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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第三次 疾風怒濤編
228/353

6 出会 6

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


ジン:地球から召喚され、この世界で改造人間にされた男。

ナイナイ:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた少年にして少女。

ダインスケン:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた爬虫人類。

リリマナ:ジンに同乗する妖精。

ヴァルキュリナ:ジン達を拾った女正騎士。竜艦Cガストニアの艦長。

クロカ:女ドワーフの技術者。Cガストニア所属。

ゴブオ:ジンについてきたゴブリン。

アル:冒険者の少年戦士。

パーシー:スイデン国所属の少年騎士。

コーラル:スイデン国所属の青年騎士。


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。

リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。

エリカ:オーガーハーフエルフの整備士兼副艦長。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

 暗黒大僧正が、モニターの向こうでフードを外した。

 ヴァルキュリナの兄の一人、魔王軍に寝返った騎士ディーンの笑顔がそこにあった。


「あの状況で生きていただと!?」

 思わず叫ぶジン。

 暗黒大僧正——ディーンは平然と返した。

『死なないと言った筈ですが?』


『本当に、ディーン兄様なの‥‥?』

 レイシェルの声は震えていた。

 驚愕? 恐れ? 怒り? どれなのかは本人にもわからない。

 そんな彼女へもディーンは笑顔を向ける。張り付いたような笑顔を、元々細い目をさらに細めて。

『もちろんだ。レイシェル、良い子だから父上と母上の所へお帰り。ああ、神蒼玉(ゴッドサファイア)は置いていってくれ。あれには使い道があるからね』

 レイシェルはいやいやと首を横に振った。

『い、嫌‥‥嘘でしょう‥‥』



 信じられない物を前に、鬼甲戦隊(きこうせんたい)の動きは止まる。

 それを打ち破ったのは、その脇を駆け抜ける琥珀色の影——Eムーンシャドゥ!

『話が全て見えたわけではないが‥‥やらせてもらう!』

 Sサンダーカブトの横を、姿勢を低くして駆け抜けるノブ機。


 魔王機アミルアリアンがそれに反応し、掴みかかろうと掌を伸ばした。

 だがその頭上を別の影が舞う!


舞葬琉拳(まいそうりゅうけん)最大奥義・空蝉絶醐(くうぜんぜつご)!』

 必殺拳の名とともに上空から襲い来る手刀。

 オウキのSフェザーコカトリスが魔王機の装甲を切り裂いた!


 まだ30000ほど残るHPの前に、その一撃は致命傷には遠い。

 だが装甲が裂け目から灰色に変色し、割れて落ちる!

 コカトリスの石化の魔力が装甲を侵食しているのだ。


 一瞬遅れてノブが叫んだ。

『ブレイブドライバー!』

 勇気の石が呼応し、緑の輝きを放つ。

 そして光のオーロラを纏ったシャドゥが、宙から渾身の飛び蹴りを叩き込む!

 光輪が魔王機に穿たれ、火花を吹いた。


 しかし敵はまだ倒れなかった。

 側に着地したシャドゥへ掌が伸びる。触れた物を分解する死の接触が!

 それはシャドゥの首を鷲掴みにした。


 シャドゥは――しかし、両腕で敵の腕を掴む!

 一見では自殺行為である。

 だがアイテムで発動したスピリットコマンド【ブレイブ】の効果により、一撃だけ被ダメージを1/8に減少させる事ができるのだ。

(そうでなければこの一撃で、全HPの半分以上をもっていかれていたか。フル改造したこのムーンシャドゥの!)

 ムーンシャドゥの高い回避力を物ともせず捉え、硬い装甲に加えられる衝撃! 12.5%に抑えてなお700近いダメージの表示に脅威を覚えるノブ。

 だが()()()耐えられる。

 そしてあえて敵の動きを止めているのは――


『ドリルフィーバー!』

 五つのドリルを回転させながら、横から突撃してくるザウルライガー。

 いかな魔王機といえど、シャドゥと揉み合いになっている横手からそれを打ち込まれては避けようが無かった。


 そしてその巨体に宿る緑の輝きは、勇気の石が与える光。

 ノブは己が制作した【ブレイブドライバー】を自機に装備させ、もう片方の、エリカがパーティに持ってきた方をザウルライガーへ渡していたのである。


 力漲る五つのドリル、全てがことごとく、不気味な機体を刺し貫く!

 貫き、なおも激しく回り、外部も内部も砕いて散らす!


 爆発!

 火を吹きながら魔王機は吹き飛び、倒れた。

 各機体のモニターに映るそのHPは、確かに「0」‥‥。


 暗黒大僧正は‥‥ディーンは。

 操縦席で呟いた。

『‥‥やるじゃないか‥‥』

 目を細めて、嗤いながら。


 魔王機アミルアリアンは爆発し、火柱となった。

 砕け、燃え、粉々になって散ってゆく‥‥。

 そこから脱出した者はいない。操縦者は共に燃え尽きた筈だ。



『やった、のか?』

 Cオーウォーのブリッジで火柱を見つめ、疑わし気に呟くエリカ。

 メイン操縦席でリュウラがほっと安堵の溜息をついた。

『これで魔王軍は倒したのね』

『なーんだ。誰が黄金に乗るかとか、別にどうでも良くなったじゃねーか』

 ムーンシャドゥの操縦席で、ジルコニアがギザ歯を剥きだして笑った。


 だが、ジン達鬼甲戦隊(きこうせんたい)と、Cガストニアのクルーは誰も笑っていなかった。

(ディーンが‥‥あいつが暗黒大僧正であるわけがねぇ。それに前の状況を生き延びたなら、これでもまた生きているかもしれねぇな‥‥)

 ジンはそう考えていたし――ガストニアのクルー達皆も同じだった。


 そして、レイシェルは。ただ一人‥‥

(ディーン兄様。まだ罪を重ねますの?)

 ()()()()()()、ではなく。悪に身を落した兄が、まだ生存している事を、なぜか確信していた。

設定解説


・アミルアリアン


暗黒大僧正が乗る謎の機体。

金属は全く使われていない。体を覆う装甲は全て、巨大昆虫か節足動物の甲殻を利用した物で、全身を蔓のような紐が巻き付いて補強している。

頭部は根が絡み合ったような形状で、顔らしい物は無い。

その性能は黄金級機にも匹敵するが、材料、動力、生産拠点等、一切が不明。


基礎ステータス(強化改造や装備するアイテムにより、この数値は変化する)

HP:60000 EN:300 装甲:2500 運動:130 照準:200

射 流星光線(MAP) 攻撃3500 射程1―6直径7

射 破壊光線    攻撃4500 射程1―8

格 死の接触    攻撃5000 射程P1―4

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