ある男との会話
拙い文章ですがどうぞ
過去の私は本当に最低の人間だった いや それは今もか
当時の私は既に、いやずっと壊れていたのだろう 何も感じずただ淡々と仕事をして日々を送っていた
どのタイミングだったか私も定かではないが電池が切れたように動けなくなった
ただただボーっとPCに電源を入れ何かをしていたような記憶がある
当然 仕事にも行かず職を失い収入を失った
収入がないから家賃・光熱費も払えず寝っ転がって天井を見ていた
裁判所からの通知なども全て無視し天井を見ていた
頭に浮かぶのは楽しかった日々と死への羨望だった
バスルームをガムテープで密閉状態にしトイレ洗剤や浴槽洗剤などを混ぜて自殺を図ったこともあった
幸い何かが間違っていたのか死には至らなかった
当時の私は死ねなかったことにさらに死への羨望が増していった
死に場所を求め外に出た
どれくらいさ迷っただろうか 私は疲れとある公園に立ち寄った
深夜とも早朝とも言えない時間帯だった
ベンチに座り煙草をふかしていた
浮浪者だろうかある男が私に話しかけてきた
「兄ちゃんこんな時間にこんなところで何してる?」
それはお互い様だろうと思いながら私は答えた
「自殺の名所とか死に場所を探している」
その男はシケモクに火をつけながら訝し気にこう言った
「そんなもんはねぇよ 勝手に人が言ってるだけだ」
男はこう続けた
「何があったか知らねぇし興味もねぇ ただこの辺は俺の地元だ 死なれちゃ夢見が悪い」
「俺ももう似たようなもんだが死ぬ気はねぇ 俺と違って兄ちゃんはまだ頼れるところがあるだろ?頭下げて行ってきな」
見ず知らずの男にこう諭された
「生きてりゃなんかある 兄ちゃんは見たところ片意地はって誰にも弱さを見せず突っ張ってきたんだろ?骨休みと思えばいいさ」
不覚にも涙が出ていた
何でこの男は今日 初めて会ったのにそこまで分かっているんだ
「何故そう思ったんです?初めて会ったのに」
男は笑いながら言った
「俺がそうだったからよ 今じゃこんなざまだがな!」
「もう一度言うが自殺の名所なんてねぇ そんなもんは存在しねぇ それは勝手に人が作り上げたもんだ」
「俺はもう行くが馬鹿な事考えるんじゃねぇぞ?」
と言い残し男は去っていった
その後 方々へ頭を下げ何とか今 生きている
礼を言おうと何度かその場所へ行ったが会うことはできなかった
あの男と出会っていなかったら今の私はいないだろう
いまの私を見てあの男はなんて言うだろうか?
今の私はまた別の人に心を救われ生きている だがそれはまた別のお話
「なぁ兄ちゃん 何とかなるもんだろ?」
お読みいただきありがとうございます!




