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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第2次 烈風復活編
172/353

66 潜伏 5

登場人物の簡易紹介(誰かわからない奴がいた時だけ見てください)


レイシェル:クイン公爵家の令嬢にして魔法戦士。

ノブ:地上最強の霊能者。

ジルコニア:ノブに同乗する妖精。

ドリルライガー:ドリル戦車に宿ったエネルギー生命体。

オウキ:元魔王軍空戦大隊の親衛隊。核戦争で荒廃した世界から来た拳法家。

エリカ:オーガーハーフエルフの女整備士。

シランガナー:人造人間型強化パーツ・ファティマンの一体。

KA面ライダーキバ:城とか重機でなんとかいけるだろ。SUパロボに参戦希望。

 魔王軍の部隊が攻めてくる。次はケイオス・ウォリアーの部隊だろう。

 倉庫内――味方のケイオス・ウォリアーが並んでいる区画では、急ぎ出撃準備が進められていた。エルフの整備員達が走り回っている。


「新兵器はもう使えますの!?」

 驚くレイシェルに、オーガーハーフエルフのエリカが眠い目をこすりながらも笑って頷く。

「へへ、控えめに言ってバッチリさ。倉庫の中だけど起動試験もさせたよ。さっそくここへ持って来て‥‥」


 『新兵器』はここには無い。制作に使っていた区画は最奥の工場だからだ。


 しかしノブは「ダメだ」と言った。

「まだエネルギーの補給が不完全だ」

 言われたエリカはむっと眉をひそめる。

「なんでだ? 動作試験の時に満タンにしたじゃん?」

「その動作試験で消費しただろう」

 ノブにそう言われたエリカはむっと眉をひそめる。

「入れ直さなかったのか?」

「入れ直しているのが今なんだが」


 試験開始:魔王軍の偵察隊を発見したあたり

 試験終了:魔王軍の偵察隊がゴーズに一掃されたあたり


「本当にギリギリの完成でしたのね‥‥」

 感心半分、呆れ半分でレイシェルはそう言った。


 頷きながら、ノブは透視の呪文【ウィザードアイ】をその場で使う。

「ふむ。大型の敵が近づいている。そろそろ出撃しないとな」


 魔法の青い球――その中心が倉庫なのだろう。

 そこへ向かって動く輝きがいくつもあった。


「やっぱ魔法って便利だな。あたしも使えればなあ」

 魔法の素質に乏しいエリカが羨ましそうに見る。

 その頭上でジルコニアが呟いた。

「お前さんのエルフ要素はどこなんだよ‥‥」



――出撃するレイシェル達。倉庫から出たクラゲ艦Cオーウォーのモニターに敵の姿が映る――



 巨人兵士に犬頭の獣人型、見慣れた量産型のケイオス・ウォリアー部隊が山と川の間の平地を近づいてくる。

 だがその部隊の()()別の部隊があった。

 カラスの頭部を持つ量産型機の群れと、その後方を飛ぶ巨大な艦が!


『飛行艦か。思ったより本格的な部隊だな』

 モニターを見て呟くノブ。


 飛行艦は翼を広げた獣――ムササビかモモンガを模しているようだ。

 だがその頭部は骸骨、体は黒く、それを白い骨格のような装甲が覆っている。


『おう、あれはCボーンドムササビだな。猛獣型と不死型の技術で造られたハイブリッド戦艦だぜ。魔王軍にもケイオス・ウォリアーより艦の方が好きな奴が少しはいてな。確かあの艦を使っているのは‥‥』

 クラゲ艦のブリッジで、相手を思いだそうと努めるゴーズ。


 それを聞き、答えは相手から返ってきた。

『そう、この私。陸戦大隊最強の親衛隊マスターギル!』


 モニターに敵艦長の顔が映った。

 フクロウの半仮面をつけ、長い杖を手にした老人が。


「あの‥‥陸戦大隊の大隊長がこっちにいますわよ?」

 無駄かもしれないが一応は言ってみるレイシェル。


『だから消えてもらいに来たのだ。マスタージェイドの研究を完成させるためにな』

 それがマスターギルの返事だ。

 やっぱり無駄だった。


『ま、それで俺みたいなのにまで白銀級機(シルバークラス)が許されたわけなんだがな』

 地上部隊を率いる白銀級機(シルバークラス)から通信が入る。

 聞き覚えのある声に、レイシェルは慌ててモニターを切り替えた。


「グスタ!? 貴方なんですの?」

 レイシェルの言葉通り、モニターに映った敵操縦者は‥‥かつてガデア魔法騎士団員であり、以前レイシェル達を宿場町で襲撃しようとした魔法戦士。

 大剣使いのグスタだった。

『ああそうだ。覚えてくれてたならありがてえ』


「まだ私達と戦いますの?」

 悲し気に訊くレイシェルへ、グスタは何かを抑えた声で告げる。

『そのためにここに来たんだ。きっちりケリをつけてもらうぜ』

『いいだろう。つけてやろう』

 ノブが口を挟んだ。

 その機体・Eムーンシャドゥがマントをはらって身構える。


『やれ、グスタ! レイシェルを捕まえてマスターグスタになる最後のチャンスだぞ!』

 上空の艦からの、マスターギルの声。

 そう言いつつも艦と飛行部隊は後方で待機していた。地上部隊を先に攻め込ませる気が窺える。

 そんなギルへグスタは呟く。

『なる気はねぇよ』


 一瞬、間があいた。


『なんだと?』

 言葉の真意を図りかねたギルの声。

 だがそれを意に介さず、グスタは『突撃!』と号令をかけた。

 魔王軍の地上部隊が、倉庫の前にいるレイシェル達へ襲いかかる!


 敵の鼻づらへと攻撃魔法を撃ち込む、レイシェルのSエストックナイト。

 そのすぐ側でクラゲ艦は触手を振り回し、敵を迎え撃った。エリカも少しは操艦に慣れ、力任せではあるが敵の量産機をなんとか打つ。

 とはいえやはり動きはぎこちなく、敵機の矢や投げ短剣を被弾してダメージが重なっていた。

 回復能力とレイシェル機の護衛があってなんとか戦えている状態だ。


 だからグスタ機がノブ機へ激しく攻撃していても、誰も加勢できない。


『受けな! Sメテオミノタウロスのシューティングスターをな!』

 重厚な鎧を纏った牛頭が鎖鉄球を振り回す。

 距離が離れていたので、ノブのシャドゥはサイコビームを敵に撃ったのだが――敵機の鎖はどこまでも伸び、鉄球が飛んできた。

 互いの一撃が互いを捉える!


 シャドゥは吹き飛ばされて大地に倒れた。

 だがミノタウロスは光線で焼かれても踏ん張り、持ち堪える!


『うわちゃ、なんか前と違うぞアイツ?』

 ノブの肩で焦るジルコニア。

 ミノタウロスはここぞとばかり、鎖鉄球を振り回して突進してくる!


『おいおい、あの武器って有利な位置取りしながら攻撃する卑怯武器なんじゃねぇのか? それも理解できねーのか』

 ジルコニアの言う通り、鎖鉄球は下手な飛び道具の射程より離れた距離から攻撃してきた。

 森の木や山裾の岩陰を使えばグスタ機は有利に戦える筈なのだが‥‥。


 しかしミノタウロスは近づいてきた。

 そしてまた別の球を投げつけてくる。

 それは空中でほどけながらシャドゥに絡みついた!

『ある種のボーラか!』

 武器の特性を見抜くノブ。しかしその時には球は紐となってシャドゥに絡みつき、運動性能を低下させていた。

 そこへミノタウロスが跳びかかり、鎖鉄球を叩きつける!


『ノブ!』

 レイシェルが悲鳴をあげた。

 直後、ノブの叫び声が轟いた。

『ブレイブドライバー!』



 紅く輝く魔王剣は、糸、鎖、鎧、そして機体の胴体‥‥全てを切断した。



 ざっくり裂かれて倒れるミノタウロス。火花をあげて動かなくなる。

 その操縦席で呟くグスタ。

『やっぱ、こうなったか‥‥』

 その声にはどこか納得が‥‥そして満足があった。

設定解説


・Sメテオミノタウロス


牛頭人身の猛獣型白銀級ケイオス・ウォリアー。

厚い装甲と強力な鉄球ハンマーで戦う重量級の機体。

メインとなる鉄球ハンマー「シューティングスター」は、鎖部分が伸縮機能を持つ特殊合金「アリアドナ鋼」の鋼線でできており、量産機の射撃武器を上回る距離まで伸びて敵を殴打する。

同材質で編んだ糸玉「アルフェッカロープ」を撃ち込み、敵機に絡みつかせる事で、相手の機動力を奪う事も可能。


基礎ステータス(強化改造や装備するアイテムにより、この数値は変化する)

HP:17000 EN:200 装甲:1800 運動:100 照準:155

射 アルフェッカロープ  攻撃3000 射程1―4 運動性低下2

格 シューティングスター 攻撃4000 射程P1―6

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