に、その紛い物(デッドコピー)こそが後の時代を大きく変えてしまった。


 なにせ7体の巨神と違い、全てを人の手で製造する事が可能なのだ。神域を守るために協力していた近隣諸国もその紛い物(デッドコピー)たる人造巨人をいくつか造り、数を増やした。

 そうすると対抗する勢力も真似をする。次の時代の魔王もその人造巨人を使い、巨大兵士の軍で人間達を襲った。

 必要となれば入手するしかない。次の時代になる頃には、大概の国は人造巨人を多少の差はあれ配備するようになった。


 その頃には紛い物(デッドコピー)などと言う者はいなくなっていた。

 量産型のケイオス・ウォリアー……軍に必要不可欠な兵器として認められていたのである。



『より多くの者が扱える事を目指したのが量産型のケイオス・ウォリアー。だがこの黄金級機(ゴールドクラス)は違う。真の強者だけが操縦可能な、選ばれし者の機体なのだ!』

 高らかに笑うアルタルフ。

 

『だ、だけど……僕ら三人なら。いくら強くてもあっちは一機じゃないか』

 ナイナイが言う。必死に、訴えるように。

 それは自分にそう言い聞かせているようでもあった。

 だがそれを聞いて、またもアルタルフは笑った。

『フッ……この場の黄金級機(ゴールドクラス)は確かに俺一機だ。黄金級機(ゴールドクラス)はな』

 そう言うや、ハッチの――格納庫の奥にいくつもの影が浮かび上がった。


 奥から出てくるのは長方形の機体。以前ジンが乗っていたBカノンピルバグもずんぐりはしていたが、そいつらは人間というより箱に近い体だった。ヒレやぬめった体で巨大な魚人だとわかるが、おおよそ「人間型」ではない。

 そいつらは深海型の機体……フグのケイオス・ウォリアーだった。

 それらは黄金級機(ゴールドクラス)の前に出ると、横に並んで壁を作る。


 舌打ちするジン。

「チッ……さすが大隊長サマだ。部下がいて当然かい」

時々、戦隊ヒーローは怪人を5人で叩きのめすからズルくないかって意見見るけど

戦隊の怪人は大勢の戦闘員を連れてくる事も多いからな。

連れて来ない回もあるけど、連れてくるかどうかわからなかったらそりゃメンバー全員で戦いに行くよな。

話の都合でメンバーの誰かが怪人とタイマンはる話とかもあるけど、どうせロボ戦にはフルメンバー要るしな……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最近の戦隊だと、ロボ2~3機に分散搭乗して集団ロボで1体の巨大怪人をボコるなんてシーンもあるんですよ。 それも尺の都合で合体したらすぐ必殺技三連発とか合体必殺技とかで終わりみたいなゴッド●ー…
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