91 久遠 11
登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)
ジン:地球から召喚され、この世界で改造人間にされた男。
ナイナイ(ナイナ):異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた少年にして少女。
ダインスケン:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた爬虫人類。
リリマナ:ジンに同乗する妖精。
ヴァルキュリナ:ジン達を拾った女正騎士。竜艦Cガストニアの艦長。
クロカ:女ドワーフの技術者。Cガストニア所属。
ゴブオ:ジンについてきたゴブリン。
アル:冒険者の少年戦士。
パーシー:スイデン国所属の少年騎士。
コーラル:スイデン国所属の青年騎士。
レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。
ノブ:地上最強の霊能者。
ジルコニア:ノブに同乗する妖精。
ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。
リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。
エリカ:オーガーハーフエルフの整備士兼副艦長。
オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。
漆黒の中に無数の輝きが散らばる星の海。
絶対零度に近い真空の中を、突き破り突き進む物があった。
まるで一本の槍——しかし先端は星の海を進みながらも、その反対は見えない。
透明なわけではない。
あまりに長すぎて端が見えないのだ。
無限の長さをもつ槍が、ひたすらにどこまでも伸びながら宇宙の闇を突き進む。
その槍は目的地へと伸び続けていた。
目印めざして、無限の距離を、無限の長さで。
目印のいる目的地を槍は捉えた。
星だ。
一つの星を目指し、槍は伸びる。
光の速さでなら2日。
槍なら半日もかからない。
これでも目的地を前に減速したのだが。
星から光の矢が無数に放たれた。
槍を破壊するために。
光の矢は星の住人が造りうる最大最強の武器。
一つで大地を大きく穿ち、敵も街も消し去る事ができる、愚かにも強力な兵機。
かつて星の住人同士で向けあい、その威力ゆえに滅多に使う事ができなかった、住人達の最終手段である。
それが豪雨のごとく、無限の槍に襲い掛かった。
そして1つ1つが島をも消しとばす、そんな光の矢が、槍に当たって膨大な熱の球と化した。
何もかもを焼き尽くし溶かし尽くし蒸発させて消滅させる死の熱球‥‥。
その熱球をものともせず、槍はただ伸び続けた。
熱球の無数の輝きは、槍を焼き払うどころか、その表面に焦げ目をつける事もできなかった。
実のところ、住人達は光の矢で槍を消滅させる事ができるとは考えていなかった。
だが、それしかなかったのだ。
槍の存在が露わになった時、防ぐための、逃げるための、あらゆる準備の時間が残されていなかったのだ。
だから‥‥自分達がもっている物をありったけぶつける事しかできなかったのだ。
おそらく通じないだろうとわかっていても。
通じなかった。
その日のうちに、槍は星を突き刺した。
光の速さを超えて進む巨大な物体——どうやればそんな事ができるのかはこの場ではおいておく――が突き刺されば星とはいえ粉々になる筈である。
だが星は砕けなかった。
全土を覆う激震に見舞われたが、なぜか粉砕されなかった。
大地震は起き、それ故に未曾有の被害が各地に出たが——
——突き刺さった物の大きさと速度を考えれば、有り得ないほど軽微な被害でしかなかった。
そして、星は滅んだ。
一種類を除き、全ての生物が姿を消した。
槍が刺さってから数時間で。
星は静寂に包まれた。
星は回るのをやめた。
星に刺さった槍は巨大な柱となり、地衣類に覆われた地表から天へ伸びている。
天の向こうへ。星の海の向こうへ。
そして幾星霜。
星の反対側から、無数の球が噴き出した。
球の群れは大地から天へ昇り、その向こうへと、星の海へと飛び出していく。
星の海を、光を超えた速さで流れ、どこまでも。
球が噴き出して、しばらく後。
星の反対側から、槍の穂先が飛び出した。
穂先は大地から天へ昇り、その向こうへと、星の海へと飛び出していく。
無限に伸びながら、光を超えた速さで、どこまでも‥‥球の後を追って。
次の目印は既に灯っていた。
昔のゲームの攻略本を発掘したので懐かしみながら読んでいた。
「鳥系」モンスターの一覧表を見るが「種族:鳥」が一種類たりともいなくて思わず笑う。
なんで種族カテゴリに「鳥」が無いのに鳥系モンスター用のグラフィックがあるんだ。
データ上の種族カテゴリが「動物」「アンデッド」「ドラゴン」で爆笑。
まぁ「魚」系モンスターも同じようなもんなんだがな‥‥。




