16 魔城 2
異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。
彼は己に備わった能力と心強い仲間の協力で、世界を席巻する魔王軍に敢然と立ち向かう。
旅を始めて最初に訪れた街を魔王軍の魔手から救った彼は、
倒した魔物さえも従わせて次なる地へ進むのであった――。
最も巨大な大陸に、険しい山々が連なる壁で文明圏から隔絶された地がある。
一年中吹雪が吹き荒れ、それが止んだ時だけ白銀に輝く美しくも生の無き死の幻想世界が姿を現す大地が。
雪と氷と暗雲が覆う、標高四千メートルを超えた、平地としてはこの世界でも最高度となる、誰も顧みない僻地の中の僻地。
そこに巨大な城塞があった。
禍々しく、ねじくれ、悪意と邪悪で塗り固められた、途方もなく巨大な城塞が。
この世界にある国家全ての敵である魔王軍……その首領が住まう城が。
石柱が立ち並ぶ、暗く巨大な、神殿のごとき部屋。
そこに四つの人影があった。
四つとも、背も体格も全く同じに見える。
四つとも、フード付きのローブを身に纏い、顔かたちは全くわからない。
青いフードローブを纏った者が静かな声で告げる。
「マスターウインドからの報告だ。やはりスイデン国の調査隊が『例の物』を持って行ったと」
黄色いフードローブが大声を出した。
「それ見た事か! やはりさっさと始末しておくべきだったな。俺が部下を差し向ける」
赤いローブがそこへ口を挟む。
「既に魔怪大隊から刺客が向けられていた筈だが?」
フン、と鼻を鳴らす黄色いフードローブ。
「念には念を、という奴だ。自分の部下でもない奴の腕を、俺はそこまで信用できんのでな」
低い含み笑いが響いた。
三人のローブが声の方へ振り向く。
そこでは紫のフードローブが石柱にもたれていた。
「なるほど。『例の物』を持ち帰るのは陸戦大隊という事になりそうだ。持ち帰るのは、な」
黄色いローブが声を荒げる。
「何が言いたい! 元はと言えば、海戦大隊の不始末だろうが。お前にそんなふざけた態度をとる資格は無いわ!」
言われた紫のローブは、それでもからかうような口調をやめない。
「ならば俺に後始末を一任すればいいものを。自分がやりたくてたまらんというのがどうにも見え見えでな」
黄色いローブが歯軋りをした。
「貴様ァ……!」
だが赤いローブがそこへ口を挟む。
「よせ。物が物だ、念を入れるのは間違いではない。私も既に部下を動かしてある」
その言葉に、他の三人が振り返った。
黄色いローブが呻く。
「おのれ……小賢しい事を」
一方、紫のローブは再び笑った。
「フハハ……空戦大隊も抜け目が無いものだ。どこぞの国の調査隊一つに、明らかに過剰な戦力が殺到しているぞ。これでは『例の物』を持ち帰るのがどの部隊になるのか、わからんな」
青いローブが静かに言った。
「我が魔怪大隊が最初にスイデンの調査隊を倒す。だからそのまま持ち帰る。もし途中で横取りを目論む輩が現れたところで……我が部隊の犠牲となるだけだ」
黄色いローブが舌打ちする。
「口でなら何とでも言えるわ」
赤いローブは溜息をついた。
「『例の物』を持ち帰るのが肝心だ。それだけは忘れるな」
そして……紫のローブは。
やはり低く笑っていた。
「全くその通りよ。誰が持ち帰っても良いのだ。誰であろうと、な……」
人類の生息圏から遠く離れた、この時代の邪悪の中枢。
吹雪が吹きつける城塞の、その中の奥で。
ジン達に迫る脅威の影は、急速にその色を濃くしていた。
今日も無料10連ガチャからSSR無し。
せめて使っているユニットのまだ+5になっていないRorSR武器が出れば良かったんだが。
やっぱりガチャって悪い文化じゃねーのか。悪意のオーラに包まれてハイパー化しそう。
「限定でないならいずれは当たるだろう。今すぐ金突っ込んでローリングバスターライフル(MAP)を狙う必要はない」
そう思っていた時期がワシにもありました。
まー金突っ込めば手に入っていたか?というと天井になっていたんだろうがな。




