57 新生 4
異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。
彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。
この世界最強の兵器の設計図を運ぶ彼らを襲ったのは、その最強兵器に乗った魔王軍の将軍だった。
辛くも生き延び、生き延びるために新たな手段を探るジン達。それを敵が追撃する――。
射撃武器の雨霰の中、ジン機は敵へ反撃を繰り返す。それらはことごとく敵を捉え、激しい火花を上げ続けた。
左上の三連半球からは細い光線が放たれ、敵を撃ち抜く。一撃ごとに3000を超えるダメージがモニタに表示され、敵機は装甲に穴が開き煙を吹いた。
(新武装、良燃費のビーム砲な。そして元々の大砲は……)
ジンは敵との間合いに応じて、強化されたキャノン砲を撃ち込む。背中にマウントされている砲身は、ジョイント部の回転・稼働により、一瞬で肩へと担がれる。そこから発射された弾が当たると――爆炎とともに敵機が大きく仰け反り、装甲が弾け飛ぶ! 表示されるダメージは4000に達し、猛獣型機のBダガーハウンドにはそれだけで倒れ、動かなくなる機体もあった。
(よし、期待以上だ。EN消費型武器と弾数式武器を両方使える事で、継戦能力は前と比べものにならねぇ)
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ジン レベル17
BCカノンピルバグ
HP:3492/6250 EN:160/210 装甲:1810 運動:107 照準:163
射 ハンドビーム 攻撃3300 射程1-5
射 ロングキャノン 攻撃3800 射程2-7
格 ハードメイス 攻撃4300 射程P1
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BCとなった、ジンの乗機。もはや量産型ではない、戦場で生まれた実戦機である。
その新たな力の前に、量産型兵機の軍は半壊しかけていた。三割ほどは撃墜され、残る機体も後一撃に耐えられない重傷である。
それでも果敢に斬りかかってきた巨人型機を巨大なメイスで殴り倒し、噴き上がる煙を尻目に、ジンは後の三機に任せていた南側の状況をモニターで確認した。
そこにも深く傷ついて、よろめき、或いは膝をつく人造の巨人達があった。何機かは無残にも深々と切り裂かれ、地面に横たわったままもはや動けない。
傷ついた魔王軍を前に、前傾姿勢で「ケケェーッ!」と雄叫びをあげるダインスケン機。
その機体もまたジン機同様、新たに強化されて輝く鎧状の装甲を纏っている。
両腕の爪からは敵機の循環液が、まるで血のように滴っていた。
両の手甲からは魚のヒレを思わせる、鋭利な刃が伸びている。それはまるで脈打つかのように蠢いていた――あくまで斬撃を効果的に放つための稼働機能である筈なのに。
(よし! 南側も堪えたな。まぁ分の良い賭けではあったからよ)
ジンにとって、南側の惨状も予想していた物だった。
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ダインスケン レベル17
BCクローリザード
HP:4393/5750 EN:180/210 装甲:1610 運動:132 照準:163
射 スケイルシュリケン 攻撃3300 射程P1―4
格 ブレードクロー 攻撃3800 射程P1―2
格 スラッシュレザー 攻撃4300 射程P1―1
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ダインスケン
レベル17
格闘182 射撃166 技量200 防御147 回避125 命中121 SP94
ケイオス3 底力6 援護攻撃1 援護防御1
スピリットコマンド【ヒット】【フレア】【アクセル】【ダイレクトヒット】
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ダインスケンの回避力と、強化改造されたクローリザードの運動性。それらを元に被弾率を予測計算させると、雑兵程度の攻撃では一桁%±武器の命中補正……と出ていたのである。
無論、ゼロではない。また敵も素早い相手には命中補正の高い武器を使いたがるだろう。そして短い時間に何度も狙われると逃げ場を失ってしまい、回避率は落ちて行くものだ。
そこでジンはクローリザードに母艦を同行させ、指揮技能で回避をサポートしながら援護防御してカバーするよう頼んだのである。
まぐれ当たりの被弾からは母艦に守ってもらい、ダインスケンは敵の攻撃を避けて反撃を繰り返した。その後に広がるのは切り刻まれた敵の群れ……。
そしてジンは叫ぶ。
「ダインスケン、ヴァルキュリナ! こっちへ攻撃だ!」
言いながらジンは傷ついた敵機をロングキャノンで撃ち抜いた。
『ゲッゲー!』
ダインスケンも素早く北へ走り、傷ついて動きの鈍い敵機を切り刻む。
そこへ戦艦Cガストニアも続いた。ヴァルキュリナが叫ぶ。
『騎獣砲、てーッ!』
『へいへい! やりゃいいんスね!』
背中の甲板上を這うカタツムリから、半分ヤケクソで応えるゴブオ。少し離れた所でよろめいていた瀕死の敵機へ砲撃を撃ち込んでトドメをさす。
攻撃力はガストニアの武装で最低ながら、独立した銃座という利点を活かし、移動の最中に離れた敵を狙える――武器としての有用性は決して低くは無い。
結果的にゴブオは戦闘に駆り出され続けるのだ。
弱り切っていた北側の敵軍を壊滅させたジン達。
だが南側は?
「ナイナイ! ぶっ放せ!」
ジンの指示にナイナイが応える。
『うん! デストロイウェーブ、撃つよ!』
味方がいなくなり、目の前が開けた時、ナイナイは既にMAP兵器を撃つ準備を済ませていた。
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ナイナイ レベル18
BCバイブグンザリ
HP:3744/5250 EN:190/210 装甲:1510 運動:122 照準:163
格 アームドナックル 攻撃3300 射程P1-2
射 ソイックショット 攻撃3300 射程1-5
射 デストロイウェーブ(MAP) 攻撃4300 射程1-5
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ナイナイ=テインテイン レベル18
格闘172 射撃182 技量200 防御147 回避126 命中129 SP96
ケイオス3 底力5 援護攻撃1 援護防御1
スピリットコマンド【フォーチュン】【トラスト】【コンセントレーション】【フレア】
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他の二機同様、強化された鎧に身を包む魚人のごときケイオス・ウォリアー。その長い魚頭の左右に湾曲したアンテナが展開する。以前は三対……だが今は四対だ。
それが輝き、アンテナ間にエネルギーの膜を張った。力場の傘から噴射する魔力が、大地を、空気を、その範囲内にいる物を高周波振動で分解する!
魔力の輝きの中で崩れ、爆発を起こす魔王軍の量産機達。範囲内にいた機体は全滅――1機たりとて耐える事はできなかった。
「もう雑兵は残ってないからよ。そろそろお前らが戦う準備をしといた方がいい」
僅かに残った残敵にカノン砲を撃ち込み、撃破しながら、ジンは南北の隊長機にそう告げる。
敵が自信をもって繰り出した部隊を、ジン達は完勝と言える内容で退けたのだ。
『むう……どうやらそのようだな。いいだろう、白銀級機の真の恐ろしさを地獄の土産話にするがいい』
北側――マスタークレバーはそう言うと機体を南下させた。
ジンはその機体――剣闘士のごとき井出達に、宝石のごとく輝く兜の巨人へスピリットコマンド【スカウト】を放つ。
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マスタークレバー レベル20
Sダイヤハーキュリー
HP:15000/15000 EN:200/200 装甲:2000 運動:100 照準:155
格 ハンマーパンチ 攻撃3200 射程P1
射 レイビーム 攻撃3600 射程2―6
格 ブレイザーサイト 攻撃4200 射程2―7
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マスタークレバー
レベル20
格闘186 射撃191 技量208 防御165 回避106 命中130 SP90
ケイオス4 ガード3 フルカウンター
※ガード3LV:戦意130以上で被ダメージ15%減少
※フルカウンター:敵の攻撃時、先に自分の反撃を行う
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(硬さで耐えて遠距離から撃ち続ける、いわば砲台型!)
敵の特性をそう判断したジン。
同時に南側から迫る、虎獣人のごとき機体。ジンはそちらへも【スカウト】を放った。
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マスターマッド レベル20
Sカタールスミロドン
HP:14000/14000 EN:200/200 装甲:1500 運動:110 照準:155
射 ニードルショット 攻撃3200 射程P1―4
格 ツインカタール 攻撃3600 射程P1―2
格 ブレードストーム 攻撃4300 射程P1―2
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マスターマッド
レベル20
格闘191 射撃186 技量208 防御165 回避106 命中130 SP90
ケイオス4 アタッカー フルカウンター
※アタッカー:戦意130以上で与ダメージ20%上昇
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(切り込んできて火力でねじ伏せる特攻型!)
敵の能力から戦力を推し測るジンに、通信機からマスタークレバーの自信に満ちた声が届く。
『貴様らはスピリットコマンドでのデバフを得意とするらしいが、我らは二機! 片方にリソースをさけばもう片方に太刀打ちできん! 終わりだ!』
南北から同時に迫る強敵。
白銀級機単体ならば何度も倒した。だが二機同時を相手に、どうするのか……?
ジンのとった行動は――。
ついに明日は30か。
世間の皆は体験版をプレイ済みだろうが、ワシはSTEAM組なので待つしかないわい。
だがやはり隠し要素を考えるとすぐ始めたものかどうか迷うのう。
1~2日に1面ずつ、スローペースで攻略情報を横目で探しながらやるべきか。
後半に入る前に「KAゲロウの入手条件はステージ〇〇までにSYAドウ丸の撃墜数○○以上だよ」とか判明して手遅れになっていると、空が割れて炎が舞って怒りの魔神見参じゃわい。