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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
60/353

60 魔城 7

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。

この世界最強の兵器の設計図を運ぶ彼らを襲ったのは、その最強兵器に乗った魔王軍の将軍だった。

辛くも生き延びたジン達を敵が追撃する。だがジン達には既に新たな力があり、それで敵を退けた――。

 最も巨大な大陸に、険しい山々が連なる壁で文明圏から隔絶された地がある。

 一年中吹雪が吹き荒れ、それが止んだ時だけ白銀に輝く美しくも生の無き死の幻想世界が姿を現す大地が。

 雪と氷と暗雲が覆う、標高四千メートルを超えた、平地としてはこの世界でも最高度となる、誰も顧みない僻地の中の僻地。

 そこに巨大な城塞があった。


 禍々しく、ねじくれ、悪意と邪悪で塗り固められた、途方もなく巨大な城塞が。

 この世界にある国家全ての敵である魔王軍……その首領が住まう城が。



 石柱が立ち並ぶ、暗く巨大な、神殿のごとき部屋。

 そこに四つの人影があった。

 そのうち三つはフード付きのローブを身に纏い、顔かたちは全くわからない。背と体格は全く同じに見える。

 その三つの側で柱にもたれ、不敵な笑みを浮かべているのは……口髭をたくわえターバンを巻いた浅黒い肌の精悍な男。曲刀を腰にさげ、アラビア風の鎧を纏った戦士。

 海戦大隊長ジェネラル・アルタルフだった。


 青いフードローブが静かに言う。

「陸戦大隊の親衛隊が、二人共同で戦っても敗れ去ったか……」

 ギリギリ、と歯軋りの音。

 黄色いフードローブからである。

 それを聞き、ジェネラル・アルタルフが笑った。

「……何がおかしい!」

 黄色いフードローブが怒鳴る。

 だがジェネラル・アルタルフは笑いながら肩を竦める。

「お聞きしたいのか? 言わずともわかっているのではないのか」


 赤いフードローブが呟いた。

「わかりきっている事だ」

 黄色いフードローブが振り向いた。

 ジェネラル・アルタルフも目を向ける。

 そんな二人の視線を受け、赤いフードローブは言葉を続けた。

「奴らが我々を意識し、勝つために戦力の増強を図ったのだ。艦で逃亡しながらだというのにな。やはり三人の試作体は予想以上の完成度……一筋縄ではいかん。もはや油断していられる相手ではない」


 ふん、と面白くもなさそうな黄色いフードローブ。

「敵を褒めてやるとはお優しい事だ。まぁ大隊の将軍自らが出向いて、まんまと逃げられるような事例もあるしな!」

 チッ、と舌打ちするジェネラル・アルタルフ。

 それを見て少しは気が鎮まったか、黄色いフードローブはさらに赤いフードローブへ話を続けた。

「それで? その大した連中をどう始末する。さらなる精鋭をぶつけるしかないと思うが?」

 赤いフードローブは頷いた。

「我が大隊でも特に恐れられている者を派遣した。奴は今までと一味違う」


「まだ戻らぬマスターウィンド……奴とそいつとで共同戦線をはらせる気か? 親衛隊二人を退けた奴らに、また二人で挑ませると?」

 そう問うたのは青いフードローブ。

 だが赤いフードローブは首を横にふる。

「マスターウィンドは奴と組むのを拒んだ」

 それ聞いて黄色いフードローブは大声をあげた。

「馬鹿な! マスターウィンドとて何度か失敗している男だ。そのくせ他と組むのは嫌だなどと、そんな我儘を許すのではあるまいな!」

 しかし赤いフードローブは言う。

「既に許した。今度の親衛隊と組みたがらない者は多かろうからな」

 はっ、と呆れた声をあげるジェネラル・アルタルフ。

「大した統率だ、空戦大隊はな」


 だが赤いフードローブは動じない。

「だが成功はするだろう」

 その自信を見て、他の三人は彼を窺う。

「どういう事だ。敵が改造機を持ち出してきたというのに、そう断言するとは…‥」

 真意を読みかね、黄色いフードローブが戸惑いながら訊いた。


 その時、青いフードローブが他の三人へ言った。

「静まれ。いや……控えろ」


 その場の皆がそこで会話を止めた。

 青いローブに従ったのではない。気配を感じたからだ。

 闇に閉ざされた部屋の奥からの、強烈な、強大な……。


 そこから乾いた足音が響く。

 四人は黙って待っていた。

 足音の主が姿を見せた時、四人はいっせいに膝をつく。


「「「「暗黒大僧正!」」」」

 四人は足音の主、彼らの(あるじ)の名を口にした。


 その者――闇黒大僧正は血のように赤い胴着を纏っていた。その胴着ごしでも全身の筋肉がはちきれんばかりに膨れ上がっているのは一目でわかる。太い首、太い腕、太い脚……。背の高さは健康な男子としては並だが、体のボリュームがそれを二倍にも三倍にも見せていた。その手には戦いを重ねたカラテが作り出す拳ダコがはっきりと見てとれる。

 顔はわからない。禿げ頭とがっしりした顎はわかるが、他は闇と影に隠れて見えないのだ。

 他の四人と異なるのは……その周囲の空間が、歪んで見えること。

 陽炎のように……波打つように……あるいは色彩が滲んで混ざり合うかのように。

 それはその者の放つなんらかの「気」による迫力かもしれないし、本当に空間に干渉する魔力が漏れ出ているのかもしれない。


 ただ、他の者とは根本的に何かが違う。

 それだけは確かだった。



 人類の生息圏から遠く離れた、この時代の邪悪の中枢。

 吹雪が吹きつける城塞の、その中の奥で。

 ジン達への攻撃はさらなる苛烈さを増しつつあった。

SUパロボ30が起動しなくなった。

なんでや。


DDだけやっとけという神からのお達しか。

八百万いるらしいが俺を見ている奴にはロクなのがいないようだ。

まぁ昔から薄々わかってはいたんだがな……。


俺の中では30は無かった事になりました。

20000近い金はガシャが爆死したに同じと自分を納得させるのです。


できねーよバカ。

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