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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第三次 疾風怒濤編
313/353

90 離別 10

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


ジン:地球から召喚され、この世界で改造人間にされた男。

ナイナイ(ナイナ):異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた少年にして少女。

ダインスケン:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた爬虫人類。

リリマナ:ジンに同乗する妖精。

ヴァルキュリナ:ジン達を拾った女正騎士。竜艦Cガストニアの艦長。

クロカ:女ドワーフの技術者。Cガストニア所属。

ゴブオ:ジンについてきたゴブリン。

アル:冒険者の少年戦士。

パーシー:スイデン国所属の少年騎士。

コーラル:スイデン国所属の青年騎士。


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。

リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。

エリカ:オーガーハーフエルフの整備士兼副艦長。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

 資材回収班と入れ違えに、SトライスタッグはCガストニアに帰艦した。

 分離して格納庫に着艦した各機からアル達が降りる。

 そこへ出撃せずじまいだったジンが声をかけた。

「たいしたもんだ。やったな!」


「あざっす!」

 元気に答えるアル。

「ど、どうもです」

 緊張しつつ頭を下げるパーシー。

「これで貴公と、少しは並ぶ事ができるかな」

 表情を引き締めたまま、しかしどこか嬉しそうに言うコーラル。


 ジンの後ろで、ゴブオは「チッ」と舌打していた。

 ナイナは俯いたまま黙っていた。

 ダインスケンは「ゲッゲー」と鳴いた。


 そしてクロカが、工具箱を手に作業へ向かうついでに、アル達へ声をかけた。

「フォーム3は消費の激しい武器しかないけど、よくあれだけ長時間戦えたな」

「アルにはEセーブ3レベルぶんのスキル本を渡しましたから。エネルギー消耗を7割程度に抑える効率的な戦闘が可能となっているのです」

 返事は横手からかかる。

 そこには魔法使いの少女が一人。元魔怪大隊長のアリスである。



「へえ、あなたのアドバイスなんだ?」

 そう訊いたリリマナに頷いたのはアルだ。

「ああ、そうさ。アリスがいなかったら合体もできなかった。もうすっかり世話になっちまっててさ!」

 声を弾ませるアルの側を、人造使い魔のポルタがふよふよと浮く。



「それほどでも‥‥」

 そう言いながら、アリスは緩んだ頬をほのかに紅く染めていた。



 ふとクロカが首を傾げる――三機のクワガタ機を見て。

「気のせいか? 損傷も消えていってるような?」

 それにアリスが頷く。

「ええ、HPもENも強化パーツで自動回復させてます」

「なるほど。それを今までの旅で拾って、あの機体に装備させてるのか」

 納得するジン。

 地球で散々遊んだゲームにも存在したので、自動回復系の強化パーツが存在する事に驚きはしなかった。

 しかし、アリスは首を横にふって否定する。

「いえ、私が造りました。COCPは沢山ありましたので」


 元魔怪大隊長ジェネラル・ガスト。

 高レベルな魔術師であり、アイテム作成の知識にも長けていたのだ。


「装甲と運動性と火力、形態ごとに能力特化しているので、全てに有用なパーツは少ない。ならば、どうせ変形を繰り返して長々と前線にいるでしょうから、継戦能力を上げて、戦闘力は三人のスキルとコマンドでなんとかしてもらおうと思いました」

 それがアリスの考えだった。

「で、OKされたと」

「はい! バッチリでしたよね! 本当に助けられました」

 ジンの問いに答えたのは上機嫌のアルだ。

 パーシーとコーラルも頷いている。


「それほどでも‥‥」

 そう言いながら、アリスは緩んだ頬をほのかに紅く染めていた。


「なんだこのアマ。褒められたくてわざわざ顔出したのか、ケッ」

 ゴブオが毒づいた。

 他人が手柄を自慢する事は、こいつにとって生きる甲斐の無いクソつまらない時間なのだ。

「そ、そういうわけでは! ないないないないありません!」

 早口で言いながらメガネが落ちそうなほど首をブンブン振って、アリスは大いに焦って否定した。

 仮に、あくまで仮にゴブオの言う通りだったとして、誰だって褒められて生きたいので無罪である。



――翌日。二隻の艦はスイデン国の首都に着く――



 城のドックに艦を入れ、どちらのクルーも一旦下船する。

 修理や整備は軍に任せ、王に事情を説明した後、彼らは広間の一つを借りて休憩した。


「なんだかんだで全員で来ちまったな。戻る奴とここに残る奴に改めて別れるか」

 ソファにもたれて言うジン。

 それにノブがメガネを弄りながら答える。

「まぁ分担は最初の予定通りでいいだろう」

「だな。ジンにゃあ見合い話もあるだろうし、城にいないとなー」

 ジルコニアがニタニタと笑った。

 ジンは肩を竦める。

「結局、黄金級機(ゴールドクラス)は造らなかったんだから無ぇだろう‥‥と、そういやずっと忘れてたんだった。これを渡しておくか」

 そう言って、艦から持ってきた小さな箱を側にいたレイシェルへ手渡した。

「何ですの?」

 言いつつ箱を開けるレイシェル。


 中で輝いているのは――竜神セブンセンシズに渡された神蒼玉(ゴッドサファイア)だった――!


「は?」

 目を丸くするレイシェル。

「おいおいおいおい!?」

 箱を覗き込んで狼狽(うろた)えるジルコニア。

 周囲の者達が皆驚愕する中、ジンは平然と告げた。

「こっちはもう3機とも強化済みだ。これから要るのはそっちだろ」


「こ、こいつ‥‥! 自分らがパワーアップする前はお嬢のぶんまで寄越せとか言ってやがったクセに、足りるようになったらこうもあっさりと!」

 ジルコニアが唸るが、ジンは「ヘッ」と笑ってみせる。

「スジは通っているだろ?」

 その側で、オウキが腕組みしながら「フッ」と笑った。

「まぁこういう奴だ」



――さらに翌日。修理と補給も終わり、朝――



 大賢者のダンジョンへ戻るため、出航準備を進めるCオーウォー。

 そんなドックへ、ジンが慌てて駆け込んできた。

「ジン? どうしたんだ?」

 オーガーハーフエルフのエリカが声をかける。

 ジンは落ち着かない様子で、周囲を見渡し、何かを探していた。


「ナイナイがいねぇ。朝起きたら荷物ごと消えていた。ウチの艦の連中は誰も知らないらしい。何かの理由でこっちに来たのかと、念のため見に来た次第でな」


 クイン星輝隊(せいきたい)の面々は顔を見合わせる。

「家出‥‥か? する奴はするからなー」

 呟いてノブを横目で見るジルコニア。

 ぷいと顔をそむけるノブ。

 その横で「はっ」と気づくレイシェル。

「まさか、元の体を死なせてしまった事を気に病んで‥‥」


 ふう、とリュウラが小さく溜息をついた。

「それ以外ないんじゃない?」

もうじきDDの精神本が200冊貯まりそうだ。

だが使いたいキャラは既に精神7~8枠あけてあるし、そうでないキャラは使う気がない。

300冊でも目指すか‥‥。

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