表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/113

体育祭に向けて 陽人side

この度はお休みをいただき、ありがとうございました。本日から連載を再開して参ります。

「疲れたな」


「そりゃあな」


 9月に入ったとはいえ、まだまだ残暑も日差しも厳しい。そんな中、集中力と体力を削る組体操を練習させられているのだ。疲れるのも当然だ。


 今は2人組の練習。なぜか俺は空輝とペアになった。知らない人と組むよりはマシだが、ランダムで決められたとはいえ、どんな確率だよ。どれだけ俺たちは腐れ縁で繋がってんだ。


「ハル、ハル……」


「ん?」


「手、離してくれ……」


「あ、悪い」


 俺はパッと手を離す。そういえば、今は倒立の練習中だったか。余計なことを考えていたせいで手を離すのを忘れていた。


「で、何考えてたんだ?」


「お前と俺の腐れ縁についてな」


 今度は俺が倒立をする。別に支えはいらないが、念のために空輝に支えてもらう。


「そんなの今さらだろう。俺はてっきり、水野さんのことでも考えてたのかと思ったぜ」


「それはお前だろ。気になるんだろ、立花が」


「な、そんなわけねぇだろ」


 分かりやすい。組体操の練習中、ずっと体育館のほうを見ていたのを俺は見逃していない。まぁ俺も見ていたから、空輝の視線に気が付いたのだ。


「お前、バレバレだよ。さっさと告ればいいものを」


「そんなわけにはいかねぇよ。立花さんは高嶺の花で、ライバルは大勢いるんだ。俺が立花さんの横に並べる日なんて思ってないよ」


 どこか弱々しい声。積極的なのか、それとも臆病者なのか分からないな。根はすごく良い奴だし、立花も満更ではなさそうなんだけれど、こいつは気付いているのだろうか。


「お前こそどうなんだよ。水野さん、気になってるんだろ?」


「別にそんなわけねぇだろ」


「それとも、あおいちゃんが気になるのか? あ、いや、ごめん」


「気にするな。とりあえず、今は組体操に集中だ」


「そ、そうだな」


 俺たちは2人技の自主練を終え、今度は他の人と練習をする。それでも、空輝の言葉が引っかかる。忘れるわけがない。俺の初恋の相手なのだから。


「よし、全員休憩だ!」


 先生の声で生徒がそれぞれ木陰に行ったり、水を飲みに行ったりと散らばった。さっきの言葉が引っかかり、組体操にも集中できなかった。


 俺はもう一度体育館を見る。今頃、あいつはダンスに勤しんでいるだろう。


「俺はどちらのことを……」


 そこまで言いかけて、俺はやめた。まだ、認めたくないから。今のままでいいからだ。


「ハル、俺たちも休もうぜ」


「あぁ」


 俺もみんなと同じように休むことした。

本日はバレンタインデーですが、みなさんは大切な人に感謝を伝えられましたか?

日頃の感謝を伝えるのもこういう機会でしかないので、私は読者のみなさま、そしてTwitterのフォロワーのみなさまに感謝を申し上げます。これからも日々精進して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ