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古事新記(ふるごとあらたにしるす)  作者: 五十鈴飛鳥
第4節 海と天はふたたび交わる
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47二国間交渉

 轟音を空気に響かせて、今日も空を行くモノがある。

 ワカヒコの爆撃から間を置かず、海原の根の国に親書が持ち込まれた。


 取り込んだ技術、人、古代技術を基に開発した兵器の明け渡しを求める文書である。


 イナンダは、拒んだ。受け入れられない。あまりに一方的すぎる。

 しかしながら、兵力差は歴然として隔たりがある。その証拠に、毎日轟轟と音を立て空を飛んでいるモノ。実際に爆撃が行われる地域もあって、いくら矢を天に放っても迎撃なんてできなくて、されるがままだ。


 相手は音速で飛行する飛行機(航空法上では人が乗るのが航空機、乗らないのが飛行機、自衛隊法では戦闘機他は飛行機ですが。)なので、石器時代全盛期になんの手立てもないのだ。


 諸侯は反抗の意思は全くと言っていいほどそがれ、降伏するもの、寝返るものが出るほどだが、スーサ王は許さず遠征を繰り返して、やっと繋ぎ止めていた。


 諸侯、海原、天の武力の比較といえば、石器<重火器<ガ〇ダム 位の差があるので、海原の国は制圧に関しては不自由ないが、空をバリバリ雷音を出す化け物の対処には指をくわえて見ているしかない。




「海原の国の装備についての調査では、ミサイルはないと考えてよいのですね。」


「飛翔体を作る能力はないようです。せいぜい投石器(カタパルト)までで、ワカヒコの件は例外です。空爆を続けることで、我がほうへ保護を求める諸国があります。だた国境線を変更するには陸上部隊の駐屯が必要になりますので、今のところ控えています。」


 ヒルメは、空爆結果の報告を受け、制圧可能と判断した。しかし本来の目的は、潜水艦(レヴィアタン)の引き渡しが目的なので、なるべく交渉で国を開きたいが、何年経っても進展がないので、実力行使も辞さない考えだ。



「では、かの国には軍門に下っていただきましょう。カズチ、あなたには、ナイルから諸侯を平定しながら向かってください。武力は行使しなくても自然と下るでしょう。フツ、あなたには、西サハラより空母を以って地中海北岸を平定しながら向かってください。これには空爆が必要かもしれません。かの国の勢力圏を奪いつつ包囲するのです。」


 カズチとフツの両将軍に制圧の命が下った。








「即刻、レヴィアタンの引き渡しに応じなければ、国を亡ぼすとあります。」

 伝令の言葉。


「なんだと?」

 イナンダが不機嫌な声で答える。


「穏やかなではないね。今までの柔和な態度が嘘のようだ。」

 テヲは顎に手をあてうなる。


「いつでも攻められたが、していなかっただけです。それほどレヴィアタンが危険なものなのでしょう。が。今更何故。武力に出ようとする意図が不明です。」


「さすがに先日のワカヒコの件は、あちらにも大事件なようで、これ以上の軍拡を許さないという意思表示でしょう。私も驚きました。まさか強力な飛び道具を持っていたとは。」


「見せかけのバランスをとっていたというのに、余計な事をしてくれました。挙句死んでしまうのですから情けない。」


「全くですよ。勝手に狙いを定めて飛んでいくなんて。蒸気で遠くに飛ばす試みなんて吹き飛ばされてしまう。」


「テヲ、その蒸気の件は進んでいますの?」


「はい、義母(かあ)さま。蒸気圧砲(カタパルト)を使えば、最近頭の上を飛んでいるヤツの高度に到達できるでしょう。しかし撃ち落とすまではまだできません。しかし地上の制圧には十分です。」



「飛んでいるのが問題なのですよ。早急に対処しなさい。」


「命中精度と速度を上げなくてはならないので、砲手の育成と軽くて直進性のある砲弾の開発を急ぎます。」


 海原の国もダダではやられない覚悟をしていた。



 各地で、衝突が起こっていた。国内外でどちらにつくかが、論議になりつつあった。


「われら、エージアに退く道はない。俺は戦う。」

 スーサに傾倒していたギブル・ヌナカターは、戦闘の意思を示した。




「雷を引く鳥をよこされては、勝つ理由が見つからない。戦闘を避け中立を貫けないか。」

 ジョシアのラフム・チェフから戦意が感じられない。

 各諸侯も同様に揺れていた。スーサ王に連なるポセイダルの一族はまだ銃やアームがあるが、ほとんどが石器の弓矢、槍であって、対抗手段にならない。

 従って、戦闘を支持しているのは、王の親戚筋とスーサ王に狂信的な一派のみだった。




 ナイル下流では、セトの勢力があり、元々海原の国とは敵対していたので、ナイル川下りに加勢する予定である。

 各諸侯は国許にもどり、戦争の準備をするもの、防御に徹する準備をするもの、和平のため貢物の準備をするもの、それぞれの思惑の元、散っていった。

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