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古事新記(ふるごとあらたにしるす)  作者: 五十鈴飛鳥
第4節 海と天はふたたび交わる
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55国の行く末

 アフリカ西海岸には北から南に風が吹いている。

 風は北に向くことなく、帆船を出せば帰ることはない。

 アフリカ東海岸には季節風が吹く。これは夏に北東へアラビア半島、インド方向へ、冬には逆に南西に吹く。後世、貿易に大いに役立った。


 アトラス山脈の西端の国境沿いの港町。港といっても交易のための港でなく漁村である。

 親子連れ、身なりのいい人、主人と使用人、未成人の姉弟、漁港に不釣り合いな人々が集まる。


 この地より南に下るには峡谷を抜け、川を渡らなければ西サハラ平原にたどり着けない。

 海を行けば、風に流されてしまう、動力なしでは帰れない。よほど潮の流れを熟知していれば話は別だが。


 折しも、スーサ敗北の報が国中に流れ混乱はマックスになっていた。



 自決を覚悟する者、自暴自棄に略奪、暴行に走る者。二度と帰れぬ船旅に出る者。





 スーサを失い、娘のセセリは悲しみに沈んだ。

 イナンダは自室に閉じこもり執務を続けられない、動揺は隠せない。


 テヲは一人で考える。戦力、物量、兵士、食料、全てが足りない。

 軍神とも言える精神的な支えを失い、士気が落ちている。全面戦争に対する心構えができない。




 一方、衛星軌道上では、ムサシはドックで修理を受けていた。ほぼ航行不能の状態で、特にプラズマ保持トーラスは壊滅的で、超伝導コイルは電線と磁石が癒着している。冷却ヘリウムがトーラス保全通路にあふれている。周囲は-270℃ヘリウムが蒸発しない。地上なら冷却装置がダウンすると貴重なヘリウムが消失してしまう。それだけでも救いだ。

 通常戦力以外で、強力な兵器を欠いている状態である。




 ヤマト用改修部品を組み立て状態では地上に降ろせなくなった。

 宇宙エレベーターでASSY状態で降ろして、現地で組み立てするにも治具がコロニーにあって持ち運びもままならない。

 ジズの格納庫は十分なスペースがないが、核心部分のパーツを分ければ載せられない事はない、治具も最低限の治具で済む。しかし大気圏突入の衝撃に耐えられるだろうか?



 ヤマトの改修部品とNo.2の治具の現地製作を考えるべきか?

 そもそもベヒモスにプログラムを突っ込めば、3Dプリンターのようなもので自動作成する。数千年も経てば。

 次のネフェリムの再来は800年ほど後なので、じっくり待つ時間はない。


 そこで、ヒルメは、3千年ぶりにジズを地上に降ろす決定をした。

 レヴィアタンを手に入れるまであと少し。ヤマトの三番艦建造が現実に近づく。

 宇宙へ運ぶ手段としてムサシが絶望的なのでベヒモスとヤマトの治具が頼みの綱。

 もともとサルベージ船を用意してあるが、ザンジバルまでの航路を延長して東南アジアの大陸棚中央、旧ムーの首都ピラニヒラのドックへ運ばなくてはならない。






 海原の根の国は、どうにかして存続したいがそれは叶わぬ願いとテヲは感じていた。

 テヲは講和を申し出るため、カズチとフツに書状を送った。


 講和会議が開催される事になった。


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