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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第2次 烈風復活編
218/353

109 陰陽 3

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

エリカ:オーガーハーフエルフの女整備士兼副艦長。

シランガナー:人造人間型強化パーツ・ファティマンの一体。

リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。

VガンダMU:アニメで雑すぎる処理されてたOデロ君とKUロノクル氏にちゃんと見せ場を与えていた漫画版を評価したくなる良作。

 ノブと魔人ジェイド‥‥EムーンシャドゥとUディケイウィザードは睨みあう。

 リュウラはそれをブリッジのモニターで確認していた。


(本当に、嫌な奴‥‥!)

 大賢者トカマァクの住居から出発する日、格納庫でノブが持ちかけて来た話を思い出す。



――モヒカンのエルフ作業員達が騒ぐ中、ノブは小声で話しかけて来た――



「君の事は今でも理解できない。レイシェルへの想いは不可解過ぎる」

 神妙な顔でノブが言った言葉は、はっきり言って不快だった。

「‥‥そんな事を言いたいわけ?」

 返答によっては一戦交えてやろうか。

 そう思いつつリュウラは訊いた。


 だがノブは極めて真面目に話を続けた。

「言いたいのは‥‥理解はできない。けれど君を信用はできると判断したし、協力してもらいたい」


 そしてノブが物陰へリュウラを引っ張り込んで持ちかけた案。

 それこそが、敵の布陣次第では艦の加速を利用して大将――魔人ジェイドの懐へ跳び込むという物だったのだ。


「あんた一人で突っ込むの!? 一番強い敵に」

 流石にリュウラは驚いた。

 全員で力を合わせて戦えばいいのに、なぜそんな危険を冒すのか。

 しかしノブは強い意志で頷く。

「そうだ。そのために艦も利用させてくれ」

「危険だけど」

 念を押すリュウラ。

 再び頷くノブ。

「そうだ。まぁ敵の布陣次第での話だから、必ずやるわけではない。ただ土壇場で突然頼んでも上手くいかないだろうからな」


「なんでこっそり話すの?」

 この話は自分にしか持ちかけていない筈だ。そこがリュウラには疑問である。

 なぜ自分だけになのか?

 ノブとは会って日が浅いし、仲が良いわけではない。むしろリュウラにとって、ノブは‥‥。


 そして、ノブの返答は。

「皆が間違いなく反対するからだ。だが君なら協力してくれるだろう。そういう危険を冒さねばならない場合もある、と‥‥作戦指揮を学んできた君なら」


 艦の協力が不可欠な作戦である。

 そしてリュウラなら理解してくれるだろう、という判断である。


 だがリュウラは気に入らなかった。

 まるで自分を理解しているかのような言い草も‥‥ノブが彼の言った通り、ある種の信頼を自分にもっている事も。

 だからついこんな言葉が出た。

「‥‥あんたがいなくなったらいいのに、と思っているしね」

 そう言って、ぷいと横を向いた。


 だがノブは、自分を嫌うリュウラへ言ったのだ。

「いなくなった時、レイシェルを一番守ろうとしてくれるのは、今の君だと。そうも思えるしな」

「‥‥!」

 横を向いたまま、リュウラは言葉にならない声をあげそうになる。

「頼んだ」

 かつては魔物を率いて襲いさえしたリュウラへそう言って‥‥ノブは皆の方へ戻って行った。



――そして今。ノブの頼み通り、リュウラは敵の大将へとノブを送り出した――



 改造怪獣メタルアントライオンどもは、ノブ機を無視して艦の方へと殺到している。

 距離が近い事もあるし、ムーンシャドゥ以外は艦の周囲に集まっているからでもあるだろう。

 不死の兵士はあまり複雑な事を考えず、近くの、多数の敵へと襲い掛かっているのだ。


 ノブの思惑通り、彼は敵の大将と一騎打ちの状態へ持ち込む事ができたのだ。

 その機体をモニターで見ながら、リュウラの心はざわめいている。

(嫌な奴! 本当に嫌な奴! 人の気持ちを見透かしたみたいにして! もう帰ってこなければいいのに)


 胸中にもやもやした思いを抱えるリュウラへ、レイシェルから通信が入る。

『リュウラ、ノブが一人で‥‥』

「そういう作戦だから」

 本当の事だ。リュウラはそう言い切った。


『リスクが大き過ぎません!?』

 なおも不安なレイシェル。

「わかった上でだから」

 だがリュウラはそう言い切った。


『そうは言っても!』

 なおも不安なレイシェル。

(心配なんだね、あいつが。確かに危険な戦い方をしている。それが、レイシェルには‥‥たまらないんだね)

 それがわかったから。

「あいつなら帰ってくる」

 リュウラはそう言い切った。


『それは!‥‥そうです、わ。そうですわね‥‥』

 信頼と不安の間で揺れるレイシェル。

 その心が信じる方に寄ったのがわかる。


 自分の励ましでそうなった事の、一の嬉しさと四の苛立ちと、五の寂しさ。

 それを抱えながらリュウラは声を強める。

「私達は周囲の敵を叩く! 各機、連携を密にして! 敵の攻撃の波を援護防御と反撃で凌いで、切り抜けた後にレイシェルが範囲攻撃! その後、損傷した敵から各個撃破!」

 周囲に集まったメタルアントライオンの壁を前に、リュウラは味方へ指示を出した。


『了解です!』

 威勢よく応えて先頭に躍り出るザウルライガー。

『ふむ、やるか』

 オウキのSフェザーコカトリスが艦の右へと飛ぶ。

『‥‥わかりましたわ!』

 決意の籠った声で、レイシェルはSエストックナイトを艦の左へと進めた。


 三機の中央で敵の動きを窺いながら、リュウラは想う。

(あいつがどうなろうと知らない。帰ってくる相手は、きっと守ってみせるけど)



 改造怪獣の群れが襲ってきた。


 それにザウルライガーは真正面からタックルでぶつかる。

 敵に勝る体格とパワーで、襲ってきた敵を逆に吹き飛ばした。


 フェザーコカトリスは宙に舞い、敵の攻撃を避けながら頭上から反撃する。


 エストックナイトは敵の熱線を機敏にかわし、お返しにと熱線の魔術を撃ち返した。


 激しい乱戦を他所に、ムーンシャドゥとディケイウィザードは対峙する。

 魔人ジェイドから通信が送られた。

『まず言っておく。儂の戦意(モラール)が上がっていないから強い武器は使えない‥‥などと思っているなら、それは無駄だと』

 その言葉とともに、右腕の五つの指輪が輝き出す。

 それは最強の武器が発動する前触れだ。


 ケイオス・ウォリアーの強力な武器は、操縦者に高い戦意(モラール)を要求する。感覚を一体化させているがために、操縦者の精神状態に強い影響を受けるからだ。

 だが‥‥と。ノブは直感的に悟った。


 今のディケイウィザードは、全ての武器を戦意(モラール)の高低に関わらず使えるのだろう、と。

 以前、戦意(モラール)を下げるデバフで煮え湯を呑まされたが故に、それを克服してきたのだろう‥‥と。


『そうか。だが‥‥僕は!』

 それがわかってなお、ノブの闘志はいささかも衰えてはいなかった。


 ムーンシャドゥがマントを翻す。

 ディケイウィザードもマントを翻す。

 同門の魔術師が乗る二機の人造巨人が、今、激突する――!

設定解説


・Uディケイウィザード(強化)


基本性能は前回の登場から特に変化は無い。

一応2段階ほど改造されており、ややパワーアップはしている。

だが武器の消費や機体の特殊能力が改善されていて、隙の無い機体に仕上がっている。


ステータス

HP:70000 EN:330 装甲:2580 運動:110 照準:200

HP回復・小 EN回復・大 特殊効果無効

射 ニュークリアーブラスト(MAP) 攻撃3700 射程1―5・着弾点指定直径5 必要戦意― 消費10

射 スーパーノヴァ          攻撃4200 射程P1―9 必要戦意― 消費2

格 ギャラクシアンファントム     攻撃5200 射程P1―3 必要戦意― 消費5

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