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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第三次 疾風怒濤編
227/353

5 出会 5

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


ジン:地球から召喚され、この世界で改造人間にされた男。

ナイナイ:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた少年にして少女。

ダインスケン:異世界からこの世界に召喚され、ジンと同じ改造を受けた爬虫人類。

リリマナ:ジンに同乗する妖精。

ヴァルキュリナ:ジン達を拾った女正騎士。竜艦Cガストニアの艦長。

クロカ:女ドワーフの技術者。Cガストニア所属。

ゴブオ:ジンについてきたゴブリン。

アル:冒険者の少年戦士。

パーシー:スイデン国所属の少年騎士。

コーラル:スイデン国所属の青年騎士。


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。

リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。

エリカ:オーガーハーフエルフの整備士兼副艦長。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

「なにぃ!?」

 現れた敵機の、その操縦者の――魔王軍首領の――名前を見て、ジンが驚愕して大声をあげた。



暗黒大僧正 LV45

アミルアリアン HP60000



 全身のどこにも金属らしい部分が無い人型の機体。

 装甲は全て、巨大節足動物の甲殻を利用した生体鎧。そこに巻きつく蔓のような無数の紐。

 まるで根が絡み合ったような無貌の頭部。

 モニターに映る操縦者の顔は、灰色のフードローブの陰に隠れてよく見えない。


 現魔王軍の首領だというその相手は、ケイオス・ウォリアーなのかどうかもわからない機体に乗り、燃える都の中、ジンやレイシェル達の軍を前に佇んでいた。

 静かに、様子を窺っている。

 大袈裟で長い前口上など無い。無言であった。


「え? ウソォ! 本当にラスボス出てきたのォ!?」

「四天王がまだ二人残っている筈なのにな‥‥スジが通らねぇ‥‥!」

 仰天するリリマナ、呻くジン。

 だがノブがEムーンシャドゥの中から言う。

『しかし‥‥考えようによっては、ここで魔王軍を打ち破るチャンスだ』



 気になる事はあったが、ジンは機体を一歩前進させた。他の機体へ通信を飛ばしながら。

「まず俺ら鬼甲戦隊(きこうせんたい)が行く。他は下がっていてくれ」

『けど、戦力の逐次投入は‥‥』

 悪手ではないのかと、レイシェルが反対する。


 しかしジンは彼女のSエストックナイトへ片手で制止をかけた。

「良し悪しは常に状況次第だ。こんな所へ敵さんの総大将が何の策も無しに出て来たのかどうか‥‥疑う余地がある」

 それを聞き、今度はリュウラが訊いてきた。

『だからまず貴方達が戦い、敵の強さと罠の有無を探ると』

「そうだ」

 短く答えるジン。


 さらに尋ねるのは、今度はザウルライガー。

『そのまま倒せればそれで良いでしょうが‥‥危険ですよ?』

 敵の方を向いたまま、ジンはそれにも短く答える。

「俺の勘でしかないが‥‥どうやろうと安全に戦える相手じゃねぇ」


 そしてジンは‥‥Sサンダーカブトは敵機へ走り出した!

 同時にその後をナイナイとダインスケンの、BCバイブグンザリとクローリザードが追って走る。何の合図もなく、全く同時に。

 他の機体は一呼吸遅れた形になり――やむなくレイシェルが味方へ呼び掛ける。

『私達はせめて周囲の敵を!』

 周辺にはまだ魔王軍の機体がいるのだ。

 残った者達は、暗黒大僧正への助っ人だけはさせまいと、それら兵士の機体へ打ちかかった。


「すまないな」

 激突までの短い間に、ジンは二人の仲間に通信を入れる。

『ううん。確かに怖いけど‥‥これで戦いが終わるかもしれないし』

『ゲッゲー』

 ナイナイの声には緊張はあったが、恐れはない。

 ダインスケンはいつもと全く変わっていなかった。


 ジンは己のスピリットコマンド【スカウト】で敵の能力を暴く。

 まずは操縦者の能力を――



暗黒大僧正 LV45

格闘256 射撃256 技量263 防御215 回避158 命中190 SP165

2回行動:連続して行動を行う。

ガード3:戦意(モラール)130以上で被ダメージが20%軽減される。

極:戦意(モラール)130以上で命中・回避・クリティカル率に+30される。

アタッカー:戦意(モラール)130以上で与ダメージが20%増加する。

精神耐性:パイロットへのデバフを無効化する。



「なんだ!? このスキルは!」

 驚愕するジン。戦意(モラール)で発動する強力なスキル群を見て、急ぎ指示を出す。

「リリマナ! 【ウィークン】だ! 敵の戦意(モラール)を下げろ!」

「う、ウン!」

 了解する妖精とともに、ジンは敵への戦意(モラール)を下げるコマンドを飛ばした。


 そのコマンド、全く効かないわけではない。

 だが【精神耐性】の効果により――戦意(モラール)は100より下には低下しない。そこまでの効果しかないのだ。


 そして暗黒大僧正の、アミルアリアンと名称表示される機体が動いた。

 右手を掲げるとその掌がチカチカと光る。


 途端に遥か上空から、無数の光線が雨のように降り注いだ!

 それはジン達三機を容赦なく撃ち抜く!

 操縦席で歯を食いしばるジン。

(ちぃっ! 当たり前みたいにMAP兵器か!)

 だが鬼甲戦隊(きこうせんたい)は10段階フル改造済み。広範囲に威力が拡散している攻撃で、そう容易くは倒されない。


 しかし。光線の雨が止むや否や、次の光線雨が再度降り注いだ!


 連続して高熱の雨に晒された地面が焼け、溶け、煙をあげる。

 サンダーカブトは持ち前の頑強さで立っていたが‥‥バイブグンザリとクローリザードは、装甲のあちこちを砕かれ膝をついていた。

 どちらもモニターに表示されたHPは3割ほどに減少し、黄色く点灯し、危険域の手前まで追い込まれた事を示している‥‥!


『マップ兵器を、ああも連続で発射できるだと‥‥!』

 艦のブリッジで冷や汗を止められないヴァルキュリナ。

「だ、大魔王サマは大技でもタメがいらねぇって奴か‥‥スジがとおらねぇ!」

 ジンは歯軋りしていた。

 敵首領の持つスキル【2回行動】と、広範囲を焼き払うMAP兵器の組み合わせに‥‥。


 しかしまだ敗れたわけではない。

 ナイナイが叫んだ。

『トライ、シュートォ!』


 一瞬で放たれる三発同時射撃。

 電撃、衝撃波、鱗手裏剣が敵機アミルアリアンへと刺さった!

 それは大きな爆発を起こす。


(俺らの攻撃も‥‥効かないわけじゃねぇ!)

 よろめく敵機へ、ジンはカブトを走らせた。

 その右腕が電撃を放ち輝く。

「サンダーアーム!」

 稲妻と化した正拳が、得体の知れない敵機を打った!


 火花が消えぬうちにダインスケンの声があがる。

『ケケェーッ!』

 爪を伸ばし刃と化し、繰り出すは高速の斬撃。

 射撃を終えたナイナイ機もその一瞬後ろに続いて走っている。

 拳を引いたジン機と入れ替わるようにして、二人の打撃が暗黒大僧正機を打つや、再び踏ん張ったカブトのサンダーアームが放たれる!


 三機の合体技・トリプルウェーブは、この時も完璧に炸裂した。


 流れるような連続攻撃で畳みかけられ、大僧正の機体は装甲をまき散らし火を吹いた。

 表示されるHPは半分を切っている。

 だが‥‥敵機アミルアリアンは、ゆらりとした動きで右手を再び上げた。それが輝き――再び降り注ぐ焦熱の流星雨!

 それは容赦なく鬼甲戦隊(きこうせんたい)へ炸裂した!


『きゃあぁ!』

 ナイナイの悲鳴があがる。焼け焦げたグンザリが両膝をついた。

 装甲・運動性ともに微妙なこの機体は、範囲攻撃の息もつかせぬ連打を前に限界が来たのだ。


 そして「一息の間に連続で放たれる」魔王の攻撃が容赦なく襲う!

 伸ばされた掌が、ナイナイ機の頭を鷲掴みに――


「させねぇからよ!」

 割り込んだカブトがその掌を阻んだ。

 が、代わりに己が掴まれてしまう。


 途端に堅固を誇るカブトの装甲から何かが噴出した!

(砂? 塵? いったい何が‥‥)

 訝しむジンだが、その正体をすぐに見極めた。

 そして絶句した!


 カブトの装甲が分解され、粉となって撒き散らされているのだ!

「こ、こいつは‥‥!?」

 暗黒大僧正機を蹴飛ばし、なんとか振り払う。

 なんとか間合いを離した時、カブトの強固な装甲はくり抜かれたように(えぐ)れ、表示されるHPは既に半分を下回っていた。


 戦慄するジン。

(ナイナイが食らえば確実に撃墜されていた。この攻撃力、間違いなく黄金級機(ゴールドクラス)に匹敵する‥‥)

 それを暗黒大僧正のもつスキルにより連続で仕掛けてくるのだ。ならば単純に考えて攻撃性能は倍!

 そして機体性能は黄金級機(ゴールドクラス)に匹敵‥‥。


 暗黒大僧正——その力は、確かに大隊長を凌駕していたのだ。


 その暗黒大僧正の笑い声が聞こえた。

『ハハハ‥‥相変わらずしぶとい』

「なにぃ!?」

 再度、驚愕するジン。


 ヴァルキュリナも、クロカも、Cガストニアのクルーは皆が同じく驚いていた。

 そしてレイシェルも。『そんな、そんな‥‥』と。


 彼らは皆、暗黒大僧正の声に聞き覚えがあったのだ。

 そんな筈は絶対に無いのだが。


 モニターの向こうでフードが外される。

 ヴァルキュリナの兄の一人、魔王軍に寝返って討ち死にした騎士、ディーンの笑顔がそこにあった。

現時点のステータス


ジン=ライガ

レベル41

格闘227 射撃224 技量239 防御214 回避143 命中176 SP142

ケイオス7 底力7 援護攻撃1 援護防御1 H&A 闘争心3 戦意限界突破3 ガード3 アタッカー


ナイナイ

レベル41

格闘210 射撃227 技量236 防御183 回避176 命中179 SP142

ケイオス7 底力5 援護攻撃1 援護防御1 H&A 闘争心3 戦意限界突破3 見切り3 アタッカー


ダインスケン

レベル41

格闘229 射撃206 技量238 防御185 回避177 命中173 SP142

ケイオス7 底力6 援護攻撃1 援護防御1 H&A 闘争心3 戦意限界突破3 見切り3 アタッカー


ヴァルキュリナ

レベル41

格闘221 射撃205 技量236 防御196 回避117 命中170 SP142

ケイオス3 指揮官4 援護防御2 H&A 闘争心3 戦意限界突破3 ガード3

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