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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第2次 烈風復活編
200/353

91 師匠 3

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。合体形態・ザウルライガー。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

エリカ:オーガーハーフエルフの女整備士兼副艦長。

シランガナー:人造人間型強化パーツ・ファティマンの一体。

リュウラ:クラゲ艦・Cウォーオーの艦長を勤める魔法戦士の少女。好きな動物はネコ。

『ほう‥‥マスタージェイド、ですか』

 大賢者トカマァクは触手で腕組みした。

 そして言う。

『誰ですそれ?』


 大賢者はその名に覚えが無かった。

 首を傾げる、オーガーハーフエルフのエリカ。

「あの爺さん、嘘ついてたのか?」

 だがノブは指を軽く振った。青い煌めきが宙に舞い、映像が投影される。

 無論、それはマスタージェイドの姿だ。

「こんな老人ですが」

 改めてノブは師に問う。


 果たして、大賢者の反応は。

『ワーグラ! ええ、確かに君の兄弟子でした。今は一体‥‥』

 単眼を見開いて驚き、大声をあげ、弟子に聞き返したではないか。


 マスタージェイド――本来の名はワーグラ。

 ノブはその魔術師がいかに己らの前へ立ち塞がったか、それを話す。


『なんと、魔王軍に! そこまで道を踏み外しているとは』

 大賢者はそれを信じ難いようだった。金属箱のボディを頭のように左右へふる。

「我が師よ、兄弟子ワーグラはなぜ破門されたのです?」

 ノブのその問いに、大賢者は答えはした。

『彼は‥‥生体改造研究に手を出したのです。目的は己を強力な新生物に人工進化させること。そう、ノブ達が戦ったという魔人形態です。その研究と実験のため、彼は人間国家から出て魔物や犯罪者と手を組むようになりました。法の無い環境で人体実験を繰り返すために、です』


 それを聞き、ノブが静かに師へ訊く。

「その過程で産み出されたのが、この僕なのですか?」

 かつてマスタージェイド――兄弟子ワーグラが言っていた事を。


 しばし、間が空いた。

 だが大賢者は――

『‥‥そうです』

 正直に答えた。

 嘘をついた所で、ノブには虚言を看破する呪文があるのだから。

 

「ノブは異界から召喚された聖勇士(パラディン)じゃなかったんですの!?」

 信じられずに詰め寄るレイシェル。

 それに大賢者は、頷くようにボディの箱を縦に揺らす。

『それも本当です。確かに聖勇士(パラディン)だったのですから』


 ノブの頭の中でワーグラから聞いた単語が浮かんでは消える。


 死んだも同然――細胞の一片から新たな体で蘇る――生体改造技術の応用――【クローニング】と呼ばれる処置――赤子にまで戻した――複製というより再構成。


 ノブの口から言葉が漏れ出た。

「僕は、誰だったのです‥‥?」


 師は答えた。

『ノブですよ。貴方は最初から貴方です』


 だがノブは食い下がる。

「では()()()は?」


 大賢者は、少しの間どう答えたか考えた。

 しかしすぐに近くの水晶玉に触れる。

『名も無き聖勇士(パラディン)です。かつては私の敵でした』

 そう言って、水晶玉に映像を出した。


『この世界には数えきれない程、魔王が現れて軍を造り、人々――エルフやドワーフ等、善の亜人種も含めてです――と戦ってきました。しかし魔王が不在の時代も魔物が大人しいわけではありません。小規模な国家や軍団は常に存在し、人々と敵対しています』

 様々な時代の、人と魔物の戦いが映り、次々に場面が切り替わる。

『この大賢者トカマァクは240年に渡り、人類側の味方として助力してきました。よって魔物達には敵視されています。長い時の間に、何度も刺客が送り込まれて来ました』


 水晶玉に、黒い制服を着て剣を手に持つ青少年が映った。

『20年近く前になります。ある半魔族人(デーモンハーフ)が率いる魔物の組織が私に刺客を送り込みました。召喚された聖勇士(パラディン)と、それが率いる暗殺者達です』


 顔は包帯のような布が巻かれてよくわからないが、青年の輪郭や体格はノブによく似ていた。

設定解説


・魔物の小規模な国家や軍団は常に存在し、人々と敵対している


小規模と言っても「世界の危機というほどではない」という意味である。

ダークエルフの地下帝国やリザードマンのジャングル王国など、大概の人間の国家より巨大で古い魔物の国もこの世界には存在する。

城・砦・ダンジョンのレベルなら、それこそ何時の時代も無数に魔物の勢力は存在し、物によっては周辺一帯を実効支配している事も多々ある。

英雄の活躍の場はいつの時代もどこかにあるのだ。

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