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混乱 陽人side

ここ最近更新できず、申し訳ありませんでした。また更新が遅れることもありますが、ご了承ください。


 俺は何が起きたか分からず、しばらくその場を動くことが出来なかった。告白を断られたということを理解するまでに、とても時間がかかった。


「断られたのか……?」


 言葉に出してようやく、俺は現実を受け止め、その場にしゃがみこんだ。


 初めて会って、話して、ようやく俺は水野と打ち解けたと思っていたが、それは自分の思い違いだったのだろうか。水野も俺のことが好きだと自惚れていたのだろうか。


 そして、俺は水野の言葉を否定できなかった。俺は知らず知らずのうちに、水野を通して”あおい”を見ていたのだろう。だからとっさに否定することができなかった。その心を、水野は見抜いていたのだろう。


「あのジンクスは、所詮噂に過ぎなかったんだな」


 昼休みに立花が言っていた、リレーで一番になって告白すれば結ばれるというのは、所詮噂に過ぎなかったのだろう。それを信じた俺も、案外ロマンチストなのかもしれない。


 告白を断られたことにショックを受けたが、水野の言うことにも否定できなかった自分が情けない。何より俺も水野も、まだ初恋の人の影を追い続けている。この世にいないと知りながらも、この淡い気持ちだけは拭いきれない。


「これからどうするか」


 水野とはこのまま、いつも通りというわけにもいかないだろう。告白することは誰も知らない。このままだと、立花の耳には入るかもしれないが、それはそれで別にいい。


 俺はしばらく、誰もいない教室でジッと水野の席を眺めていた。

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