48 黄金 6
異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。
彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。
この世界最強の兵器の設計図を運んでいる艦の護衛を続けるジン達。
彼らは巨大艦を集めて作られた基地へやってきたが、そこにも敵の魔の手が伸びて来た――。
『死神の一柱、殺戮の神マーダウスの名において。君達に私が死を恵んでやりましょう!』
実に楽しそうにうきうきと、マスタービショップは通信機越しに叫んだ。
苛立ちを覚えながらもジンはスピリットコマンド【スカウト】を放った。敵のデータを機体に読み込ませ、それを表示させる。
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マスタービショップ レベル18
Sエレクトリックレイ
HP:14000/14000 EN:200/200 装甲:1500 運動:110 照準:155
射 サンダービーム 攻撃3200 射程1-5
格 発電タッチ 攻撃3500 射程P1―2
射 エレクトロシャワー(MAP) 攻撃4000 射程P1-3
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マスタービショップ レベル18
格闘186 射撃188 技量206 防御145 回避116 命中126 SP86
ケイオス4 闘争心2 見切り2 戦意+(DEF)
※闘争心2LV:戦闘開始時の戦意+5
※見切り2LV:戦意130以上で命中・回避・クリティカル率+10%
※戦意+(DEF):被弾・回避すると気力が余分に上昇
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(ん? MAP兵器を持ってる事はわかっているが――移動しながら使用可能だと!?)
ジンはその武器にカーソルを合わせた。
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射 エレクトロシャワー(MAP) 攻撃4000 射程P1-3(自機中心)
戦意― 消費EN20 条件:ケイオス2
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「広範囲攻撃を戦意制限無しで移動しながら撃てるだと!?」
目を剥くジン。
『ヒヒヒ……君達には都合が悪いかな? 親衛隊をコンビネーションで倒してきた君達には!』
マスタービショップのその言葉は、明らかにジン達へ向けられた物だ。
魔王軍の親衛隊を短期間で何人も倒した事で、その存在には目をつけられているのである。そしてマスターウインドのように味方に引き込もうと考える者ばかりでもない。
『さあさあさあ! どうする、どうする? 君らはどうするぅ?』
実に楽しそうに言いながら、Sエレクトリックレイは堂々と戦場を歩く。そして放電――また別の部隊が電撃に焼かれ、まとめて吹き飛ばされた。
「奴の通り道にいるとやられるしかねぇな……」
『そんな! どうするの?』
ジンの言葉にナイナイが焦る。
『どうしようもないでしょう! バーッと爆発! フラッシュして粉々です!』
マスタービショップは実に楽しそうだ。
そしてジンは言う。
「じゃあ通り道から離れるか。おい、奴の反対側へ前進だ」
敵へくるりと背を向け、ジン機は荒野を走り出した。
一瞬で意図を理解し、ナイナイ機とダインスケン機も後に続く。
『いや、あの、おい……それは逃げるという事でしょうがあ!?』
叫んで追いかけてくるエレクトリックレイ。
しかしさっきまで混戦だった戦場である。
ジン達の前に、新たな敵小隊が立ち塞がった。
「つっても今さら雑魚相手じゃな!」
【ヒット&アサルト】のスキルを活かし、前進と砲撃を素早く繰り返すジン。敵量産機のBソードアーミーが撃ち抜かれ、ダインスケンのBクローリザードが敵の群れに飛び込む。
一方、マスタービショップにもスイデン軍が攻撃を仕掛けようとした。
だがこちらは前進しながらエレクトロシャワーを放ち、かかってくる敵を一瞬で退ける。
逃げる側と追う側。
戦闘にかかる時間を考えると、逃げるジン達が圧倒的に不利。
その上――さらに状況が変わった。
『偽物で時間を稼ぐとはなかなか頭の回る事だ。他にも策があるなら早く出した方がいいぞ。命があるうちにな……』
その声とともに、新たな機体が戦場に舞い降りたのだ。
ジン達を挟んで、Sエレクトリックレイの反対側――挟み撃ちする位置に。見覚えのある機体、Sフェザーコカトリスが。
「マジか……まぁ出ては来るわな」
げんなりして呟くジン。
マスターウインドが機体に乗って現れたのだ。
『ど、どうしよう!』
いよいよ狼狽えるナイナイ。
「普通に考えたらどうにもならんが……」
前門の虎、後門の狼。ジンは絶望に捉われながらも、なんとか生きる道は無いかと考えた。
そんなジンへ、また別の通信が入る。
『ならば引っ込んでいろ、化け物』
ジン達とは別の巨大艦――戦闘に巻き込まれて半壊しているが――から、またケイオス・ウォリアーが一機現れる。
Sランスナイト――貴光選隊隊長・ケイドの機体だった。
「お前! 傷はもう治ったのか!?」
自分より遥かに重傷だった男へ訊くジン。
ケイドはフンと鼻を鳴らす。
『治っていないと泣きをいれれば敵は帰ってくれるのか。例え倒れる事になろうとも……貴光選隊の名にかけて、ここで一矢報いる!』
そして、ランスナイトは走った。フェザーコカトリスへと。
『死にぞこないが!』
叫んで迎え撃つマスターウインド。
二機の白銀級機が再び激突した――!
だが無念! ナイトの槍はまたしてもコカトリスを捉えられなかった。
虚しく宙を突く穂先と交錯するように、コカトリスの剣はナイトを切り裂く!
『何ィ!?』
しかし驚愕のその声は、マスターウインドが発した物だった。
剣は確かにナイトを切り裂いた。だが相手は武器を捨て、コカトリスの剣を、それを持つ手を握ったのだ。
そして――ナイトの関節から赤い閃光が迸った。
ジンは見た。自機の戦闘MAPで、ナイトのアイコンの上に数字が出るのを。
それが、3……2……1……と、カウントダウンされていくのを!
そして起こる、大爆発!
ナイトとコカトリスは爆炎に消えた……。
「おい、あれはまさか自爆か!?」
ジンの叫び声は震えていた。
「うん……スピリットコマンド【カミカゼ】……。機体のHP全てを攻撃力に変換して、防御無視ダメージを与える、けど……」
茫然とした声で答えるリリマナ。
(あの野郎……脱出はド下手糞じゃなかったかよ!?)
ジンは機体の眼を必死にこらす。
そして見えた物は……
煙の中から体をひきずって現れる、所々に亀裂の入った白銀級機。
『ぐ……ここまでやるとはな。侮ったか』
コカトリスは撃破されていなかった。
しかし、それはノーダメージという事ではない。僅かに迷いは見せたが――結局、再び空へと羽ばたく。
『さっきの騎士は丁重に弔ってやれ。それだけの働きを最期にしたのだからな』
そう言うと、大空へと消えていった。
「最期、だと? 弔え、だと……?」
呟くジン。
煙が晴れれば、機体の眼に映るのは焦げた大地。散乱するSランスナイトの部品。
動く物など、燻ぶる煙以外は何も無い。
『ふん、何をしにきたのやら。やはり私がやるしかないという事ですね』
軽蔑したようにそう言い、Sエレクトリックレイは再び前進を開始した。
『そろそろ覚悟は決まりましたか?』
マスタービショップの声は笑っていた。対してジンは――
「ああ。ここらでいいだろう」
毅然と、怒りを含んだ声で、そう答えた。
機体解説
Sエレクトリックレイ
電気エイを模り能力を再現したケイオス・ウォリアー。
遠距離へは放電を収束して光線状にして放つ「サンダービーム」を使い、接近戦には接触して高電力を流し込む「発電タッチ」で攻撃する。
また全身に備わる発電ポイントから周辺へ電撃を拡散させる事もでき、周囲を広範囲にわたって焼き払う事が可能。
機体・武器ともに水中への適応が特に高く、陸地以上にその戦闘力は増す。




