表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
14/353

14 戦火 6

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は己に備わった能力と心強い仲間の協力で、世界を席巻する魔王軍に敢然と立ち向かう。

だが旅を始めて最初に訪れた街にも、魔王軍の手は伸びていた。

それを知恵と勇気で退けたジン。彼は被害を受けた街にも手を差し伸べる――。

 救助活動の手伝いを申し出ると、ハチマの領主は快諾した。

 よってジン達は消火活動や崩落に巻き込まれた人の捜索・救助を行う事になった、わけだが――


「おう、そっちに引っ張れ」

 ジンが機内から指示すると、折れた柱に結んだロープをオーガーとオークが必死に引っ張る。崩れた家屋に隙間ができた。

「オラ! さっさと行ってこい!」

 街の兵士にどやされ、ゴブリンが必死に隙間へ潜り込む。

 待つ事数分、目を回した爺さんを背負い、潰れた屋根の下からゴブリンが這い出した。


 ゴブリンもオークもオーガーも、全て元魔王軍兵士だ。それを今はジンが監督し、救助活動を手伝わせている。

 どうしてこうなったのか。

 話は数時間前に遡る――



 領主に了解を貰うと言っても、通信を送って即承諾、というわけでもない。何せ他国の軍なのだ。返事に多少の時間はかかる。

 その間に母艦Cパンゴリンからは回収部隊が出ていた。撃破した敵機から使える資材を集める部隊である。この世界では撃破した敵機から戦利品を獲るのが常識なのだ。


 その作業で、敵の捕虜を捕える事も少なくない。

 ケイオス・ウォリアーにも脱出装置はついている。操縦席ごと外に打ち出し、短時間だけ【落下軽減】の魔法の効果を発揮させ、着地できた後は操縦者が勝手にしろ……という至極雑な物だが。

 そんな装置でも生き残る者は多い。だが脱出後までフォローする物ではないので、捕らえられて捕虜となる者も多い。


 この日の戦闘でも、Cパンゴリンからの回収部隊は何匹かの魔王軍兵を捕えた。

 普通ならその場で斬首するのだが――


「こういう場合は襲われた街に引き渡すのが習わしだ」

 ヴァルキュリナがそう言うので、怯え慄く捕虜達をジンが街に連れて行ったのだ。

 もちろん、街の住人達は憎悪に満ち溢れていた。引取担当の兵士達の後ろで遠巻きに見ながら、魔王軍兵士の魔物どもに遠慮なく罵声を飛ばしていた。


「中央広場で鋸挽きにしろ!」

「今すぐここで火炙りにしちまえ!」

 いくつもの家屋が潰され、少なからぬ犠牲者が出ているのだ。怒りは当然のもの。

 魔王軍兵士達も助からない事を悟り、ある者は震えが止まらず、ある者はべそをかいていた。


聖勇士(パラディン)殿はどう処理すべきと考えますか? やはり一通りの救助活動の後、磔で串刺しか、市中引き回しあたりでしょうか? 何なら貴方の手で斬首刑にでも……」

 兵士の一人がそう訊いてきたのは、特に深い意味はなかっただろう。

「血生臭いのは好きじゃないからよ。それより救助活動だろ。俺はそうさせてもらうぜ」

 ジンの方も適当な気持ちでそう言っただけだ。


 処刑を見て楽しみたいとは思わなかった。むしろ敵とはいえ生き物を殺す事に嫌悪感はある。

 郊外市場で魔物の兵士と戦った時も、必死であり、死と危険への恐怖もあったので、四の五の言っていられなかっただけだ。

 ケイオス・ウォリアーでの戦いは生身の相手が直接見えないので、精神的に助かってさえいる。


 それに、この街に長居する気もない。

 何よりまだ崩落した建物の中で救けを待っている人がいるのだ。


 しかしこの世界ではあまり例の無い返答だったらしい。

 兵士は驚きに目を丸くした。

「なんと! 魔物の命を救われると? その上、人助けに使えと!?」

(言ってねぇよ、そんな事は)

 予想外の対応に、ジンは否定を口にするのが遅れた。

 その間に市民達も目を丸くした。

「人間同士でも雑兵など始末されても不思議ではないのに、まさか魔物の兵を助けようとは!」

「ただ見逃すのではなく、償いとして働かせろというのも、理がある気がするな……」

「正直、不満が無いでもないが……敵と戦った聖勇士(パラディン)様自身がそう言われるのでは仕方が無いか」


(おいおい……これまさか「さす転移者! さす転移者!」な流れか?)

 妙な展開に顔をしかめるジン。その肩を後ろからぽんぽんと、ナイナイが叩いた。

「さすがジン! いい所あるね」

「言うのお前かよ」

 ジンは大きな溜息をつく。ダインスケンが「ゲッゲー」と鳴いた。


 こうしてジンは魔王軍の雑兵を使い、救助活動にあたっているのだった。

4000字超えたら読み難くなるとかいう情報を見て

適当な所で区切りながらアップしてるけど

話数がやたら多くなりそうだな。


誰かのロジック信じない直感は信じていたい所だが

それで正解踏んだ試しがないのも確かだ。


ワシが超獣機神に乗ったら

合体どころかアグレッシブモードも無理そうだわい。

戦車のままやってやるぜ(攻略本にザコMSの方がマシとディスられる)。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] さすジン! [気になる点] ジンはその内、指揮官のスキル持ちになってそう。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ