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休憩中

投稿が遅れて申し訳ありません。9月下旬になれば投稿頻度も戻ってきますので、長い目で見守ってくださると幸いです。合間を見つけることが出来れば、またこのように投稿いたしますので、これからもよろしくお願いいたします。

 学年別対抗リレーを終え、選手たちがそれぞれのテントへ戻って来る。ここから約15分の休憩を挟む。最後のフォークダンスに向けての準備も兼ねている。


「たっだいまー!」


 元気に帰って来た葉月は、私に思いきり抱きついた。あれだけ全力疾走したのに、まだこんな元気が残っているのかと感心した。


「お疲れ。それからおめでとう。そっちの2人も本当にお疲れ」


 葉月と後ろにいた山辺君と鳥谷君にも声を掛ける。葉月もそうだが、2人もそこまで疲れを見せていない。全力疾走した後なのと緊張の後でもう少し疲れていると思ったのだが、やはり日々の練習や試合で鍛えられたのだろうか。


「結構ヤバかったが、最後の最後で風間先輩抜けたのが一番嬉しかったな」


「あれは本当に接戦だったな。1位になれなくとも嬉しいぜ、俺は」


 まるで自分のことのように喜び、肩を回す鳥谷君。相変わらず本当に仲が良いよね、この2人は。


「あ、私これから大事な瞬間撮るために準備しないとだから行ってくる!」


 葉月は元気に走り出す。大事な瞬間って、絶対風間先輩だよね。前々からずっと言っていたし。本当にカメラ魂はすごいな。


「って、葉月、カメラ!」


「あ、俺が持って行くよ」


「あ、お願いしていい?」


 私は鳥谷君にカメラを預ける。周りが見えなくなるとドジになるのも可愛いところではあるけど。


「意外とそそっかしいな」


「それだけ楽しみなのよ。葉月の中では、これがある意味メインイベントだから」


 楽しそうなら何でもいいけれど、ケガだけはしないでほしいな。鳥谷君がそばにいるから大丈夫だろうけれど。


「次はフォークダンスだもんな。風間先輩、大変だろうな」


 山辺君につられて入場門を見ると、すでに何人かの3年生は集まりだしていた。その中の何人かの女子はものすごいはしゃいでいるように見える。フォークダンスを利用して、風間先輩とお近付きに、ましてや手を繋げるのだから盛り上がるのも無理はないか。


「ん? お前も羨ましいのか?」


「そういう風に見える?」


「さぁな」


 山辺君の意地悪な問いを軽く受け流し、私は風間先輩に目を向ける。東雲先輩を始め、他の友達に囲まれながら男子高校生らしくじゃれ合っている姿は、どこにでもいる男子高校生だ。


 ただ、あの中にユウ君がいないだけで、日常は何事もなく過ぎていくのが、どこか寂しい。もしもユウ君がいたら。もしもユウ君が楽しんでいたら。そう考えるだけでどこか苦しい。もしかしたら、風間先輩も同じなのかもしれないけれど。


「なぁ、水野」


「ん? 何?」


「これより、最終種目のフォークダンスが始まります。3年生は入場門に並んで準備をしてください」


 山辺君の言葉に被さるようにしてアナウンスが流れた。


「で、何か言いかけた?」


「いや、別に。勝てるといいなって」


「そうね。山辺君、頑張ったものね」


 それから私たちは無言で、フォークダンスが始まるまでジッとグラウンドを見つめていた。

来週は難しいかもしれませんので、先にご報告しておきます。

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