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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
95/353

95 金星 1

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。

王都を救い、最強機体の設計図を届けた直後、これまで協力者だった騎士が豹変。

機体を破壊され危機に陥った一行だったが、ジンが新たな機体で敵を殲滅した――。

 敵の迎撃部隊を突破した、その翌日。

 ジン達は朝から格納庫を見に行った。


「とりあえず皆、生きてはいるようだな」

 ジンの前には格納庫一面に倒れている整備員達がいる。

 昨日とは各人の位置が違うので、起きて作業してまた倒れたのだろう。寝息や(いびき)が聞こえるので、死んでいない事は確かだ。だから良しとしていいのかどうかはともかくとして。


 ナイナイが困った顔で考えこむ。

「魔法で元気にしてあげたりできないのかな……?」

「回復魔法を使ってるからここまでできたんだよ」

 そう教えるリリマナ。

 魔法を使い過ぎて倒れた治療術師がニ~三人、混ざって倒れているし、三人の機体は修理が終わってハンガーに立っていた。

 自機の前でクレーンの操作盤にもたれて寝ているクロカを眺めながら、呟くジン。

「これで負けたらあの世で集団リンチされるな、俺は……」

 ダインスケンが「ゲッゲー」と鳴いた。


 機体が使える事を確認したジン達はブリッジに上がった。

 現場がどうなっているのか、それを確認するためだ。

 ブリッジには既にヴァルキュリナが入っており、ジン達を見るや、付近のMAPを宙に映す。

「設計図の動きが止まった。その手前に敵の部隊が展開している」

 それを聞いたナイナイの顔に緊張が走り、ゴブオは面倒臭そうにため息をつく。

 ジンは軽く肩をすくめた。

「あちらさんもやる気満々だな。地獄の一丁目に到着ってとこかい」



 格納庫に戻り、待機するジン達。

 待つ事しばし、ヴァルキュリナからの指示が出た。

鬼甲戦隊(きこうせんたい)、出撃!』

「了解。こちらジン、出るぞ!」

 母艦から真っ先に飛びだすジンの新型機・Sサンダーカブト。ナイナイとダインスケンの機体もそれに続いた。三機が母艦より僅かに前へ出て、敵軍と対峙する。


 敵は山間部の谷の前に、奥への道を阻む形で展開していた。量産機達を前に出し、後ろに控えている隊長機は――ディーンの乗る白銀級機(シルバークラス)、槍を持つ巨人騎士! 


「ディーン! 貴様が戦うのか?」

 訝しむジン。

 黄金級機(ゴールドクラス)設計図の反応は谷の奥からである。それを届け終え、もうディーンの手からは離れたという事だ。

(仕事を終えたあいつに、危険を冒して俺達と戦う理由があるとは思えないがよ……。敵と一緒にさっさと国外逃亡するならわかるんだが)


 だがジンの疑いなどお構いなく、ディーンは高揚した声を張り上げた。

『そう……今の私は魔王軍親衛隊最強の戦士、マスターディーン! 鬼甲戦隊(きこうせんたい)等と名乗ってここまで来たのがお前達の運の尽き! 次元を超えて異世界へ来たお前達が次に行くべきは、地獄の底だ!』


『なんだか様子がおかしくない?』

 ナイナイも違和感を覚えてジンに訊いてくる。

 ケイオス・ウォリアーにジン達を乗らせずに攻撃してきた、姑息で慎重な男だと思えない態度だ。

「妙な術でもかけられてるのかもな。裏切り者には似合いの末路かもしれねえが……」

 ジンの言葉にディーンは笑った。

『まるで私がここで終わるかのような物言いだな。だが私は昨日までの私ではないぞ。さあ、見ろ!』

 そう言うとディーンの機体に無数の亀裂が走り、装甲が砕ける。

「え? 壊れるの?」

 戸惑うリリマナ。

 だが通信機からクロカの声が響いた。

『ゲェーッ! 違う、あれはオーバーボディだ!』


 砕けた装甲の下から新たな装甲が現れた。

 それはまさに脱皮……鎧は同じ白銀だが、騎士の外観は消え去り、禍々しい蜘蛛の頭が八つの瞳を輝かせる。

 背中からも節くれだった二対四本の節足が現れる。


『これが! マスターディーンのケイオス・ウォリアー! Sマンベレスパイダー!』

 声高に名乗るディーン。


 ジンはブリッジへ急いで通信を入れた。

「クロカ! お前、寝不足のままブリッジに入ったのか」

『そうだけど、今それ別にいいだろ! 目の前の敵の変化に注目しろよ!』

 怒鳴るクロカ。


 一方、ディーンは「ククク……」と含み笑いを漏らす。

『いくら目を凝らしても私の恐ろしさは変わらない。お前達はまさに蜘蛛の網にかかった羽虫なのだ』

 そして魔王軍の兵士に号令をかけた。

『前進! 隊列は乱すな!』

 兵士達――その全ては不死型の骸骨兵・Bシックルスカルであった。


(全機が一種に統一されているだと? 奇妙だな……)

 不自然に感じ、前進してくる敵機にジンはスピリットコマンド【スカウト】を放ち、その能力を探る。



護衛兵 レベル30

Bシックルスカル

HP:5500/5500 EN:200/200 装甲:1380 運動:110 照準:169

HP回復(小)

射 ダガーショット 攻撃2800 射程1―4

格 デスサイズ   攻撃3100 射程P1


HP回復(小):一定時間ごとにHPが最大値の10%回復する。


(ウザい雑魚だが特に問題は……む?)

 敵機の能力を見て、大した相手ではない事にむしろ疑問を抱くジン。

 だが……敵兵士が「魔王軍兵」()()()()事に気づいた。

 初めて見る敵兵士の名前に、ジンは急いでステータス画面を切り替える。



護衛兵 レベル30

格闘175 射撃175 技量205 防御155 回避115 命中133 SP97

援護防御1



「こいつら! 全員が援護防御を持ってやがるのか!」

 ジンは察した。

 なぜ敵が密集陣形をとり、全機が固まって動いて来るのかを。

『ククク……気づいたか。そう、再生能力のある機体が互いにカバーしあいながらお前達に迫る。そして私は、その後ろから貴様を好きに狙わせてもらう!』

 得意満面といったディーン。


 ジンは彼にも【スカウト】を放った。



ディーン レベル32

Sマンベレスパイダー

HP:23500/23500 EN:245/245 装甲:1970 運動:125 照準:180

射 クラレシュリケン     攻撃3000 射程1―7  装甲低下2

格 ヘルファイヤアチャクラム 攻撃3500 射程P1ー4 装甲低下1

射 クモベノムフンガムンガ  攻撃4500 射程1―8  運動性低下2


ディーン レベル32

格闘202 射撃186 技量216 防御161 回避126 命中146 SP100

ケイオス4 援護攻撃2 H&A



「最強武器しかいらんだろって武装かよ……」

 呆れるジンの前で、敵の白銀級機(シルバークラス)が四本の節足に武器を構える。

 三本の曲がった刃が突き出た、信じられないほど邪悪な見た目の投げ短剣だ。

(アフリカ投げナイフ!?)

 驚くジンに、ディーンは言う。

『一応、この最強武器が弾数で言えば79発で最少なのでね。真ん中が89、最弱が99とバランスもいい』

 話している間にも、敵軍はジン達へ遠慮なく間合いを詰めてきた。

『勝つのは私だ! 負けるのはそれ以外だ! この世界は私の手にあるのだ!』

 ディーンは高らかに笑っていた。

アマプラの月額コーナーにAクロバンチが来ていた。

しかしやはり凄い外観だ。何をモチーフにしてどんな方向を目指したのか全くわからない。

まぁ番組自体はIンディージョーンズがやりたかったのだろうと、だいたい想像がつくが……。

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― 新着の感想 ―
[一言] マップ兵器が笑っている姿がを見える… 30では援護防御もちの秘境探索面倒だったなぁ
[良い点] オーバーボディ! 凶悪でいいです!! [気になる点] 一度は相手に攻撃させて「やったか?」から正体現した方がいいんじゃないかなと思ったんですけど、マスターガ●ダムはいきなり正体現してたか。…
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