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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第2次 烈風復活編
174/353

68 潜伏 7

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

エリカ:オーガーハーフエルフの女整備士。

シランガナー:人造人間型強化パーツ・ファティマンの一体。

KIカイダー02:大きかった覚えは無いがいけると思えばいけるやろ。SUパロボに参戦希望。

 戦いは終わった。

 夕陽の下、散らばる魔王軍機の残骸から、エルフ作業員達が物資を回収するため走り回っている。

 その中で威容を放つ竜型合体用機タイタンケラトスを、元ガデア魔法騎士団員のグスタは見上げていた。


「お前らが作ったのか、あれ。すげえな」

 感心するグスタに、ちょっとバツが悪そうなレイシェル。

「あ、うん、そうですわね」

(お前ら、に私は入っていませんけど‥‥)

 飯を煮る練習が新型機の製造に劣る価値でもあるまいが、まぁ本人がどう感じるかは本人次第だ。


 そこへオーガーハーフエルフのエリカが不機嫌に口を挟む。

「お前は捕虜だ。質問をするのはこっちだろ!」

 怒るでもなく逆らうでもなく彼女へ振り向くグスタ。

「そうだな。で、何が聞きたい」


 最初に問いかけたのはレイシェルだった。

「どうしてまた私達と戦いましたの?」

 宿場町で彼を見逃したが、それでも恨まれていたのか。そう思うと悲しくなる。

 グスタは‥‥少し言い淀んで、レイシェルから僅かに目を逸らした。

「どうにもスッキリしなくてな。レイシェルは騎士団を追い出されて、家も潰れそうで、魔王軍にも目をつけられてる。それでも必死こいて踏ん張ってる」


 そして自嘲気味な笑みを微かに浮かべた。

「俺は‥‥敵にへつらって化け物頼りにして手段も選ばなかったのに、お前らに負けちまった。その上で見逃してもらっちまってよ」


「情けねぇなあ」

「おい、ジル!」

 呆れた声を漏らすジルコニア。

 それをエリカが見かねて諫めた。

 だがグスタは怒りを見せない。居心地悪そうな顔で後頭部を掻く。


「情けねえわ。でも、それにしたってもうちょい形ってもんがあるだろ。だから正面からぶつかって終わりにしたかったんだよ」


 彼個人の感傷である。迷惑な話である。


 だがノブは。

「なるほど。手強かったぞ」

 腕組みして、機嫌良さそうに、笑みさえ浮かべて。そう言った。

 グスタは「へっ」と呟く。

 どこかさっぱりした顔で、だ。



 そこへゴーズが訊ねる。

「マスタージェイドは何してる?」

()()に出撃先を指示したら部屋に籠っちまった。何かを開発してるらしいがな」

 無論、具体的に何をしているのかグスタは知らない。

 考え込むレイシェル。

「やっぱり黄金級機(ゴールドクラス)なのかしら‥‥」


 この世界で、今、神蒼玉(ゴッドサファイア)を使って造り出せる最も価値の高い物となれば、誰もがそう考える。

 それ以上の使い道は今の所無いのだ。


 今度はノブが訊いた。

()()と言ったが、他にも僕らを狙う部隊があるんだな?」

「ああ。お前達を探す部隊が俺含めて二つ。もう一つが封印の地を見張ってる筈だ」

 グスタの言によれば、他に三部隊いる事になる。

「どんな奴らだ?」

 それもノブが訊くが、今度は首を横にふって拒否するグスタ。

「そこまではバラせねぇって事で。俺はお前らに情報をチクりに来たわけじゃねぇからな。どうしても知りたいなら魔法で頭の中でも覗いてくれ」


「やるのか?」

 エリカがノブに確認する。

 だがノブは肩を竦める。

「気は進まんな」


 やれば簡単な事である。

 ノブの力量からしても、グスタが抵抗しないだろうという点からも。

 だが、ノブはやらない事にした。


「これからどうしますの?」

 レイシェルが心配そうに訊く。

 敵にまわる事はもう無いだろう。それは心配していない。

 だがグスタは二度もレイシェルの捕獲に失敗している。魔王軍に戻る事はできない筈だ。


 グスタは夕陽を眺めながら答える。

「魔王軍と戦う事にする。逃げ回るぐらいならこっちから、でもあるし‥‥祖国を取り戻すためとかいう真っ当な理由もある。ガラじゃないのは認めるけどな」

『それなら我々と来るか?』

 そう訊いたのは、分離して近くに来たドリルライガーだ。


 勇者たる彼も、今のグスタならパーティに加えても良いと判断したのである。


 しかしグスタは、笑いながらもそれを断った。

「それは恥知らず過ぎるな。どこかの冒険者パーティにでも入れてもらってなんとかやっていくわ」

 そう言ってレイシェル達に背を向け、いずこともなく歩き出した。

 夕焼けの下、背中越しに一声かけて。


「負けるなよ。お前らならやれる筈だからな」

設定解説


・Cボーンドムササビ


陸戦大隊親衛隊マスターギルが艦長を勤める空中戦艦。

ムササビという事だが、黒いボディに骨のような外部装甲がはりついており、どこがムササビなのかは一考の余地がある。

三種の武装のうち、対空火器の「ボーンミサイル」は最弱の威力を誇り、空中での撃ちあいは得意ではない。

半面、地上爆撃用の「空爆」は空適応が無い反面、地上適応がSであり、地面にいる敵にスペック以上のダメージを叩きだす。

最強の「ムササビヘルハッグ」は敵を翼で包み込みながらベアハッグをかます荒業であり「デカブツには懐に潜り込むべし」という浅はかな考えの愚か者を何人も地獄へ追いやって来た。


基礎ステータス(強化改造や装備するアイテムにより、この数値は変化する)

HP:24000 EN:200 装甲:1500 運動:80 照準:150

射 ボーンミサイル   攻撃3000 射程1―5

射 空爆        攻撃3500 射程P1―6

格 ムササビヘルハッグ 攻撃3800 射程P1―2

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