表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古事新記(ふるごとあらたにしるす)  作者: 五十鈴飛鳥
第3節 いい男と魔法少女は、黒ノ国主と白の魔法使いにクラスチェンジしました。
59/77

38摂関王テヲ

 摂政。古代からある役職で、天皇の変わりに政治を行う職。

 摂政の歴史は聖徳太子に始まり昭和天皇で終わる。間に藤原氏の摂関政治があるが、帝国憲法では皇太子、皇族の就く役職。


 テヲの即位は伏せられていた。表向きは関白として執政する。それは海原の根の国を手中に治めるという、ワカヒコの野望をあきらめさせないための措置である。

 新兵器のお披露目もお預けであった。





「本年の軍事費ですが、やはり国外派兵費が財政を圧迫しています。」


「駐留費用は現地に負担させていますが、装備の整備は任せるわけにはいきませんので、アーム、と機動兵器の同時運用は強力ですが、交換部品供給も鉄が足りません。西サハラから得られる鉄は限られているため、機動兵器ではないもっと安価な制圧兵器が必要です。」


「開発費を捻出させるためにも、軍事費を抑えなければ、天の根の国に匹敵する武具を造ることは叶わない。」


「しかし、各地の統治にも限界があります。協力的な国であればいいのですが、国の体も成していない地域に期待できない。それに、従うそぶりもない下ナイルなどは、天の根の国からの支援があるとのうわさがあります。」


「上ナイルには敵対する勢力があると聞きます。それを利用したいのですが、交易ルートもなく、サハラ平原の勢力圏はあちらにあります。敵勢力を割るには、危険が伴います。」


 今日も今日とて密室会議。テヲとイナンダの、義母-娘婿(おかあさんとむすこ)会議が行われていた。傍から見れば不倫現場である。



「空気圧と熱源確保が同時に可能な機関を得られたので、天の根の国への潜入も意味があったのですが、二度目はないでしょう。あの鍵穴のない壁に入るには、我々の理解を超えます。」


「さすがに、もう一度拷問は受けたくないです。」


「そういえば、この間来た使者はどうしているのですか?」


「ワカヒコは、タキリ姫がたらし込んでいます。いやあ、彼がいい男でよかったですよ、気合の入り方が違う。それにワカヒコも乗り気で、よっぽどあちらの国での待遇が悪かったのだと。」


「タキリ姫がお気に入りとは、どんな面構えか見てみたい。」


「シュッとした細面で、体つきも細マッチョで、服のセンスもいいので、女性受けはいいかもしれません。」


「しかし、それだけですか?気に入るのは理由があってしかるべきでは?」


「彼は礼儀正しい。それに行動スマートで無駄がない。しかし女性の押しに弱い。男性相手では積極的ですが、女性には結構聞き役に回って要望を受け入れます。タキリ姫が王位継承権のある身分である点が、彼の中で打算的に働いているおかげかもしれません。」


「何にしても、こちらの駒にする。監視は怠らないように。」


「はい。」


 テヲは王と云うよりも、イナンダ王妃の傀儡であった。しかしながら、決して操られているという実感はない。なぜなら理にかなっているからだ。決定権をイナンダ王妃が絶対的に保持しておらず、二人の合意の上で成されている。まるで長年よい沿った夫婦のようだが、ある程度の条件で予測すると、おのずと同じ結論にたどり着く。論理的思考で先を読む同士だと、話が早い。






「ワカヒコは無事かの国に潜入したようですね。」


「はい。先方も交渉を受け入れる準備をしてると報告があったので、よい知らせを持ち帰ることでしょう。」


「かの国が、条件を易々と受け入れるでしょうか?それに使者が無事帰る保障はありません。」


「逮捕拘束される可能性についてホノヒコの例があります。裏交渉の返答には、ホノヒコの処遇もありました。現在かの国で保護しているとの事で、救難救助と保護に掛かった費用と受け渡しの条件があり、これは受け入れがたい条件があります。人質としての価値があると見込んでの事だと思われます。」


「規模が小さいといえ、少数精鋭のワカヒコの部隊はむざむざ捕まるとは考えにくい。しかし、敵の懐に入ってしまっている以上は犠牲を覚悟しています。」


「またしても人質をとられて人間の盾にされては、人権派にたたかれます。」


「議会を説得するにしても、平和的解決が第一ですから、下手に攻め込む事も出来ませんし、どうしたものかしら。」



 天の根の国では、ヒルメが悩みに悩んでいた。なにせブレインになる人物がいない。3000歳のヒルメにタメ口いえる人物は少ない。だから、過去の記憶を持つククが頼みの綱なのだった。今年教育課程を卒業するククを宇宙の研究所に放り込む。なんとしても育成を早めたいと思うのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ