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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
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45/353

45 黄金 3

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。

この世界最強の兵器の設計図を運んでいる艦の護衛を続けるジン達。

彼らは巨大艦を集めて作られた基地へやってきたが、そこにも敵の魔の手が伸びて来た――。

 悠然と迫って来る逞しい男は、一度生身でジン達を追い詰め、先日ケイオス・ウォリアーで苦渋を舐めさせた男。

 全てが核の炎に焼かれた世界からやってきた拳法家――魔王軍の親衛隊員マスターウインドだった。


 苦虫を噛み潰したように顔を歪めるジン。

「なるほど……俺達を見逃したわけだ。どこかにスイデン軍の基地がある事を知っていたから、場所を特定するためにトドメを刺さなかったんだな」

「そうだ。その一方で、とにかく黄金級機(ゴールドクラス)の設計図をさっさと手に入れろという声もあったがな。まぁ私は直属の大隊長の意思を優先しておいた。お前達に考え直すチャンスを与えたのも、私だけの判断ではない」

 ジンの言葉を言外で肯定しつつも、マスターウインドはそう言った。

 ジンは訊ねる。

「なるほど。やっぱり魔王軍の中でも派閥があるって事かよ」 

「あるさ。暗黒大僧正に仕える軍団長……四天王同士でさえ結束しているわけではないし、その直下の親衛隊同士でも考えや方針は違う」

 あっさり認め、マスターウインドはニヤリと笑った。

「私もお前達に興味があってな。魔王軍に来るなら、お前達自身の情報を全て得られるようにしてやろう。超個体(スーパーオーガニズム)戦闘員(コンバタント)……その生産計画についての全容をな」


 初めて聞く単語だが、それがジン達の体を改造――というより造り替えたプランらしい。


「こういう取引ってのは、先にそのスーパーオーガコンボとやらの説明を聞いてからじゃ選択肢が生じないのか?」

 ジンが訊くと、マスターウインドは軽く肩を竦める。

「一応は魔王軍の機密だからな。どうしてもというなら……一度こちらの軍門に降ってみればどうだ。その後、気に入らなければ出奔なり裏切りなりすればいい。無論、その時には粛清されるがな」

 冗談のような言いぐさだが、ジンはその言葉に剣呑な物を感じた。

(裏切れ、と堂々と言うか。よほど俺達を殺せる自信があるんだろうがよ)


「それでどうする?」

 マスターウインドの目が鋭さを増した。


 断れば間違いなくこの男と戦いになる。

 勝てる自信は、無い。


 そんなジンの頭をよぎるのは――この世界で目覚めてから最初の街で見た、いや、見せられた光景。

『戦火に巻き込まれた人々がどうなるか』という、誰でもわかる事を、容易に想像がつく事を、字か言葉の向こうにあった知識の上での事を……手を伸ばせば届く間近で、自分が只中にいて体験した光景だった。


 魔王軍に、一時的だろうが入るという事。それは――

(今度は俺が、あれをやるのか……)


「そっちに入る気は無ぇな」

 言葉の方から口をついて出たようだった。

 ジンの返事を聞き、マスターウインドがゆらりと拳法の構えをとる。

「わかった。残念だ」


 敵の動きに反応し、ダインスケンが前傾姿勢で身構えた。ジンの隣で、いつでも相手に跳びかかる事のできる体勢だ。

 だがナイナイの動きは鈍い。武器を手にもせず、かといって逃げようともせず……どうしたものかと判断しかねている。

 戦う事そのものに迷いが出ているのだ。

 それをジンは気配で察した。


 だからジンは振り向かず、背中越しにナイナイへ声をかけた。

「ナイナイ。お前は下がってろ。俺らがやられたら、逃げるなり魔王軍に入るなり好きにしろ」


「そんな!?」

 ナイナイは驚きと批難の混じった声で叫ぶ。

「ふむ。確かに、我らに抵抗しないなら後で別待遇にしてやってもかまわんな」

 事もなげに言うマスターウインド。その殺気がジンに向けて集中する。


 それを感じ、ダインスケンはいよいよ敵へその爪で斬りかかろうとした。

 だがそれより早くマスターウインドが動く。

 どこからか数個の石を取り出し、己とダインスケンの間へ放り投げた。

 床に転がる石ころ――それに奇妙な模様と文字が描かれているのをジンは見た。そして次の瞬間、その石が猛烈に膨れ上がり、身の丈2メートルを超える巨人になるのを!


「チッ、護衛も持ってきてやがったか!」

 ジンの舌打ちが早いか、人造石兵(ストーンゴーレム)の群れがダインスケンを取り囲む。

 必殺の爪をふるうダインスケン。だが爪は敵のボディに食い込み、削りはするものの、両断する所まではいかない。石の塊が容易く斬れる筈もないのだ。

 ダインスケンを横目に、マスターウインドは悠然とジンに迫る。

「お前達の実力は前の手合わせで大体わかっている。一対一を繰り返す限り、私の勝ちは動かない事も」


 そして床を蹴り、宙を舞うがごとくジンに打ちかかった!

「舞葬琉拳(まいそうりゅうけん)・鷹撃斬爪(ようげきざんそう)!」

 天から猛禽類が襲い来るがごとき鋭い手刀!

 必死に応戦、拳を繰り出すジン。



 ジンとて、以前戦った時より腕は上げている。

 だがまだマスターウインドとは技量の隔たりがあった。


「グヘッ!」

 側にあった大きな空き箱にぶつかるジン。敵の強烈な蹴りを食らい、その衝撃で叩きつけられたのだ。

 その体にはいくつもの痣が痛々しくつけられている。胸当て(ブレストプレート)にはいくつもの亀裂が走り、左腕の手甲(ガントレット)は既に砕けて床に転がっている。出血も一カ所ではない。


 対するマスターウインドは……左の肩当てにはヒビが入り、服が二、三カ所破けてはいる。

 だがその体を痛めつける有効打は一撃も入ってはいなかった。出血など全く無い。

 その動きを見れば、ノーダメージに等しい事は明らかだった。 


「ケケェーッ!」

 ダインスケンが叫び、爪を振るう。

 斬れ難い筈の体を砕かれ、人造石兵(ストーンゴーレム)は次々と半壊して床に崩れ落ちていた。並の人間を容易に撲殺するその拳も、ダインスケンにはほとんど当たらず、身に触れるのは攻撃を受け止められた時のみ。

 倒されるのに時間がかかるだけで、戦闘力そのものは圧倒的にダインスケンが上だったのである。


 だが時間がかかる事が、今は致命的だった。

「思った以上にてこずらせてくれた。だがそれもここまで――死ね!」

 マスターウインドが叫び、獲物を仕留める猛禽類のごとくジンへ襲い掛かった。

 その手刀がジンの頭を必殺の威力をもって斬る!


 その筈だった。


 その一撃より本当に紙一重、一瞬だけ早く。

 不可視の衝撃が炸裂した!


 マスターウインドが倉庫の壁へ叩きつけられる。あまりの衝撃に壁がたわみ、亀裂が走るほどに。

 なぜか。

 彼にジンの放った右拳が命中し、それほどの威力で反対側へ吹き飛ばしたからだ……!


 渾身の鉄拳を放った姿勢のまま、ジンは敵が壁へめり込むのを見届けていた。

 その全身から噴き上がる闘気が見えるようだ。ギラつく目は炎を放つかのようだ。


 対してマスターウインドは――並の人間なら絶命必至の反撃を食らい、数秒間、完全に動けなくなる。「ガハッ!」と血を吐き、壁からずり落ちて膝をついた。

 だが……それでもゆっくりと、痛む体に力を籠めて立ち上がる。

 これほどの打撃を受けながら、この男はまだ力を失っていなかった……!


(この私の動きを捉えたか。もはや猶予はならんな。ここで仕留めねば!)

 ゆらりと立ち上がり、再び身構えるマスターウインド。余裕を無くしはしたものの、闘志も殺意も微塵も揺るがぬ目をジンへ向けていた。


 そしてジンは。

 体から力が抜け、床に膝をつきそうになる。

 渾身の反撃一打――それでほぼ限界だったのだ。

 マスターウインドを睨みつけはするものの、荒い息を吐いてかろうじて立つ体には、もはや抵抗力などいくばくも残っていなかった。


 一歩一歩、ジンへ迫るマスターウインド。

 ふらつきながら、それでも身構えるジン。

 もはや跳躍一つで最後の一撃が入る、その間合いまで来た。その時――。

SUパロボDDをプレイしていて、獣神RAイガーのDOラゴ帝国に幹部が何人かいたのを思い出した。

「ライバル枠」「それに惚れる女」「強化敵作成する中盤から出た奴」は覚えていたのだが、それ以外にも何人かいたのを(全話視聴したのに)忘れていたのだ。

主人公の爺ちゃんを死なせた奴とかいた筈だが……どんな奴だったか全くわからん。


まぁ幹部どもよりも「ベガルーダがどう再現されるのか」「それまでサ終せず続くか」の方がよほど興味があるのも確かだ。

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